簡単な設定で本格的なECサイトを制作できるプラットフォームのShopify(ショッピファイ)。
ECサイトを運営するうえで課題となりやすいものの一つに、「集客」があります。
そんなとき、InstagramとShopifyを連携し「ショッピング機能」を利用すれば、アカウントを開設したその日からユーザーにサイトへ来てもらうことも不可能ではありません。
その他にも、ShopifyにおいてInstagramを利用することにはメリットがたくさんあります。
今回は、ShopifyでInstagramを利用する際のメリット・デメリットや導入方法について解説していきます。
ECサイトの集客やブランディングに役立てましょう!
Contents
Instagramの「ショッピング機能」とは
画像引用元:Facebook
ShopifyがInstagramとひもづけられるようになったのは2018年からです。
その名も、Instagramの「ショッピング機能」です。
2018年6月5日よりInstagramで「ショッピング機能」が日本でリリースされました。
これまでInstagramでは、投稿に対してリンクを貼ることが出来ない仕様となっていましたが、「ショッピング機能」を導入することで、投稿の画像に商品URLをタグ付けすることが可能になりました。
「Shopify」公式より引用
これまでは、ビジネスアカウントであってもURLはプロフィール欄にしか貼ることができず、投稿画像を何枚か戻ってもらわないとアクセスできない仕組みでしたた。
画面を戻ってもらわなければならないということは、離脱するユーザーを増やす原因になります。
それが、Instagramの投稿(商品)画像から直接URLを踏んでサイトに飛べるようになると、「買いたいかも」「気になる」「キレイな写真だな」といった「ウインドーショッピング」してくれるユーザーを増やすことができるのです。
Instagramの「ショッピング機能」を利用するメリット
では、ShopifyでInstagramの「ショッピング機能」を利用するメリットにはどういった点があるでしょうか?
大きく分けて、次の7つのメリットがあります。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
- 商品写真から直接ECサイトに飛べる
- 若者層に直にアプローチできる
- リアルタイムに時間を共有できる
- フォロワーの多い人に容易にアプローチできる
- ほとんどは無料で使える
- Instagramと買い物の相性が良い
- フォロワーのデータが収集できる
メリット①:商品写真から直接ECサイトに飛べる
先ほどお伝えしたように、Instagramの投稿画像(商品写真)から直接サイトへ飛ぶことができるため、ユーザーの離脱率を下げることができます。
2つほど例を紹介しましょう。
1つ目は、レディース服のメーカー「earth music&ecology」です。
全国にある実店舗のInstagramでは、各店舗毎にスタッフがコーディネートを考えて新製品を着用した画像を投稿しています。
その画像から直接公式アカウントに飛べるようになっています。
実店舗アカウント=当該エリアのお客さんがおもなフォロワーだと考えられます。
各店舗を飛ばして公式ページを見てもらうことで、新型コロナウイルスなどにおいてなかなかお店に行って服を見ることができない場合、顧客にアピールする方法になり得ます。
2つ目に紹介するのは、フードデリバリーの「UberEats」です。
公式Instagramが対応店舗紹介をしています。
ここでボリュームたっぷりのホットドッグの写真に、店舗URLをタグづけ。
UberEatsインスタを見て「美味しそう!」と目にとまったフォロワーさんは、衝動で注文してくれる可能性が高いと考えられます。
メリット②:若者層に直にアプローチできる
Instagramは若者層が最も多く利用しているSNSであるため、若い層にアプローチしたい場合に役立ちます。
下の表を見てみると、流行に敏感な10代から20代の女性が利用しているSNSはInstagramであることがわかります。
男性も半数近くは利用しているため、影響力は非常に大きいと言えます。
年齢・性別 | LINE | TikTok | |||
---|---|---|---|---|---|
10代男性 | 89.7% | 60.5% | 38.9% | 17.9% | 21.6% |
10代女性 | 93.7% | 69.4% | 69.7% | 10.4% | 33.1% |
20代男性 | 85.2% | 56.5% | 42.3% | 29.0% | 8.3% |
20代女性 | 87.0% | 60.9% | 66.4% | 35.8% | 10.0% |
その理由は、説明文なしで写真1枚だけを投稿しても何だかわかるから。
視覚的にパッと判断・反応できることが大きいのです。
メリット③:リアルタイムに時間を共有できる
Instagramには3つの動画機能があります。
- IGTV:10分〜60分の動画を投稿できる機能。足あと機能なし
- ストーリー:1秒~15秒のショート動画を投稿できる機能。足あと機能あり
- フィード:1秒〜60秒の通常投稿。3秒以上で再生回数表示可能
中でも注目されているのが「インスタライブ」です。
インスタライブはIGTVの機能の一つで、誰でも生放送をすることができます。
そのため、リアルタイムでユーザーを接触することができるのです。
新型コロナの流行で外出自粛となった2020年4月頃にはたくさんの芸能人やミュージシャンが自宅からファンとコミュニケーションを取る動きが見られました。
アーカイブ(録画)を残す方も多いですが、残さないほうが「レア度」が高まり、より一体感が生まれることがあります。
メリット④:フォロワーの多い人に容易にアプローチできる
Instagramは、フォロワーの多いユーザーに容易にアプローチできる特徴があります。
その理由を次の2つの機能に分けてお伝えしましょう。
- リポスト
- タグ付け
リポスト
リポストとは、気に入ったユーザーの投稿を自分のタイムラインに再投稿することです。
たとえば、新商品を試してくれたお客さんの感想投稿をユーザーが感謝を伝えるためにリポストするといった使い方ができます。
リポストは、お客さんと公式Instagramが言葉以外でつながれる唯一の方法です。
リポスト機能を使う場合は、次のいずれかのアプリをインストールする必要があります。
- Repost for Instagram
- Repost(iPhoneのみ)
こちらは、トレイルランニング用品メーカー「OMM」が、新製品の投稿をしてくれたお客さんに感謝の言葉をかけているリポスト投稿です。
リポストされて嬉しくないユーザーは少ないと考えられるため、運営者は積極的に行っていくべきです。
この投稿をInstagramで見る
タグ付け機能
続いてはタグ付け機能について解説していきましょう。
タグ付け機能はリポスト機能と似ていますが、フォロワー側からのアプローチが主です。
商品写真の上をタップするとその商品にまつわるアカウントが出現し、それをクリックすることでタグをつけた企業・サービスに認知してもらうといった目的があります。
具体例を見てみましょう。
下の写真は「レモネードティー」の投稿ですが、カップの上をタップすると静岡県のカフェ「Pearl Street coffee」のアカウントに飛びます。
- 「こんな美味しいもの食べたよ」→該当レストランのアカウントをタグ付け
- 「こんなに素敵な場所に行ってきたよ」→該当観光施設アカウントをタグ付け
- 「こんなにかわいい服を買ったよ」→該当ショップのアカウントをタグ付け
といったように、ごく自然な感じでユーザーとの自然な交流を生むことができます。
つまり、お客さんが企業アカウントをみずから宣伝してくれているわけです。
メリット⑤:無料で使える
Shopifyに限ったことではありませんが、Instagramのショッピング機能はすべて利用無料です。
メリット⑥:Instagramと買い物の相性が良い
Instagramは、実際に作っている人の顔を見せたり、そのブランドのこだわりをアピールすることで「あなたの手の届くところにいます」「あなたのイメージにぴったりです」といったメッセージを伝えることに長けています。
Instagramユーザーの多くはウインドウショッピング的な利用をしているため、購買につながらないと考える方もいるかもしれません。
しかし、新商品が出るたびにフィード(投稿)の上に出てフォロワーの目に留まるため、「この企業の商品なら大丈夫そう」「この商品はコメントを見る限りすぐ売り切れそうだから早く買っておこう」といったインスタ特有の「信頼感」を生むことができます。
例えば、最近では開業前のカフェが準備期間の様子をアップすることがあります。
そうすることで、内装のこだわりを伝えることができたり、メニューの試作がどのような感じで進められているのかをフォロワーに知らせることができるのです。
メリット⑦:フォロワーのデータが収集できる
Instagramはデータ収集までも無料で行うことができます。
「ビジネスプロフィール」への切り替えは必要ですが、やる価値はとても多いです。
なぜなら、次のような項目が一目でわかるグラフを表示させることができるからです。
- 年齢属性
- 男女比
- 地域
- インプレッション数
- アクティブな時間帯
詳細については「データ収集後の分析方法」にて解説します。
ShopifyのInstagramショッピング機能のデメリット
ShopifyでInstagramの「ショッピング機能」を利用することで得られるメリットが多いことはおわかりいただけたでしょう。
では、利用する際にデメリットになることはあるでしょうか?
大きく分けて、次の5つのデメリットがあります。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
- スパムアカウントが存在する
- 投稿に一貫性を持たせる必要がある
- 爆発的な拡散は難しい
- 有形商品しかリンクを貼れない
- Facebookアカウントが必要
デメリット①:スパムアカウントが存在する
Instagramにはスパムアカウントがあることに注意しなければなりません。
スパムアカウントとは、不特定多数のユーザーに対して同じ内容のコメントを投稿したりダイレクトメッセージを送ったりして、受け取ったユーザーが悪質だと感じたもののことを指します。
スパムアカウントにやられると、フォロワーにもスパム波及して苦情につながったり、コメント欄が荒れてしまったりするデメリットがあるのです。
Instagramには「タグづけできる人を許可制にできる機能」があるため、運営開始前に設定しておくと良いでしょう。
デメリット②:投稿に一貫性を持たせる必要がある
「Instagramと買い物の相性が良い」というメリットがあるとお伝えしましたが、それはコンセプトや投稿内容の方向性しっかり定まっているからです。
投稿内容があまりにもバラバラ、つまり統一性や一貫性が感じられない場合、フォロワーの興味が急激に冷めてしまい、フォローを外されるような事態になります。
デメリット③:爆発的な拡散は難しい
Instagramには
- Twitterの「リツイート」機能
- Facebookの「シェア」機能
に相当する機能がありません。
一番似た機能は「リポスト」だと言えますが、ツールを導入しなければならないという点で性質が異なります。
そのため、TwitterやFacebookなどのSNSでは狙うことのできる「爆発的な拡散」はInstagramでは難しいのです。
デメリット④:有形商品しかリンクを貼れない
Instagramのビジネスアカウントに変更する際には審査はありませんが、「ショッピング機能」の場合には審査があります。
次の条件を満たしていなければ審査に通らないため注意が必要です。
- 情報商材でない
- セミナー集客ではない
- 有料メルマガではない
つまり、有形商品のみが対象だということです。
デメリット⑤:Facebookアカウントが必要
Instagramの「ショッピング機能」を追加するには、Facebookアカウントの登録が必要です。
そのため、Facebookアカウントを持っていない人は開設が必要です。
ただし、Facebookアカウントを持っていれば、両方に投稿することができるため、登録しておいて損はないでしょう。
ShopifyのInstagram「ショッピング機能」の設定方法・手順
ここまで、Instagramの「ショッピング機能」のメリット・デメリットなどについて解説してきました。
ここでは、ShopifyでInstagramの「ショッピング機能」を設定方法についてお伝えしていきます。
ステップ①:Instagramの追加設定をする(Shopifyでの設定)
左側のメニューから、次の手順でボタンをタップしていくだけです。
- 「販売チャネル」
- 「Instagram」
- 「販売チャネルを追加する」
- 「Connect to Facebook」
- 「Facebookページの詳細」
- 「販売チャネルを追加」
これでInstagram追加設定は完了です。
ステップ②:InstagramにFacebookで生成したデータを紐づける(Instagramでの設定)
続いて、InstagramにFacebookで生成したデータを紐づけます。
手順は次のとおりです。
- 管理画面の「Shopping」を選択し、該当データをチェックする
- タグを設定したい投稿ポストの「…」ボタンをクリックし「Edit」をクリックする
- 編集モードに入るので左下に表示される「プラス」ボタンをクリックし、タグを設定したい箇所をタップする
- 商品を選択するため、「Tag Products」を選択する
- 紐づけたい商品を選択し保存して完了する
これで、Instagramの商品写真から直にご自身のサイトへユーザーは移動できるようになりました!
無料でできる範囲の分析
Instagramを利用する際は、無料でアクセスを分析することができる「インサイト」を利用することができます。
「インサイト」を利用するには、Instagramのプロフィールページすぐ下にある「インサイト」をタップします。
インサイト機能には3つの項目があります。
- コンテンツ
- アクティビティ
- オーディエエンス(フォロワ−100人を超えた時点から利用可能)
あくまで簡易的なものとなり期間指定はできませんが、直近の1週間〜2週間(項目により異なる)のインプレッションが確認できます。
どの投稿からリンククリックがあったのか、フォロワーになってくれたかが容易にわかります。
有料アプリを入れての分析
続いては、「インサイト機能」ではまかないきれない細かいデータを見れる有料アプリを2つ紹介しましょう
事例①:アイスタ
「アイスタ(Aista)」は、国内最大級の利用者を誇るInstagram解析ツールです。
導入社数は5,000社を超え、
月額10,000円で
- ハッシュタグ分析
- ユーザータグ分析
- 投稿分析
- キャンペーンハッシュタグ分析
を効率良く行えるアプリです。
Instagramの「インサイト機能」でできなかったCSV出力も簡単に行うことができます。
長期的なマーケティング計画づくりや、などがすべてパソコン上でできるため、使い勝手が良いですよ。
事例②:HOTARU
画像引用元:
「HOTARU」とは2020年4月にスタートしたばかりの新顔アプリです。
無料提供開始から1ヶ月ほどで累計登録アカウント数が3,000件を突破したInstagram分析ツールです。
2020年6月22日(月)からは月額10,000円で
- 同業で成功しているライバルアカウントの分析結果を確認できる(3アカウントまで)
- インスタ運用に成功している100ジャンルの分析結果を確認できる(1週間まで蓄積可能)
といった機能が追加されており、利用価値は上々。
3つのプランがありますが、月額30,000円のプランが最上位というのも良心的で嬉しいところ。
項目 | スタンダードプラン | プロプラン | ビジネスプラン |
---|---|---|---|
料金 | 0円 | 導入費0円/月(初月のみ) 10,000 円/月(2ヶ月目以降) |
導入費5,000 円/月(初月のみ) 30,000 円/月(2ヶ月目以降) |
フォロー・フォロワー数 | ○ | ○ | ○ |
平均いいね数平均コメント数平均エンゲージメント率 | ○ | ○ | ○ |
エンゲージメントとフォロワー数相関 | ○ | ○ | ○ |
グラフ表示期間 | 30日 | 無制限 | 無制限 |
グラフ表示期間CSV書き出し | ー | ○ | ○ |
いいね数、コメント数 | ○ | ○ | ○ |
投稿ごとのエンゲージメント率 | ○ | ○ | ○ |
使用ハッシュタグ | ○ | ○ | ○ |
アカウント比較 | ー | 3アカウント | 10アカウント |
データベース検索 | ー | ○ | ○ |
まとめ
ShopifyにInstagramを導入する際のメリット・デメリット、導入方法、そしてアクセスの解析方法を紹介しました。
ShopifyでInstagramを連携させれば、ECサイトの強い味方になってくれます。
アカウントを作ったその日から見てくれるお客さんは無限大にいるのに使わない手はありません。
試行錯誤しながら、Instagramを活用して楽しく運用していきましょう。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。