
「Shopifyで顧客管理を行う方法は?」「顧客管理を行うメリットは?必ず行う必要ある?」そういった疑問はありませんか?
顧客管理とは、自社の商品やサービスを購入したユーザーを分析し、マーケティング活動に活かすことです。既存の顧客を良く理解してこそ、効果的なマーケティング施策を打ち出すことができます。
今回は、Shopify(ショッピファイ)で顧客管理を行う方法やメリット、顧客管理で役立つアプリを解説します。ShopifyでECサイトを運営している人は、この記事で解説する手順やアプリ参考に顧客管理を行ってみてください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)で顧客管理を行うメリット
Shopify(ショッピファイ)で顧客管理を行うメリットは次のとおりです。
- 売り上げの安定化
- マーケティング戦略を立てやすくなる
- 顧客情報のスムーズな管理・共有
顧客管理とは、自社の商品やサービスを購入した顧客データを分析して、マーケティングや商品開発に役立たせることです。顧客データには、売り上げアップにつながるさまざまな情報が眠っています。
顧客管理を正しく行うことで、マーケティング戦略を立てやすくなり、売り上げの安定化や顧客情報のスムーズな管理・共有を行えるようになります。商品やサービスが必要な人に効果的に販促でき、求めている人に届かない機会損失を防げます。
売り上げの安定化
顧客管理を行うことで、売り上げを安定させることができます。
売り上げの安定化には当然新規顧客の集客も大切ですが、それ以上にリピーターの獲得が大切です。顧客管理を行って、既存顧客をよく理解することでリピート購入へ繋がるヒントを得ることができます。
マーケティングでは2:8の法則というものがあり、売り上げの8割は2割のリピーターによって発生しています。継続して自社の商品やサービスを利用し、何度も購入してくれるようなリピーターを獲得することが、売り上げの安定化に直結します。
具体的には、自社で商品を購入するユーザーにどんな特徴があるのかを分析できるので、同じ属性のユーザーに対して費用対効果の高いアプローチを行えます。たとえば、20代男性・Instagram経由のアクセスのユーザーの購入が多いことがわかれば、20代男性限定でInstagramに広告を配信して、成果を上げることができます。
顧客データが蓄積されていない運営初期段階では、売り上げを安定化しにくいですが、顧客データが増えるにつれて賢い運営を行えるようになります。当然、売り上げが安定すれば、利益が出る範囲で広告を効果的に活用できるようになるので、顧客データの利用機会が増えます。
Shopifyでは顧客管理を行うための機能や、アプリがそろっているので、必ず分析することをおすすめします。
マーケティング戦略を立てやすくなる
売り上げを向上させるには、効果的なマーケティング戦略を立てることが大切です。行き当たりばったりのマーケティングを行っても得るものは少なく、ロジカルに戦略を立てて実行し、獲得できたデータを活かして次の戦略を立てることが大切です。
Shopifyで顧客管理を行えば、詳細なマーケティング戦略を立てやすくなります。どの情報を分析し、どんなアプローチで商品情報を伝えるのか考えることが重要です。
SNSやSEO・YouTubeなど無料集客を行うか、リスティング広告やFacebook広告など有料集客を行うかは、顧客管理を行って得られたデータによって変わってきます。顧客情報ほど自社の売り上げに直接影響を与えるデータは他にないので、顧客情報を元にしたマーケティング戦略を練るようにしてください。
顧客情報のスムーズな管理・共有
顧客管理を行うことで、情報のスムーズな管理・共有を行えるようになります。Shopifyでは、管理アカウントを複数追加することや、顧客リストをCSVファイルとしてエクスポートすることも可能です。
そのため、エクセルやスプレッドシートで顧客リストを管理することもでき、複数の営業スタッフがいる場合でも顧客情報をスムーズに共有できます。同じ顧客に同じアプローチをしてしまったり、購入したはずの顧客への対応が遅れてしまったりといったトラブルを防ぐことにつながります。
また、商品開発部門や戦略室とも顧客情報を共有でき、社内全体として戦略を持って運営していけます。
顧客管理のデメリット
顧客管理のデメリットとしては、次のことが考えられます。
- 管理システムの構築運用にコストがかかる
- 運用が定着しない可能性がある
管理システムの構築運用にコストがかかる
Shopify上で顧客データを分析することに費用は一切かかりませんが、より詳細な分析ができる顧客管理アプリを導入したり、CRMを使ったりすればコストが発生します。
CRMとはクラウドを使用した顧客管理ツールのことで、大量の顧客情報を一括管理できる特徴があります。CRMを利用した場合は、Shopifyとは別のツールで管理することになるので、導入時の初期費用や月額利用料などの運用コストがかかってしまいます。
エクセルやスプレッドシートだけで管理することも可能ですが、入力や分析に手間がかかることや、ある程度の知識がなければ管理できません。顧客数が多く、利用したいCRMツールがある場合は、コストが発生するデメリットを良く考えてから契約しましょう。
しかし、顧客管理のメリットで解説したように、リピーター増加による売り上げの安定化や、効果的なマーケティング戦略を立てられる利点があるので、CRMツールを利用するコストパフォーマンスは悪くありません。
運用が定着しない可能性がある
顧客管理は短期的な取り組みではなく、長期的に継続して取り組み、社内プロセスやマーケティング戦略の見直しを繰り返さなければなりません。顧客データが少ない場合などは、顧客管理を始めても成果が出るまでに時間がかかり、半年から1年以上かかる可能性もあります。
このことから、顧客管理の運用自体が定着しない可能性があり、結果が出る前に辞めてしまうことが多いデメリットがあります。
最初は面倒な作業が増えたと感じ、顧客管理に後ろ向きになるかもしれませんが、長期的には製品中心から顧客中心のマーケティング方針に変えた方が成果を出せるはずです。Shopifyの運用を始めたばかりで、顧客データもまだ集まっていない場合は無理に行う必要はあまりありませんが、運用を定着させるためにもなるべく早いうちから、以下で解説する流れで顧客管理を行ってみてください。
Shopify(ショッピファイ)で顧客管理を行う流れ
Shopify(ショッピファイ)で顧客管理を行う基本的な流れは次のとおりです。
- 現状把握
- 顧客セグメント化
- シナリオ作成
- 計画の実行
現状把握
まずは、ショップの現状把握から始めていきます。現状把握でおすすめはRFM分析です。
指標名 | 指標値 | 指標の意味 |
---|---|---|
Recency | 最終購入日 | 再購買の指標 |
Frequency | 累計購入回数 | ロイヤリティの指標 |
Monetary | 累計購入金額 | 購買力の指標 |
RFM分析はRecency(直近いつ)・Frequrncy(頻度)・Monetary(購入金額)の頭文字をとったもので、顧客を指標ごとにグループ分けしていくものです。RFM分析で顧客をグループ分けすることで、グループの性質を知り、マーケティング戦略を練ることができます。
RFM分析で知っておくべき解釈は次の通りです。
- Rが高い顧客ほど将来の収益性が高い
- Rが低ければFやMが高くても他社に奪われて離反している可能性が高い
- Rが同じならFが高いほど常連客になっている
- Rが同じならFやMが高いほど購買力のある顧客である
- RやFが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
- Fが低くMが高い顧客はRの高い方が良い顧客である
- Fが上がらないか下がっている顧客は他社に奪われている可能性が高い
- RFM全てが低い顧客は切り捨てることも検討する
RFM分析は、解決したい課題を基に仮設を立ててから行うことが大切です。たとえば、特定の商品の売り上げが向上していないなら、なぜ向上していないのかを仮説を立てて議論し、その結果RFM分析で3つのうちどの指標に注目すべきかを考えます。
顧客セグメント化
次に、顧客のセグメント化を行います。RFM分析でそれぞれの指標ごとに細かく分けたとしても、すべてのグループに施策を行うのは現実的ではないので、自社の課題を基に数セグメントをピックアップしていきます。
たとえば、
- 最近購入し、累計の購入金額は大きいが、購入頻度は低いグループ
- 最近購入し、購入頻度も高いが、累計購入金額が少ないグループ
- 購入頻度も高く、累計購入金額も大きいが、最近の購入がないグループ
- 最近購入し、累計購入金額も大きく、購入頻度も高いグループ
というように指標ごとの問題点のあるグループを作り、そのグループに対してのシナリオを作成していきます。
シナリオ作成
次に、セグメント化したグループごとに、考えられるシナリオを作成していきます。
まず、「最近購入し、累計の購入金額は大きいが、購入頻度は低いグループ」は、購入頻度を高めるだけで優良顧客に変わるので、メールマーケティングを行い、積極的に関係を築いたり、クーポンやポイント機能などでリピート購入を促したりする施策が考えられます。
次に、「最近購入し、購入頻度も高いが、累計購入金額が少ないグループ」は、最近購入しリピートもしているが、財布の紐が硬い顧客もしくは多くのお金を払うまで信頼されていない可能性があります。そこで、アップセル商品の案内をフォローメールとして送ったり、合わせて購入すべき商品を販促したり、高額商品を購入するべき理由は不安点の解消を行ったりします。
また、「購入頻度も高く、累計購入金額も大きいが、最近の購入がないグループ」は、優良顧客でありながら最近の購入がなく、関係性が薄れてきてしまっている状態で非常にもったいないので、再度アプローチを行います。メールアドレスを取得しているのであればメルマガを配信し、その後の状況を確認したり、新商品の案内を送ってみたりすると良いでしょう。
最後に、「最近購入し、累計購入金額も大きく、購入頻度も高いグループ」は自社の商品やサービスのファンとして最も貢献している優良顧客なので、関係が途切れないようにアプローチを継続しながら、口コミやアンケートなど協力を依頼しても良いでしょう。こういった優良顧客は、第三者の声として社会的証明を作ることに協力してくれることが多く、絶対に失ってはいけません。
計画の実行
最後にシナリオごとに計画を実行していきます。
しかし、顧客分析は計画の実行がゴールではありません。顧客分析から導き出した計画を実行し、売り上げを向上させることが最終的なゴールです。そのため、計画を実行し実際に効果が出ているのかを正しく測定・評価することが大切です。
結果につながりやすい計画から実行していき、さらに顧客データを集めていきます。解説した通り、顧客管理は長期的な取り組みなので、分析と計画の実行を繰り返すほど精度が高まっていきます。
Shopify(ショッピファイ)の顧客管理でおすすめアプリ
Shopify(ショッピファイ)の顧客管理でおすすめのアプリは次の3つです。
- Easy Tagging
- HubSpot CRM
- チャネルトーク
Shopifyでは顧客データの抽出を行えるので、外部CRMツールを利用して管理することもできますが、データの連携が面倒だったり、互換性がなかったりする場合もあるので、トラブルなく管理したい場合はなるべくShopifyアプリを活用する方法をおすすめします。顧客管理の基盤となるCRMツールと、顧客対応や管理作業を簡略化するアプリを紹介します。
Easy Tagging
画像引用元:Easy Tagging
Easy Taggingは、顧客の注文情報や個人情報などに自動でタグ付けを行えるアプリです。アプリ内で自動タグ付け設定を一度しておけば、手動でタグ付け作業を行う必要なく、顧客管理を効率化できます。
また、タグを使用して売り上げや製品、顧客をセグメント化でき、詳細なレポートを作成可能です。
料金プランは月額4.99ドルから月額49.99ドルまで4つのプランがあります。主に1ヶ月あたりに追加できるタグ数によって料金が変わります。どのプランを利用した場合でも15日間の無料体験から使い始めることができます。
HubSpot CRM
画像引用元:HubSpot CRM
HubSpot CRMは、顧客管理の人気アプリです。ShopifyストアのデータとHubSpotを連携でき、顧客や見込み顧客のデータを分析できます。
データによるマーケティング戦略をまとめられ、商品・問い合わせ・注文の同期を自動化させることも可能です。顧客生涯価値の分析やフォローアップ金額の表示、マーケティングキャンペーンごとの売り上げが簡単に把握可能です。
メール配信機能もあり、月2,000件までなら無料で配信できます。インストール自体は無料で行えて、HubSpotのプランによって料金が異なります。有料プランは月額6,000円からです。
チャネルトーク
画像引用元:チャネルトーク
チャネルトークは、顧客行動に合わせてポップアップメッセージやメール配信、SMSメッセージ配信を行えたり、Shopify上にチャット機能を導入できたりするアプリです。チャネルトークを活用することで顧客対応にかかる時間を削減でき、顧客分析で得られたデータを基にさまざまなマーケティング施策が行えます。
インストール自体は無料で行えて、チャットやLINE公式アカウントとの連携にも費用はかかりません。有料プランに変更することで、顧客情報を閲覧したり、便利なオプション機能を利用できるようになったりします。顧客数によって費用が異なります。
まとめ
今回は、Shopify(ショッピファイ)の顧客管理方法についてメリットや手順、おすすめのアプリを解説しました。ECサイトの売り上げを向上させ、安定化させていくには、既存顧客情報の分析が大切です。
顧客情報を分析することで、現状の課題や上手くいっている点を具体的に把握でき、マーケティング戦略を立てやすくなります。顧客を理解せずに効果的な戦略を練ることはまずできないので、この記事で解説した手順を参考に顧客分析を行ってみてください。
しかし、顧客分析したデータから効果的な戦略立案を行うには、E Cサイトの運営ノウハウやマーケティングノウハウが必要になります。
Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、Shopifyでの運営ノウハウを共有したりコンサルティングしたりすることができます。Shopifyの売り上げをアップさせるには、Shopifyの運営知識を持ったパートナーを見つけることが近道です。お困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。