
Shopify(ショッピファイ)で複数のストアを構築する方法をお探しでしょうか?今回は、Shopifyで複数のストアを開設・運営する方法について解説します。複数のストアを運営し売上アップを目指したい人はぜひ参考にしてください。
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Shopify(ショッピファイ)で複数ストアを開設することは可能
Shopify(ショッピファイ)では、「Shopify Plus」プランに加入することで複数ストアを開設できます。ストア開設時に追加費用を支払う必要もありません。Shopify Plusとは、どのようなプラン内容なのでしょうか?
Shopify Plusとは
Shopify Plusとは、Shopifyが提供するサービスのうち、最上位に位置するプランのことです。一般的なECサイト事業者向けとは別に、大企業向けの特別プランとして提供されています。
月額2,000ドルを支払うことで、複数のストア開設・運営はもちろん、在庫の一元管理や実店舗を含めたデータ分析なども可能です。登録できるスタッフアカウントの数に制限がないため、大規模なストア運営も問題ありません。
無料で使えるテーマ数が100種類まで増加するため、自社の経営理念やブランドの特徴を押さえたオリジナリティのあるECサイトを作成できます。
Shopify Plusと下位プランとの違い
Shopifyには、Shopify Plusの下位プランとして、「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つが用意されています。「スターター」は販売機能だけを提供するプランなため、ここでは考慮しません。
Shopify Plusと下位プランの料金や手数料は次のとおりです。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|
月額費用 | $29 | $79 | $299 | $2,000 |
カード手数料(国内発行) |
3.40% | 3.30% | 3.25% | 3.15% |
カード手数料(海外発行) | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 3.75% |
Shopify Payment利用時の取引手数料 |
無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
Shopify Payment不使用時の追加料金 |
2.0% | 1.0% | 0.5% | 0.15% |
料金や手数料以外では、Shopify Plusの方がEC機能の自動化機能や利用できるテーマ数、サポート体制の充実度などで優れています。複数ストアの一括管理機能もShopify Plusでしか利用できません。そのため、Shopifyで複数ストアを運営するには、Shopify Plusへの加入が必須です。
最大10ストアまで運営可能
Shopify Plusでのオンラインストア開設数に制限はありません。プラン料金の範囲内だと最大10ストアまで運営可能です。11ストア以上を運営したい場合は、1ストアごとに月額$250 USDドルの追加料金を支払います。
Shopify(ショッピファイ)で複数ストアを開設するメリット
ECサイトを複数運営した経験がなく、Shopifyで複数ストアを開設するベネフィットを感じられない人もいるのではないでしょうか?ここでは、Shopifyで複数ストアを開設するメリットについて解説します。
- 売上をアップしやすい
- 販売経路が増える
- 専任サポートを受けられる
売上をアップしやすい
複数のストアを同時展開することで、顧客との接点が増え、売上がアップします。
楽天市場やAmazonなどの大手モールは、集客力や会員向けのサービスこそ充実していますが、競合が多く既存ユーザーの囲い込みも容易ではありません。しかし、Shopifyで複数ストアを展開することで、今までアプローチできなかった顧客との接点ができ、売上の幅が広がります。
また、Shopifyでの複数ストア出店は、自社ブランドや商品の認知獲得の手段として有効です。すぐに結果がでなくても継続的に顧客との接点を増やすことで、リピーターの獲得にもつながります。
特にECサイトはリピーターをつくりやすい性質があるため、多店舗展開は有効な施策といえるでしょう。
販売経路が増える
ECサイトはSEOの仕様変更やSNSでの炎上などネットショップ特有のリスクが多く、トラブルによっては閉店に追い込まれることも珍しくありません。特に楽天やAmazonなどの大手モールを利用している場合は、集客力や信用力が一気になくなるため売上が大幅に低下します。
その際に、店舗が一つだけだと、1回のトラブルで莫大な負債をかかえ、状況によっては再起不能になりかねません。そのため、Shopifyでストアを増やして販売経路を複数に分散させることは、有効なリスク対策となります。
専任サポートを受けられる
Shopifyはリーズナブルな価格帯ながら、公式のヘルプセンターやメール問い合わせ・ユーザーコミュニティなどのサポート機能が充実しています。さらに、Shopify Plusでは、上記とは別に経験豊富なスタッフによる専属サポートも可能です。
管理画面の使い方やストアの運用方法などに関する基本的なアドバイスはもちろん、ストア構築時の技術的な問題なども対応できます。また、運用後もアカウントマネージャーを分析し、問題解決に向けた施策提案をしてくれます。
Shopify(ショッピファイ)における複数ストアの特徴
Shopify(ショッピファイ)での複数ストア開設と、その他のプラットフォームでのストア開設には、どのような違いがあるのでしょうか?ここではShopifyにおける複数ストアの特徴について解説します。
- ストアごとに異なるユーザ権限を設定できる
- セキュリティレベルが高い
ストアごとに異なるユーザ権限を設定できる
Shopifyでは、商品管理や顧客管理、マーケティングキャンペーンなど、スタッフの役割ごとにさまざまなアクセス権限を設定できます。
リーダーにはユーザー権限の編集やアクセストークンの取り消しなどの管理者権限などを付与可能です。経理担当には、請求書の管理やShopifyペイメントの支払い表示などの権限を付与できます。
このようなユーザー権限は、複数ストア間でも設定可能です。たとえば、ストアAでは財務管理の担当だったユーザーを、ストアCでは顧客管理の担当にできます。
セキュリティレベルが高い
Shopifyは、ストアへのログインに「2段階認証」もしくは「Google Workspaceを使用した外部ログイン」を採用しています。
2段階認証は、メールアドレスやパスワードといった一般的な認証機能に加え、特定の機器を認証に用いる方式です。認証アプリに届けられたコードや、指紋などの生体認証を利用するため、スタッフ本人しかログインできません。Shopifyでは、2段階認証をスタッフ全員に設定できます。
Google Workspaceを使用した外部ログインは、Google Workspaceの管理画面でログイン認証する方式です。Google ドキュメントやGoogle カレンダーなどで情報共有している場合は利用することをおすすめします。
自社製のアプリは開発ストアでテストしよう
Shopify(ショッピファイ)は非常に自由度が高く、ストアごとにオリジナルのアプリを制作できます。そのため複数ストアにオリジナルのアプリを実装したい人もいるのではないでしょうか?Shopifyで自社製のアプリを稼働させるには、開発ストアの利用が必要です。
開発ストアとは
開発ストアとは、無料で利用できるShopifyアカウントのことです。有料プランに移行しなくても、ターゲット顧客ごとにストアを構築したりテーマを設定したりできます。
Shopifyプレミアムプランと同等の機能を利用でき、開設できるストアの数にも制限がありません。無料でストアの構築やテスト注文、システム調査などができるため、自社製アプリのテスト環境として最適です。
その他の活用方法
開発ストアは自社用アプリやテーマのテスト環境のほか、クライアント向けのストア構築サービスとしても利用可能です。サービス内でストアの構築やテストを済ませたら、所有権の移行を行い、クライアントに完成したストアを提供できます。
開発ストアではあくまでテスト環境なので、有料アプリのインストールや10個以上のプライベートアプリの構築、実際の顧客を相手にした商取引などはできません。ただし、有料プランに切り替えることで上記機能を利用できるようになり、スムーズにストアを引き渡しできます。
Shopify(ショッピファイ)でのストア分析はShopify POS Proを活用しよう
Shopify(ショッピファイ)でのECサイト運営を成功させるには、ストア分析による課題の把握と改善策の立案が不可欠です。しかし、毎日大量の販売データが収集されるストアを、個別に分析するのは容易ではありません。そこで、Shopifyでは「Shopify POS Pro」という便利なツールが用意されています。
Shopify POS Proの特徴
Shopify POS Proは、Shopify POSに実店舗のサポート機能を追加したPOSシステムです。
Shopify POSには、顧客や売上・在庫情報などを一括管理する基本的なPOSやマーケティング機能が搭載されています。しかし、ある程度機能が制限されているため、無制限にストアスタッフやレジスタを登録できません。その他スタッフの役割や権限設定の自由度も低いため、Shopifyで複数ストアを運営する際はShopify POS Proを利用する必要があります。
Shopify POS Proは、月額89ドルで利用できるツールです。Shopify Plusに含まれているサービスなので、プラン加入済みの場合は別途費用を支払う必要はありません。
Shopify POS Liteとの違い
Shopifyは、Shopify POS Proの他に「Shopify POS Lite」というPOSサービスを提供しています。Shopify POS Liteは他のサービスとどのように異なるのでしょうか?
Shopify POS Liteとは、Shopifyの全プランを利用できるShopify POSのことです。公式サイトでは言及されていませんが、Shopify POSと同じと考えて問題ありません。
Shopify POS Liteでは、販売情報の集計や在庫反映など、基本的な注文・商品管理機能が提供されています。オンラインとオフラインのデータを統合できるため、ECサイトと実店舗を個別に管理する必要がありません。
実店舗に来店した顧客にメールを送信し、ECサイト内で商品購入を促すことも可能です。実店舗で商品のQRコードを提供し、その場でECサイトに誘導することもできます。販売業務の効率化と顧客満足度の向上を同時に行える便利な販売管理ツールです。
Shopify POS Proは、このようなShopify POS Liteの全機能に加えて、次の機能を利用できます。
- ストアスタッフ数の無制限登録
- レジスターの無制限登録
- スマートな在庫管理
- アクセス権限の設定
- オムニチャネル型販売機能
- 実店舗のデータ分析
Shopify POS Proの活用方法
Shopify POS Proを実際にどのように活用するかは、企業の目的や課題によってさまざまです。通常の商品管理やストア分析などの機能をベースに、状況に合わせてShopify POS Pro独自の機能を活用すると良いでしょう。
たとえば、サイトの離脱率を下げたい場合は、自動ディスカウント機能を利用して、チェックアウト時に割引価格を提示する施策などが考えられます。実店舗を全国的に展開している場合は、店舗受取を可能にすると良いでしょう。各ストアごとにスタッフへ権限付与することも大切です。
その他にも、Shopify POS Proには便利な機能が豊富なため、いろいろと試してみて自社に合う活用方法をみつけましょう。
Shopify(ショッピファイ)の複数ストアを切り替える方法
Shopify(ショッピファイ)で複数ストアを運営する際、ストアごとにログインするのは手間がかかります。複数ストア運営での無駄な労力は、できるだけ避けたいものです。ここでは、Shopifyの複数ストアを切り替える方法についてご紹介します。
Shopifyアプリストアに新規ストアを追加する
まず、Shopifyアプリストアに新規ストアを追加します。手順は次のとおりです。
- Shopifyアプリ画面の「ストア」をタップする
- ストア名をタップし「ストアを追加または削除する」をタップする
- トグルスイッチをオンにして、追加するストアを選択する
ストアの切り替え機能をストア間を移動する
次に、Shopifyアプリから操作してストアの切替を行います。手順は次のとおりです。
- 任意のストアの管理画面にログインする
- ストアの名前をクリックし、別のストアを選択する
- 管理画面に選択したストアが表示される
ストアが表示されない場合はメールアドレスを確認する
Shopifyで複数ストアを切り替えるには、すべて同じメールアドレスである必要があります。そのためストアが表示されない場合は、すべてのストアで同じメールアドレスが使われているか確認しましょう。新しくストアを開設する場合は、忘れずに任意のメールアドレスを設定します。
メールアドレスを設定する手順は次のとおりです。
- 管理画面からプロフィールの画像をクリックする
- 「アカウントを管理する」をクリックする
- メールアドレス確認バナーで 「確認メールを送信する」をクリックする(バナー非表示ならすでに確認済)
- 届いたメールの指示に従う
Shopify(ショッピファイ)で複数ストアを運営する際の注意点
オンラインストアの複数運営は、商品管理などの手間が多く簡単ではありません。ストアごとの在庫管理も必要になるため、ある程度の経験やノウハウが必要です。ここでは、Shopifyで複数ストアを運営する際の注意点について解説します。
- 効率的に運営する
- ストアごとに販売戦略を練る
- 市場をしっかりと見極める
効率的に運営する
複数ストアの運営は1店舗運営よりも手間と労力がかかるため、できるだけ効率的に行う必要があります。非効率な運営をすると、業務量や人件費が増え結果的に赤字、ということになりかねません。Shopify POS Proをうまく活用して、EC店舗はもちろん、実店舗も一括管理しましょう。
ストアごとに販売戦略を練る
ストアごとに明確な目的や戦略を持たせることが大切です。販売経路を増やすだけでは、新規顧客の獲得はもちろん、有効なリスク対策にもなりません。ストアごとにターゲットとなる顧客像をしっかりと設定し、どのようなネットショップにするのか細かく決めてください。
市場をしっかりと見極める
昨今のEC市場は法人と個人が入り乱れ、レッドオーシャンとなっている市場も多く見られます。競合の多い市場は、結果を出すのに手間とコストがかかるため、参入するかどうか慎重な判断が必要です。
特に複数ストアの運営は管理コストが分散されるため、できるだけ競合の少ない市場を選びましょう。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)での複数ストア運営を成功させるには、ストア分析による顧客ニーズの理解が不可欠です。Shopify POS Proで全ストアを一元管理して、商品管理や在庫管理を最適化しましょう。
Shopify POS Proを利用する際は、通常のプラン料金にプラスして、1ロケーションあたり月額$89 USDの支払いが必要です。ただしShopify Plusのサービス内にShopify POS Proの利用権が含まれるため、複数ストアの運営が前提であれば最初からShopify Plusへ加入もしくは移行をおすすめします。Shopifyでの複数ストア運営を成功させて、ECサイトの売上をアップさせましょう。
Shopify Plusの導入や複数のストアの運営をお考えの場合は、当社株式会社NDPマーケティングまでお問い合わせください。当社はShopifyの知識やノウハウを多く持ち合わせているのみならず、Shopify Plusの導入コンサルティングも実施することが可能です。こちらの問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。