
新型コロナウイルスによる実店舗の販売が縮小し、各企業や個人がEC販売へと舵を切る中、最近頭角を表している「Shopify(ショッピファイ)」をご存知でしょうか?日本国内でも、個人はもちろん東証一部上場企業の大手から中小企業までShopifyを活用しています。
Shopifyは定額課金をすることにより、誰でも簡単に独自のECサイトを作ることができます。今回は、特に
- Shopifyを導入しようと考えているがどのような機能があるか知りたい方
- Shopifyの使い方や特徴がわからずつまづいている方
に向けて、Shopifyの機能と始め方を紹介していきます。
Contents
Shopify(ショッピファイ)とは?
Shopifyは2004年設立、カナダ初の国内外問わずにインターネット上での販売を手軽に始められるECプラットフォームです。全世界で120万店舗の利用実績や流通額は17兆円以上にものぼり、2017年に日本に上陸してから、今日さまざまなECプラットフォームがある中でも「アマゾンキラー」と呼ばれるまでに急成長しています。
また、管理画面の日本語化や様々な決済方法とも連携を進めているため、英語に抵抗がある方や決済方法に不安がある方でも安心して使えるECプラットフォームです。そんなShopifyの機能や特徴を下記でさらに深掘りして紹介します。
Shopify(ショッピファイ)の特徴
具体的なShopify(ショッピファイ)の特徴として次の6点が挙げられます。他にもさまざまな特徴がありますが、一つずつわかりすく解説していきます。
- 越境ECに対応している
- カスタマイズがしやすい
- SEO対策もバッチリ
- 低コストから始められる
- APIにより業務効率化できる
- SNS連動でネット集客できる
特徴①:越境ECに対応している
Shopifyは、2020年現在まで175ヶ国での企業のサポートに携わっているため、十分に越境ECに強みがあると言えます。管理画面はさまざまな言語に対応し、海外発送も標準でDHLやFedexに対応しています。日本からの発送にはEMSが対応しているため、日本にストアを構えて海外発送をしたい場合も安心です。
また、ストアの見た目、TOPページや商品詳細ページの文言についても、外部アプリと連携して言語を切り替えることが可能です。さらに、任意でストアや通知の文言も設定できるため、必要に応じて変更することができます。
特徴②:カスタマイズがしやすい
Shopifyは月額利用料を支払い運用するSaaS型のECプラットフォームの提供形態ではありますが、自社サーバーを構えシステムを構築するインストール型のように、標準では備わっていない機能や見た目のカスタマイズも可能です。(ただし、Rubyベースのテンプレート言語:Liquidを触る必要があるのでコーディングができない方には難易度が高いです。)
とはいえ、コーディングができなくてもShopifyと連動できるサードパーティ製の外部アプリが数多く存在しているため、初心者でも必要に応じてアプリを使い、簡単に機能を拡張できるのもShopifyの魅力の一つと言えるでしょう。他にも自社ストアに合わせた独自の機能を用いたアプリが欲しい場合には、開発会社に依頼して専用プライベートアプリを構築することも可能です。
外部アプリには無料のものももちろんありますが、有料で月額がかかるものもあるため利用前に料金を確認することが必要です。
特徴③:SEO対策もバッチリ
ストアを開設してもユーザーがストアを訪れ商品を購入しなければ、せっかく良い商品を扱っていても意味がありません。集客方法にはさまざまな方法がある中、検索エンジン経由での集客方法を指す「SEO(=Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)」ということばがあります。
Shopifyには標準で次のようなSEO対策が備わっています。
- 商品ページやブログにてタイトルタグ、メタディスクリプションを設定できる
- すべての画像にaltタグを設定できる
- 自動的にsitemap.xmlファイルが生成される
SEO対策はすぐに結果が出るものではありませんが、「タイトルにユーザーが検索すると思われるキーワードを含める」などの意識は常に持っておくことが大切です。
特徴④:低コストから始められる
Shopifyには4つの料金プランがあり、ストアの規模や欲しい機能によって自由に選択することができます。
- ベーシック:$29/月
- スタンダード:$79/月
- プレミアム:$299/月
- プラス:$2,000/月
プランが上がるとスタッフアカウント数が増えたり決済手数料が下がったり、レポートや外部サービスの送料自動計算などの機能が追加されたりします。プランの変更は後に自由にできるため、まずは「ベーシックプラン」でストアを立ち上げてから、都度スタッフアカウントを増やしたり、高度な分析がしたい場合にはプランをグレードアップしていくことをおすすめします。
特徴⑤:APIにより業務効率化できる
ShopifyはAPIが公開されているため、欲しい情報はプログラムを通して呼び出すことができることも特徴の一つです。また、これらのAPIは「特徴②」でも少し紹介したプライベートアプリの開発にも用いられます。すなわち、管理画面から必要な情報を手動で抽出して……という手間を省くことができ、業務効率化ができるというロジックです。
なお、ShopifyのAPIには次のの3つがあります。
- REST Admin API
- GraphQL API
- Storefront API
特徴⑥:SNS連動でネット集客できる
集客方法の一つにSNSを使った方法も挙げられます。もちろん、Shopifyは次のような各種SNS連携が可能です(審査あり)。
- Messenger
審査に通れば、SNS投稿にShopifyストアの商品をタグ付することができます。これにより新規顧客の獲得や広告配信による売上増の可能性が広がり、Shopifyを用いたEC戦略を拡大させることができます。
Shopify(ショッピファイ)の機能:フロント編
続いて、Shopify(ショッピファイ)の機能について、次の2つに分けて紹介します。
- フロントエンド:ユーザーが関わる部分(UI/UX)
- バックエンド:管理者側が関わる部分
フロントエンドの部分は、主にデザイン(UI)や操作性(UX)といった部分が重視されますが、Shopifyはそのどちらも優れているため非常にユーザーに優しいという特徴があります。それでは、代表的なフロントエンドの機能について代表的なものをピックアップして解説します。
- テンプレートベースのストア構築
- テンプレートエディット
- 商品ページ
- カートチェックアウト
- ブログ
- 問い合わせ
機能①:テンプレートベースのストア構築
Shopifyを始めるにあたって、まずはストア全体の見た目(テンプレート)を選ぶ必要があります。このテンプレートは無料から有料(Shopify theme storeで選択)のものまでさまざまな種類があります。有料のものは20,000円ほどの費用がかかりますが、ストアのジャンルに合ったオシャレなテンプレートを選ぶのであれば、有料のテンプレートがおすすめです。
また、テンプレートの選択では見た目がどうなるかを確認できるようにテスト使用ができます。複数のテンプレートサイトを作ってみて「これだ!」と思うものを選択する方法もありますので、ご自身のストアに合ったテンプレートを選択してみてください。
テンプレートの購入は返金・キャンセルができないため、よく考えてから購入するようにしましょう。
機能②:テンプレートエディット
テンプレートを選択した後は、各種ページのセクションをカスタマイズすることができます。セクションとは、コレクション(カテゴリ)や商品一覧、動画などストアのレイアウトを決定するコンテンツブロックのことを指します。
セクションの他にも、
- ヘッダーやフッター含むテキストのフォントや色、内容を変更できる
- ブログ記事やお問い合わせ、会員登録フォームを設置できる
- ファビコンやボタンリンクのカスタマイズできる
など、初心者でも簡単にカスタマイズを行うことができます。
機能③:商品ページ
商品ページでは、ECサイトにはなくてはならない商品画像や商品紹介テキストを自由に挿入することができます。さらに、画像は何枚でもアップロード可能です。
また、すでにあるショップからShopifyへと商品データを移行する場合はCSVファイルを利用して一括で商品データをとりこむことができます。商品ページの「カートに入れる」や「今すぐ購入」のボタンリンクも上記「テンプレートエディット」で紹介したようにカスタマイズ可能です。
機能④:カートチェックアウト
チェックアウト画面は、「個人情報入力」→「配送方法確認」→「決済方法選択」のシンプルな流れになっており、ユーザーにとっても非常にわかりやすいことがポイントです。
チェックアウト画面のコーディングによるカスタマイズは、「Shopify Plus」($2,000/月)のプランでしかカスタマイズができません。
機能⑤:ブログ
ニュースリリースや通常のブログコンテンツ作成も可能です。必要最低限の機能のみであり、ワードプレスほどの自由度はありませんが、商品ページ同様に紹介したSEO対策もできるため、有効に使えばブログコンテンツによるストア集客や商品やブランドの認知度を高めることが可能です。
機能⑥:問い合わせ
問い合わせフォームは「テーマエディット」で紹介したように、ストア内に組み込むことや、個別にページを作成してグローバルメニューから内部リンクでお問い合わせページに遷移させることが可能です。また、問い合わせフォームはコーディングによるカスタマイズや項目の追加なども可能です。
Shopify(ショッピファイ)の機能:管理編
サイトの見た目も大事ですが、運用・管理側の機能も忘れてはなりません。Shopify(ショッピファイ)は管理画面もすごくシンプルでありながらも、必要な機能や設定の方法も簡単です。そのため、運営者にとっても優しいECプラットフォームだと言えるでしょう。それでは代表的な管理側の機能を紹介していきます。
- 商品管理
- 顧客管理
- 注文管理
- 決済設定
- 配送設定
機能①:商品管理
商品管理では「何の商品がどこにいくつあるのか」が一目でわかるようになっており、サプライヤーからの仕入も管理することができます。在庫データはCSVとして出力することが可能であり、APIを利用して外部サービスと連携をすることができます。
また、「型は同じ商品だけれどもサイズや色が違う」といった場合には、商品を1点ずつ登録するのではなく、同一商品でバリエーションを持たせることができるため管理しやすいといった特徴があります。
機能②:顧客管理
商品を注文したユーザーや会員登録をしたユーザーをリストとして顧客管理することができます。貯まったリストはマーケティング用途に利用できるため、さらなる顧客へのアプローチとして、次のような施策を実施することができます。
- 会員限定のメルマガの配信(別途外部アプリの利用が必要)
- 顧客にロイヤルティを持たせてクーポンやディスカウントコードを発行する
また、タグも顧客別に設定できるのでブラックリストやお得意様など、属性をつけた管理も可能です。
機能③:注文管理
商品が購入された=注文された商品について、決済や配達のステータスが顧客ごとにどうなっているか、注文数量、金額はいくらなのかといった情報ももちろん管理可能です。さらに、支払い情報や販売チャネル、注文日時や特定のタグなどでもソートが可能であるため、「発送し忘れ」などのトラブルを最小限に抑えることもできます。そして、ユーザーが決済にクレジットカードを使用した場合には自動的に不正解析をしてくれるため安心です。
機能④:決済設定
Shopifyではさまざまな決済方法と連携、そしてクレジットカード決済だけではなくコンビニ払いや代引き、銀行振り込みなども対応しています。代表的なものには次のものがあげられます。
- Shopifyペイメント
- Apple Pay
- Amazon Pay
- Google Pay
- PayPal
- KOMOJU
- 携帯キャリア決済
- GMOイプシロン
Shopifyは代引きも対応していますが、代引きの手数料の自動計算はできないため事前に利用規約やチェックアウト画面で手数料について言及しておくことが必要です。
機能⑤:配送設定
配送設定について、標準では送料設定やロケーション(倉庫)の設定が可能です。送料については発送地域や梱包サイズによって任意の送料を設定することができ、さらに商品ごとにも送料設定が可能なので、さまざまな大きさの商品を扱っているストアでも安心です。
高度な設定には次のようなものが挙げられます。
- 店頭受け取り
- ローカルデリバリー(店舗に近い住所に住んでいるユーザー向け)
- 外部倉庫が利用しているシステムとの連携
まとめ
Shopify(ショッピファイ)の機能や特徴を紹介してきました。「まずは、トライアルでストアや管理画面を色々触ってみたい」という方は、14日間無料でテストストアを構築することができます。Shopify公式サイトを覗いてみてください。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。