ECサイトの売上アップの方法

「売り上げを増やすためにできることは何だろう?」こんな悩みをお持ちでしょうか?

売り上げにつながるサイト改善方法がわからなかったり、どういった基準で改善ポイントを選ぶべきか検討がつかなかったりといったお悩みを持つ企業は少なくありません。また、改善できることから着手した結果「作業工数に対して売上の伸び幅が低かった」という事例もよく耳にします。

今回は、ECサイトで売り上げを伸ばすための施策と、ECサイトで売り上げを伸ばすためにサイト分析が必要な理由について解説します。これから売り上げを伸ばしたいとお考えのEC事業者様は、ぜひ最後までご覧ください。

ECサイトの売り上げを伸ばすならサイト分析が必須

ECサイトの最大の特徴は、Web上でビジネスを展開しているため、ありとあらゆる情報が定量的なデータで分析できる点です。たとえば、訪問者数や流入経路、滞在時間、回遊率、離脱率などのECサイト内のユーザー行動に関する情報は基本的にすべて確認することができます。

ここで、売り上げを伸ばすためにできることを考えてみましょう。売り上げは「購入数×客単価」で表すことができます。そして、購入数は「訪問者数×購入率」に分解することができます。さらに、訪問者数は「新規と既存」に、新規の中でも「検索エンジンから流入したのか、SNSから流入したのか」まで分解することができます。

このように、売上を構成する要素を分解していくと、サイト内のユーザー行動レベルの情報に辿りつき、どこからきたユーザーのロイヤリティが一番高いのか、つまりECサイトで売り上げを伸ばすためにサイト分析が必要になるわけです。

では、サイト分析ではどの指標を見るべきでしょうか?ここで必要になるのがロジックツリーです。前述で売り上げの構成要素を分解したように、ツリー形式で要素を洗い出し、その中で売り上げを伸ばすために重要なレバーとなるものを「KPI」として定めます。

そして、追うべき指標が決まれば、その指標を分析・観測できるようデータ収集ができる環境を整え、定期的に収集~分析~改善を実行していくことが重要です。具体的な施策は次で詳しく解説します。それぞれの状況に合わせて、紹介する施策を参考にしてみてください。

ECサイトの売上アップ施策①:購入数を増やす

まず大きなレバーとなるのが「購入数」を増やすことです。他指標に変化がなくとも、購入数が増えるだけで売り上げも比例して伸びますので、「サイト分析で売り上げを伸ばす」という成果を出すのに一番手っ取り早い施策です。

先ほど少し触れたように、購入数を分解すると「訪問者数×購入率」に分解することができます。それぞれの要素に対して確認してもらいたい内容と、事象に対する改善案について解説します。

訪問者数(UU)を増やす

訪問者数を増やすには、オウンドメディアやSNS発信、インフルエンサーマーケティング、Web広告などで多くのユーザーを集客する必要があると考えてしまいますが、これでは不十分です。

確認項目①:新規ユーザーか再訪ユーザーか

まず、ECサイトへ訪問したユーザーは、「新規」と「リピート」に分けて分析しましょう。新規ユーザーを集客するための施策とリピーターを増やすための施策はまったく異なるアプローチが必要だからです。

たとえば、リピーターが少ない場合、取り合う扱う商材にもよりますが、一度訪問したユーザーや過去に購入したユーザーが「もう一度購入したい」と思ってもらえない原因が考えられます。これは、購入したユーザーに対する顧客対応や送品発送時の対応が不親切で顧客満足度が低い場合に起こり得ます。

一方で、サイト訪問者のうちリピーターが大半で、新規ユーザーが増えないため訪問者数が横ばいの場合、一度買ってもらえれば満足してもらえるサービスだといえるため、オウンドメディアやSNS発信、インフルエンサーマーケティング、Web広告などを活用して、リピート率を維持しながら新規ユーザーを増やす必要があります。

確認項目②:ユーザーが利用したデバイス

続いては、訪問したユーザーをデバイスで分類してみてください。恐らくスマートフォンが最も多く、PCを利用しているユーザーは少ないはずです。

ここでの注意点は、EC事業者側はPCでサイトを見ているため「スマートフォンで見ると見にくい」といった事象が多発します。そのため、訪問したユーザーをデバイス別で分類し、サイト内回遊率や各ページの離脱率、滞在時間をもとにサイト改善を行うようにしましょう。

確認項目③:ユーザーの流入元

ここからさらに、訪問したユーザーを流入元別で分析していきましょう。流入元は、次のように分けることができます。

  • URLを直接入力した「ダイレクト流入」
  • 外部サイト経由の「リファラル流入」
  • 検索エンジンからの「オーガニック流入」
  • SNS経由の「ソーシャル流入」
  • 広告経由の「ペイド流入」

流入元別で分析した結果、たとえば「オーガニック流入」が少なく「ソーシャル流入」が多い場合は、オーガニック流入を増やすことで新規訪問者が増え、結果的に売り上げを伸ばせるかもしれません。

ここで重要なのは、「果たして本当にオーガニック流入を強化すべきかのか?」という視点です。確かにオーガニック流入を強化することで新規訪問者は増えると考えられますが、実はオーガニック流入で購入に至ったユーザーは客単価が低く、むしろソーシャル流入をさらに強化した方が「労力<売り上げの伸び幅」の場合も考えられます。

まとめ:訪問者数を増やすコツ

簡単にまとめると、訪問者は「新規と既存」「デバイス別」「流入元別」に分類することができ、相対的に不足しているチャネルを強化することで売り上げを伸ばすことができます。改善する際は、費用対効果の観点で「どのチャネルが一番売り上げに貢献しており、伸び幅が大きく、少ない工数で改善できるか」を頭に入れながら施策を考えるようにしましょう。

購入率を上げる

サイトへ訪問したユーザーは自社の商品やサービスに魅力を感じ、何らかの情報を期待してサイトへ訪問したと考えられます。そんなユーザーが購入に至らなかった原因を調べることができる指標が「購入率」です。購入率は「カート追加数×注文完了率」に分解することができます。

確認項目①:カート追加数

サイトへ訪問したユーザーの中には「ちょっと気になっただけ」や「今すぐ購入する予定はないが、商品をみて楽しんでいる」などさまざまな想いが交錯します。ニーズが顕在化していないユーザーへ態度変容を促すのは労力がかかるため、今回は少しでも購入意欲がある顕在層を想定して解説します。

まず、サイト訪問の中でカテゴリページや商品ページを確認したのち、カートへ追加したユーザーの割合を確認してみてください。恐らく商品ごとに傾向が分かれると思いますが、平均して追加したユーザーの割合が低い場合は、サイトの導線やユーザーへの行動を促す「CTA」に問題があると考えられます。

カテゴリページから商品詳細を確認したということは、商品に魅力を感じたユーザーといえるため、一定の購買意欲があると想定されます。そのユーザーがカートへ追加しなかった原因を探っていきましょう。たとえば、カート追加ボタンが見にくかったり、「今カート追加して購入しちゃおう」と思える後押しが不足していたりといったことが考えられます。

確認項目②:注文完了率

続いては、カートへ追加した注文がどれだけ完了したかを表す「注文完了率」を確認していきましょう。これは間違いなく購入意思があったユーザーですので、完了率を少しでも上げることができれば売り上げに大きく貢献できる重要な指標です。

しかしながら、注文完了率は外部要因が多く、ユーザーが好きな決済手段がなかったり、ユーザーが途中で気が変わってしまったりといたことが考えられます。そのため、人気のある決済手段を追加したり、カートへ追加したままのユーザーへメールやLINE等でフォロー連絡を行ったりするなどの解決策が効果的です。

ECサイトの売上アップ施策②:客単価を上げる

客単価を上げるための改善レバーは大きく2つあります。それが「商品単価を上げること」と「購入点数を増やすこと」です。

いずれも売り上げに直結するため施策としては有効ですが、それぞれの施策には大きなデメリットも含まれるため、施策として実行する際は十分議論したうえで進めるようにしましょう。

商品単価を上げる

まず一番初めに考えられることが「商品の単価を見直すこと」です。

昨今、EC事業者が増え飽和状態にあるため、価格競争力を持たせるために低価格な設定にしている企業も少なくありません。短期的には良いかもしれませんが、中長期的な視点で見た場合、持続可能性に欠けた運営はあまりおすすめできません。

一方で、むやみに値上げすることは、既に契約してくれているお客様が離れてしまうリスクがあるため、ただの値上げではなく「付加価値を加えて価格を見直す」ことが重要です。この付加価値が顧客にとってメリットがあるものであれば、多少の値上げであれば受け入れてもらえます。

たとえば、SDGs実現に向けて原料にこだわることで価格を見直したり、有償で2年の保証サービスをオプションで用意していたものを無償&永年保証にすることで価格を見直したり、挙げるとキリがありませんが、顧客がメリットを感じてもらえる内容であれば問題ありません。

ただ、価格の見直しは非常にリスクの伴う行為です。数%の価格見直しで半数以上が離脱してしまっては元も子もありません。あくまで、「自社が提供できる付加価値が顧客にとってメリットがあり、価格見直し幅も受け入れ可能範囲であるかどうか」をとにかく重視してください。

購入点数を増やす

もう一つの手段が、1ユーザーあたりの購入点数を増やす方法です。同じユーザー数であっても、同時に複数の商品を購入してもらえると売り上げを大きく伸ばすことができます。

ECサイトを運営していくと、複数の商品を同時に購入したり、高額商品を購入したりしてくれるようなロイヤリティの高いユーザーが出てきます。このタイミングでロイヤリティの高いユーザーの特徴を分析し、「なぜ複数の商品を購入してくれたのか?」「似たようなロイヤリティが高いユーザーを集客するにはどうしたら良いか?」を考えましょう。

たとえば、複数商品の購入意図を分析していくと「女性向けのAという商品だけではなく、男性用のBという商品もセットで購入している」という結果を得たとします。この場合、AとBをセット商品としてトップページで訴求したり、そもそものターゲットをカップルや夫婦に絞ってみたりといったように、さまざまな施策を考えることができます。

その他にも、流入元やデバイスを分析していくことで、ごく少数派であったPC経由のユーザーは年齢層が高く、スマートフォン軽油で流入する若者よりも、商品単価が高い商品を複数個購入していることがわかるケースもあります。

また、購入点数を増やす施策として効果的なのが「セット割」です。割引キャンペーンをすることでセット購入を促することで必然的に客単価を上げることができます。しかし、セット割のようなキャンペーンは中毒性があり「キャンペーンを実施しないと売り上げが安定しなくなった」などのデメリットも起こり得ます。

セット割のようなキャンペーンを実施するかお悩みの場合は、自社のブランディングや中長期的な視点で検討することをおすすめします。短期的な売り上げアップには効果的ですが、キャンペーンを実施することで「このブランドだから、この商品だから購入した」というユーザーは減少する恐れがあることには十分注意してください。

まとめ

ECサイトにおけるサイト分析の重要性をご理解いただけたことでしょう。

ただ、サイト分析するにも見たい数値が見れなくてもどかしかったりするEC事業者さんをよくお見かけします。ECサイトでは、ユーザーの購買行動を分析し、ユーザーが求める情報をアピールすることが重要です。そして、集客するだけではなく、そこから購入につなげるためのサイト導線など、考えることが多くお困りのケースも少なくありません。

当社NDPマーケティングでは、ECサイトにおける集客施策を得意としており、新規でアパレルECサイトを立ち上げた企業様を当社がご支援させて頂いたことで年間売上1億円を達成するなど、ECサイトの集客・売上アップでは豊富な実績があります。詳しくはこちらのお問い合わせのページで紹介しています。初めての方でもお気軽にお問合せください。

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