Shopifyパートナー

Shopifyは、2017年に日本に進出したばかりのECプラットフォームですが、国内でも急成長を遂げています。そして、ストア構築経験やHTMLなどの言語に対する知識がゼロでも、簡単にストア構築ができるSaaS型のプラットフォームです。

そのため、テンプレートベースであれば、ストア構築に必要な情報や商品がを揃えるだけでストアを完成させ商品を販売することができます。

一方、ストアの運営を続けていくにあたって、「Shopifyアプリの種類が多すぎて何を入れるべきかわからない」「Shopifyで〇〇の機能が必要だけど、コードの編集ができないのでどうすれば良いかわからない」とお悩みだったり、すでに「BASE」や「STORES.jp」などでストアを持っており、何らかの理由でShopifyに移行を考えていても、自分一人ではできないと考えている方も少なくないでしょう。

そんなときにこそ相談するべきなのが「Shopifyパートナー」と呼ばれるShopifyのストア運営や知見に長けている企業や個人です。今回は、「Shopifyパートナーや」その上位に位置する「Shopifyエキスパート」について紹介していきます。

Shopifyパートナーとは

Shopifyパートナー

Shopifyは「エコシステム」という縦と横のつながりを重視し、共に支え合って成長していくというモットーがあります。そして、このエコシステムを体現しているのが「Shopifyパートナー制度」です。

Shopifyパートナーとは、その名のとおりShopifyとパートナー契約をしている企業または個人のことを指します。Shopifyパートナーは新たにShopifyでストアを構築したい顧客の紹介、テンプレートやアプリの開発などを行うことでShopifyから収益を得ることができます。

このパートナー制度によって大きな広告を打つことなく、Shopifyは急速に全世界へ展開されているのです。Shopify自体はシェアの拡大ができ、Shopifyパートナーは収益を得られるため両者にとってメリットがあります。上記で記載したようにShopifyが日本に進出してからまだ4年ほどであるため、今後ますますこのエコシステムの広がりに期待ができます。

Shopifyパートナーができること

Shopify Partners

Shopifyパートナーになると、一般的なストア構築の他にパートナーのみが利用できる次の特典があります。

Shopifyパートナーができること
  • 「Shopify Partners」のロゴの使用
  • Shopifyパートナー専用の管理画面の利用
  • 多種多様なAPIを用いた開発
  • Shopifyの新規顧客への紹介・無料のストア環境の構築
  • テンプレートテーマの開発・販売
  • Shopifyアプリの開発・販売

「Shopify Partners」のロゴの使用

「Shopify Partnersのロゴの利用ができるだけ?」と思われたかもいるかもしれません。しかし、Shopify公認のパートナーであることを外部にアピールすることによって新規顧客獲得のチャンスがとなります。

今後も国内での利用者も増えていくことが予想されますので、パートナーになった際は露出を多くしていくことをおすすめします。

Shopifyパートナー専用の管理画面の利用

Shopifyパートナーになると、一般の管理画面とは違い、Shopifyパートナー専用の管理画面を使うことができます。

専用の管理画面
  • ストア管理:パートナーとして構築したストアの管理
  • 紹介:アフィリエイトリンクの作成
  • アフィリエイトツール:コンバージョンデータなどの確認
  • アプリ管理:開発したアプリの管理
  • サービス:プロフィールなどの編集
  • 支払い:コミッション金額の確認
  • 教育:パートナーアカデミーへの参加など
  • サポート:パートナーとして受けられるサポートへの連絡が可能
  • アカウント:Shopifyパートナー画面に入れるアカウント一覧
  • 設定:個人アカウントの編集など

「教育」の部分ではパートナーアカデミー(研修プログラム)に参加し、Shopifyの包括的なスキルを身につけることができます。

多種多様なAPIを用いた開発

Shopifyからは、さまざまなAPIが公開されています。これを用いて、次のようなことが可能です。

  1. 既存の外部サービスとの連携に使う顧客向けのカスタムアプリの開発
  2. 一般公開・販売ができるアプリの開発

この方法を用いて収益を得ることもできます。

Shopifyの新規顧客への紹介・無料のストア環境の構築

一般的に、Shopifyの無料期間は14日間です。しかし、Shopifyパートナー経由で無料ストアを構築すると、ユーザーは有料化するまで無期限でストアを利用することができます。ただし、次の制限があります。

制限される機能
  • 有料アプリのダウンロード利用(一部を除く)
  • テスト注文を除く50件数以上の注文処理
  • 10を超えるプライベートアプリの構築

    とはいえ、期間の制限がない分満足がいくまでストアの機能などを確認できることは、ユーザーにとっても大きなメリットと言えるでしょう。

    テンプレートテーマの開発・販売

    Shopifyには100を超える有料テンプレートテーマがあります。Shopifyパートナーは、このテンプレートを構築し販売することができます。なお、販売にはコードの内容やデモサイトの要件をクリアし、審査に通る必要があります。

    ※Shopifyのテンプレートの作成にはHTMLやCSS、JavaScript、Liquidの知識が必要です。

    Shopifyアプリの開発・販売

    テンプレート同様に、アプリに関しても審査を通ればShopifyアプリストアで一般公開及び販売することができます。アプリの開発に関してはShopify公式ブログにて詳しく紹介されています。

    Shopifyパートナーの種類とレベニューシェア

    Shopifyパートナーにも種類があり、その種類とは次の4つに分かれます。

    Shopifyパートナーの種類
    • 構築パートナー
    • アフィリエイトパートナー
    • アプリ開発パートナー
    • テーマ開発パートナー

    これらの種類によってShopifyパートナーの収益内容(レベニューシェア)にも違いがあります。パートナーの種類毎に紹介していきましょう。

    ※記事執筆時点(2020年9月)での内容であり、今後内容が変更される可能性があります。

    構築パートナー

    構築パートナーは、Shopifyパートナーがユーザーに対してストアを構築・有料化し、コラボレーターとなった場合に発生する収益を受け取ることができます。料金体系は次のとおりです。

    Shopify Lite〜プレミアムプランでの構築

    ユーザーの選択した月額サブスクリプション料金の20%が定期的に支払われます。条件は次のとおりです。

    条件
    • ユーザーが有料プランでストアを運営し続けていること
    • Shopifyパートナーがアクティブ(※)であること

      ※アクティブとは、次のいずれかが12ヶ月以内に1回以上であることです。

      1. 開発ストアの有料化
      2. アフィリエイトリンクからのストア有料化(下記でご紹介します。)
      3. 既存ストアがPlusプランへアップデートされること

      Shopify Plusでの構築

      ユーザーの選択した月額サブスクリプション料金の10%が定期的に支払われます。条件は次のとおりです。

      条件
      • Shopify Plusのリード提出フォームに記入すること
      • 新規のShopify Plusリードであること

      アフィリエイトパートナー

      アフィリエイトパートナーは、Shopifyパートナーの管理画面で発行できるアフィリエイトリンクからストア構築、有料化した場合に発生する収益を受け取ることができます。料金体系は下記の通りです。

      Shopify ベーシック〜プレミアムプランでの構築

      最初の2ヶ月間ユーザーの選択した月額サブスクリプション料金の同額が支払われます。条件は次のとおりです。

      条件
      • ユーザーが2ヶ月間、各プランのサブスクリプション料金を支払うこと
      • ユーザーが1ヶ月目と2ヶ月目で洗濯したプランが違う場合、コミッションもそれに対応して変化する
      • ユーザーが1ヶ月でShopifyを離れた場合は2ヶ月目のコミッションは発生しない

      Shopify Plusでの構築

      ユーザーがShopify Plusのサブスクリプション費用(2,000ドル〜)を支払った段階で、パートナーへ同額の報酬が一度のみ支払われます。

      ※Shopify Plusは売上金額によっても料金が変わるので、最大6,000ドルまでの報酬を受け取ることができます。

      アプリ開発パートナー

      アプリ開発パートナーは、ShopifyパートナがShopify app storeでオリジナルアプリを販売した際に収益を受け取ることができます。料金体系は次のとおりです。

      • 販売価格(一度のみ)または定期サブスクリプション料金の合計収益の80%
      • Shopify アプリストアを通じて行われたすべてのアプリの購入金額

      また、その条件は次のとおりです。

      条件
      • アプリを管理するパートナーのみが収益を受け取ることができる
      • Shopifyパートナーとしてアプリを開発した際にShopifyの審査を通る必要がある

      テーマ開発パートナー

      テーマ開発パートナーでは、ShopifyのテーマをShopify theme storeを通じて販売した際に収益を得ることができます。その料金体系とは次のいずれかのオプションを選択することによって多少の違いがあります。

      1. 各テーマ販売額の70%の収益を獲得
      2. 各テーマ販売額の50%の収益を獲得

      1を選択した場合は、テーマに対する全てのバグ修正とテーマに関する全ての質問に回答しなければなりません。また、会社のウェブサイトなどでも販売できますが、一般のネット販売はできません。

      2を選択した場合はテーマに対する全てのバグ修正を行う必要がありますが、テーマに関する質問はShopifyが行ってくれます。また、個人・一般でのネット販売はできません。

      Shopifyパートナーになる方法

      先ほどお伝えしたように、Shopify(ショッピファイ)では「エコシステム」をモットーに、そのシェアを拡大しています。そのパートナーになる方法について解説していきます。Shopifyパートナーになることは簡単ですが、パートナーとして運営し続けていくことがより重要となります。

      ステップ①:アカウントを作成する

      アカウントを作成する

      Shopifyパートナーになるにはまずアカウントを作成する必要があります。Shopify Partnersよりアカウント登録ができます。アカウントを入力し登録するだけでShopifyパートナーになることができるので、非常に簡単です。

      ステップ②:Shopifyを利用したい新規顧客を増やす

      登録が完了すると晴れてShopifyパートナーになれますが、先ほど紹介したように、12ヶ月の間にアクティブではなくなるとShopifyパートナーの権利がなくなってしまいます。

      まずは一番ハードルが低い「開発ストアの有料化」を目指して新規顧客を増やしていきましょう。開発ストアの有料化とは、無料期間が無制限で使えるアカウントがShopify有料プランのいずれかを選択し、ストアを運営していくことを指します。

      そのため、すでにブログやSNSなどをお持ちであれば積極的にShopifyパートナーとなったことを発信し、新規顧客の獲得・サポートをすることが必要になります。

      Shopifyエキスパートとは

      Shopifyエキスパート

      Shopifyエキスパートとは、Shopifyパートナーの上位に位置する称号です。Shopifyパートナーができることに加え、権威性が上がります。Shopifyパートナーとしてクライアントの新規ストアを5つ以上構築すると申し込みができるようになります。ただし、審査制となっているため、新規ストアを5つ構築すれば必ずしもなれるわけではありません。

      Shopifyエキスパートになると、Shopifyのエキスパートリストに登録されます。さらに、ストアの構築やサポートを希望する潜在的な顧客からの問い合わせがShopifyからも届くようになるのでさらなるリード獲得につながります。ここでは、Shopifyエキスパートである開発会社の一例をご紹介します。

      開発会社①:フラッグシップ合同会社

      フラッグシップ合同会社は2012年に設立された、日本初のShopifyエキスパートとして認定された企業です(2020年9月現在はShopify Plusパートナー)。2020年9月現在、Shopify全般はもちろん、企業向けプランのShopify Plusの支援・構築に特化したビジネスモデルを展開しています。同社が展開しているShopifyアプリも数多くあり、Shopify本体とのローカライズ支援にも強みを持っています。

      開発会社②:株式会社フラクタ

      株式会社フラクタは2013年に設立された、サイト制作からデザイン・マーケティング・ブランディング・コンサルティングの全領域に強みを持っている企業です(2020年9月現在はShopify Plusパートナー)。

      Shopifyの実績も多数(同社サイト「Works」より)あり、スポットでの対応や既にShopifyで運営している方へのコンサルティングも可能です。これまでの知見・ノウハウを活かし、オンラインイベント書籍の出版など、さまざまな情報発信も行っています。

      開発会社③:コマースメディア株式会社

      コマースメディア株式会社は2016年に設立された、サイト制作から運用・物流までの一貫したサポートを展開している企業です。日本で3番目にShopifyエキスパートに認定されています。モール型(Yahoo!やAmazon)との連携にも強みを持っており、販売チャネルの展開をおしたいという顧客ニーズにも対応ができます。開発事例も多数あり、「Shopify・ECブログ」という初心者の方にわかりやすいメディアも公開しています。

      開発会社④:株式会社ウェブライフジャパン

      株式会社ウェブライフジャパンは2007年に設立された、サイト制作から「どうしたら売上を伸ばしていけるか?」の運用保守サポートまでを行っている企業です。元々EC-CUBE(オープンソース型)に精通していたこともあり、その知見を活かしてShopifyだけではなくさまざまなプラットフォームからの移行実績も多数あります。

      Shopify Plusパートナーとは

      Shopify Plusパートナー

      Shopifyエキスパートのさらに上位の「Shopify Plusパートナー」というプログラムも存在します。このパートナー制度に参画している企業は、日本でもまだ数社しかありません。

      Shopify Plusへの構築実績が多い企業がShopifyとの面談・審査を通してこのパートナープログラムに参画でき、大規模なサイト構築への開発サービスの提供を行うことができます。

      まとめ

      Shopifyパートナーができること、パートナーへの参画方法、開発会社などを紹介してきました。ポイントをまとめておきましょう。

      • ShopifyパートナーはShopifyのエコシステムをモットーとしたパートナープログラム
      • Shopifyパートナーはクライアントのストア構築、テーマ開発、アプリ開発などによって収益を得られる
      • Shopifyパートナーの上位には、Shopifyエキスパート、Shopify Plusパートナーがあり、主に企業がこのプログラムに参画している

      今後の国内展開が期待されるShopifyですが、同時にパートナーも増えてますますShopifyが身近になっていくでしょう。

      Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。