
新しくECサイトの運営を始めようと検討している方にとって、どのECサイト制作サービスを利用するかを決めるのに悩む方も多いでしょう。一度サービスを決めてしまうと、変更するのは難しいものです。
今回は、世界でも有名なECサイト制作サービス「Shopify」と、日本国内で発祥し人気の高い「カラーミーショップ」の2つのサービスを比較してみました。記事をご覧いただくと、それぞれのサービスの違いを理解できます。EC制作サービスを選ぶときの参考にしてください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップを4つの項目で比較
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップは、それぞれ月々に発生する費用やデザイン・機能性などに違いがあります。ここでは、4つの項目に分けて2つのサービスを比較してみましょう。
- 初期費用や月額費用
- デザイン性
- 基本機能
- 決済方法
その前に、Shopifyとカラーミーショップについて概要を解説します。
Shopifyとは
Shopifyはカナダで発祥したECサイト構築サービスで、今となっては世界で有名な会社でしょう。Shopifyを活用してECサイトを制作している国は170カ国にのぼります。
世界各国に広がりアメリカにおいては、Eコマース全体に占める割合は10%を超える勢いです。外部システムとの連携も図りやすく、世界中には数百万のマーチャントが存在する巨大EC構築サービスです。
参照元:Shopify公式サイト
カラーミーショップとは
カラーミーショップは、日本発祥のECサイト制作サービスで、GMOぺパポ株式会社が提供しています。2004年のサービス提供開始から現在まで、180,000店舗に選ばれる老舗のサービスです。Webページを作成するスキルがなくても簡単に始めることができ、サポート体制も充実していることが魅力です。
参照元:カラーミー公式サイト
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップの比較①:初期費用・月額費用
まず初期費用や月額費用を表にまとめましたので比較してみましょう。
Shopify | カラーミーショップ | |
---|---|---|
初期費用 | 無料 | ※フリープランで開始すると無料 |
月額固定費用 |
|
※フリープランは無料
|
契約期間 | 最低1ヶ月 | 最低3ヶ月 |
独自ドメイン | 〇 | 1ヶ月1,100円 |
Shopifyは、2023年4月以降「ベーシック「スタンダード」「プレミアム」の3コースの価格を変更すると発表しています。表に記載した金額は、2023年4月以降に月払いで利用した場合の価格です。年払いにすると25%オフで利用できるため、月額に換算するとベーシック25ドル、スタンダード69ドル、プレミアムは299ドルと月払いの改定前の料金で利用可能です。
ShopifyでECサイトの制作を検討している方は、2023年4月より前に利用手続きを開始することをおすすめします。カラーミーショップはお試しで制作してみたい方に、一部機能制限はありますが、フリープランが用意されています。
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップの比較②:デザイン性
続いて、Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップをデザイン性で比較してみましょう。商品ページのデザイン性やカスタマイズが簡単にできるのかは、ECサイトを制作するうえで重要なポイントです。
Shopifyもカラーミーショップも、デザインテーマが複数用意されています。無料のものと有料のものがあります。
テーマの種類 | Shopify | カラーミーショップ |
---|---|---|
無料テーマ | 11種類 | 15種類 |
有料テーマ | 108種類 | 23種類 |
Shopifyの有料テーマは180ドル~350ドルのものがあります。
カラーミーショップはテンプレート一覧ページで無料・有料で検索できるものを数えています。カラーミーショップの有料テーマは9,167円~38,500円で利用できます。
ブランドイメージを高めるデザインと、商品点数の多いショップに対応したデザインとさまざまなバリエーションのテーマを選択できます。
Shopify無料テーマの一例
Shopifyの無料テーマの中でよく使われているテーマを4つ紹介します。
- DAWN:商品画像を中心に紹介。スマートフォンやPCで閲覧するとトップの画像が大きく映し出されます
- Ride:スポーツ商品を扱うのに適したテーマ
- Taste:特産品の販売やブランディングを大胆に行いたいときに適したテーマ
- Studio:アーティンストや芸術コレクションの販売に適したスタイリッシュなテーマ
ShopifyはECサイトの販売目的や業種によって、デザインテイストを変えたテンプレートを多数用意しています。ECサイトの業種や目的別により選択するテーマは異なりますが、デザインテーマは豊富にそろっているため、好みのデザインテーマを選択できるでしょう。
カラーミーショップ無料テーマの一例
カラーミーショップにも無料テーマが豊富に揃っています。そのうち3点をピックアップして紹介します。
- nano:フォトアルバムを並べたようなスッキリしたデザインテーマ(商品点数が少ないショップ向け)
- PILOT:スマートフォン専用設計のテーマ
- WEST:商品アイテムを棚に並べるようなスタンダードデザインのテーマ
カラーミーショップのテーマは、シンプルなデザインが多く初心者向けの印象を受けます。難しいデザインテーマを選んでしまうと、ECサイト制作に挫折してしまう場合もあります。商品アイテムを店頭に並べるイメージで制作できることは初心者でも安心できるポイントです。
無料テーマを比較した結果
Shopifyとカラーミーショップの無料テーマを比較してみました。どちらのサイトもダミーサイトを閲覧して検証しています。
タグなど専門知識が不要ですぐ試してみたいのであれば、「カラーミーショップ」が使いやすいでしょう。ただ、写真の配置やデザイン性と、PCとスマートフォンでレスポンシブ対応が可能なのは「Shopify」のみのようです。
スマートフォンで表示をする際に正しく表示されないと、ECサイトが検索結果に表示されない可能性があります。そのため、テーマを選択する際は、レスポンシブ対応していることをチェックして選びましょう。
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップの比較③:基本機能
ECサイトの作成で欠かせないのは購入機能などの基本機能が充実していることでしょう。Shopifyとカラーミーショップの機能を一覧表にまとめましたので、ぜひ比べてみてください。
機能 /ECサイト名 | Shopify | カラーミーショップ |
---|---|---|
HTML編集/パスワード保護 | 〇 | 〇 |
レビュー機能 | ※専用アプリをインストール | ※フリー版は利用不可 |
送料設定 | 〇 | ※フリー版は利用不可 |
ポイント付与機能 | ※専用アプリをインストール | 〇 |
購入制限 | 〇 | 〇 |
お酒購入時などの年齢制限 | 〇 | 〇 |
クーポン発行 | ※専用アプリをインストール | 〇 |
再入荷通知 | 〇 | 月1,650円の有償サービス |
メルマガ配信 | 一定のメール数まで無料 | 〇 |
定期販売 | ※専用アプリをインストール | 〇 |
それぞれのサービスごとに、独自に設定できる機能とできない機能があります。Shopifyとカラーミーショップでそれぞれ比較してみましょう。
Shopifyが独自に設定できる機能
Shopifyはカナダ発祥のサービスなので、英語表記に対応しており、越境ECを始めやすいことがメリットです。基本機能に含まれていないものでも、外部のマーチャントが提供しているアプリをインストールし設定することで、機能を使用できるのもメリットといえます。
Shopifyが外部アプリの導入も含めて独自に設定できる機能は次のとおりです。
- レビュー機能
- 送料詳細設定
- 予約販売
- まとめ販売
- 受注生産販売
- アクセス解析
- Google連携
- Instagram連携
アクセス解析・Google連携や、Instagramへの連携は、SNSの公式アプリや日本国内のマーチャントが提供しているアプリで対応できます。
カラーミーショップが独自に設定できる機能
Shopifyでは外部連携アプリの導入が必要ですが、カラーミーショップでは独自に設定できる機能は次のとおりです。
- ポイント機能
- 年齢制限
- メールマガジン配信
- 定期販売
- レコメンド機能
- ダウンロード販売
- 複数配送先設定
ポイント機能や年齢制限が基本機能に含まれるのは魅力的でしょう。
機能を比較した結果
Shopifyは、基本機能に含まれていない場合でも、無料・有料アプリを導入すると使用できる機能が増えます。外部の連携アプリは日本製・海外製含めると数千種類のアプリがあるため、さまざまな機能を網羅できるでしょう。
カラーミーショップは、フリー版では使用できない機能があるものの、レギュラープラン以上になれば使用できる機能が増えます。ただSNSの連携やGoogleとの連携が全プラン、月額費用がかかるのがデメリットといえます。
ECサイトを運営していくうえでSNSの活用は必須なので、SNS連携やGoogle連携でいえば「Shopify」に軍配が上がります。
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップの比較④:決済方法
続いて、Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップ決済方法を比較してみましょう。対応している決済方法は下の表のとおりです。
決済方法 | Shopify | カラーミーショップ |
---|---|---|
カード決済 | ○ | ○ |
銀行振り込み | ○ | ○ |
携帯キャリア決済 | ○ | ※レギュラープラン以上 |
後払い決済 | ○ | ○ |
コンビニ決済 | ○ | ○ |
楽天ペイ | ※未対応 | ※レギュラープラン以上 |
PayPal | ○ | ※レギュラープラン以上 |
PayPay | ○ | ○ |
Google Pay | ○ | ― |
Stripe | ○ | ― |
Apple Pay | ○ | ― |
決済手段は、Shopifyの方が対応できるブランドの種類が多いです。ユーザーが利用したい決済手段が多いことは、ユーザーが商品購入する際に選びやすくなるのでメリットとなります。
ShopifyにはShopify Payment(ペイメント)という基本機能があり、利用設定すると、即時カード決済が利用できるようになります。
同じくカラーミーショップにも、カラーミーペイメントという決済機能があり、GMOグループ傘下のGMOイプシロンが提供しています。Shopifyと同様に、複数の決済手段を一括で利用可能です。
続いて、カード決済の手数料を見てみましょう。
Shopify(※ベーシックプランで算出) | カラーミーショップ |
---|---|
VISA、Mastercard:3.4% | フリープラン:6.6%+30円 |
JCB:4.15% | カラーミーペイメント個人:5.5% |
AMEX:3.9% | カラーミーペイメント法人:4〜5% |
Shopifyは、Shopify Plusなど上位プランを利用している方が、手数料率はお得です。上位プランを利用していると、決済手数料も下がります。
カラーミーショップは、フリープランの決済手数料は高めの設定です。ただし、有料コースのレギュラーやラージ、プレミアムコースを利用していると決済手数料は下がります。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)とカラーミーショップの機能を4項目で比較しました。
初期費用や月額費用については、カラーミーショップはお試しでフリープランから始められることがメリットです。ただ、ShopifyにはShopify Partner(パートナー)もあり、テストストアをお試しで制作できる開発環境が整っています。
デザイン性やテンプレート機能で比較すると、Shopify・カラーミーショップどちらも無料・有料ともにテンプレートは数多くそろっており、希望に沿ったデザインのECサイトを制作できるでしょう。ただし、パソコン版とスマートフォン版のレスポンシブ機能は、Shopifyのテーマはほぼ対応してくれるのに対し、カラーミーショップは対応可能なテーマと対応できないテーマがあるため注意が必要です。
機能面から比較すると、クーポン発行やメルマガ配信は、カラーミーショップではサイト内で対応可能なのに対し、Shopifyはアプリを導入する必要があります。ただし、SNS連携や、Googleのアクセス解析、広告運用はShopifyが優れています。
決済手数料は、Shopifyの「ベーシックプラン」でもカラーミーショップより安いことがわかりました。
これからECサイトの制作を考えている方は、ぜひ参考にしてください。なお、ECサイトの制作代行を利用すれば、低コストでクオリティの高いショップを作ることができます。ECサイトを初めて制作する方や、集客・運用のノウハウがない方は、制作代行を利用して、総合的なサポートを受けることをおすすめします。
ShopifyのECサイトを成功させるには、制作するだけでなく、広告運用などマーケティングの部分も重要です。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアルをお考えの方や、Web広告などによるプロモーションを行いたいとお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
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