
越境ECを始めたいという人にとって、日本語だけにしか対応していないストアを海外に広めることはあまり現実的ではありません。その点、Shopify(ショッピファイ)はカナダ発祥のプラットフォームであり越境ECとして強みを持っているため、ストア自体が多言語対応となっています。そのため、Shopify上であらかじめ言語を設定しておけば任意の言語に切り替えができます。
しかし、翻訳作業をすべて手動で行うのには非常に手間がかかります。そのうえ、Shopifyストアのフロント画面にて「言語を切り替える」などの言語スイッチャー表示、言語切り替え後の画面を表示させるには管理画面の設定だけでは不十分です。
そこで今回は、「Shopifyの言語切り替え方法が知りたい」「ストアの言語を切り替えたけれどもフロント画面に表示されない」「言語切り替えのおすすめアプリが知りたい」という人に向けて、Shopifyの言語設定方法、切り替え方法からフロント画面での表示方法、おすすめアプリを詳しく紹介していきます。
Contents
Shopify(ショッピファイ)で言語を切り替える方法
Shopify(ショッピファイ)で言語を切り替え、ストアのフロント画面でもユーザーに言語を選択して、正しく表示してもらうためには次の手順を踏む必要があります。一つでも欠けてしまうと正しく表示されないので注意しましょう。それぞれの手順について詳しく解説していきます。
- テーマが切り替えたい言語に対応しているかどうかを確認する
- 各種言語アプリのインストールと設定を行う
- Shopify管理画面にてストア言語の設定・追加をする
※Liquidを修正してテンプレート言語を編集する方法もありますが、html・CSSやJavaScriptなどのコーディングの知識が必要になるため初心者の方にはあまりおすすめできません。
テーマが切り替えたい言語に対応しているかどうかを確認する
Shopifyテーマストアで展開されている70種類を超えるテーマはShopifyの審査を受けているため、標準で多言語対応となっています。しかし、候補のテーマの見た目や機能性が良いと感じても、切り替えたい言語に対応していない可能性があります。そのため、対応させたい言語に対応しているかどうかは事前にチェックする必要があります。
Shopifyテーマストアで販売されているテーマはデモストアをチェックできる他、管理画面でテストテーマをインストールすることができます。ちなみに、Shopifyのテーマの追加方法は次の3つです。
- 無料テーマを管理画面上からインストールする
- 有料テーマをShopifyテーマストアから購入する
- Shopifyにzipテーマファイルをアップロードする
言語対応可否ももちろんですが、ストアのテーマは見た目を決める重要なポイントですので慎重に選びましょう。
各種翻訳アプリのインストールと設定を行う
Shopifyの言語の切り替えには、翻訳アプリの存在が重要になります。翻訳アプリがインストールされていないとShopify管理画面側でいくら設定したとしても言語の切り替えや表示がされませんので注意が必要です。
おすすめ翻訳アプリについてはこの後詳しく紹介しますが、Shopifyアプリストアで「翻訳」と入力すると数十種類のアプリを見ることができます。
翻訳アプリは無料のものから大体月額30ドルほどのものが多いです。海外顧客にアプローチし、長い目でストアを運営することを考慮するとそこまで大きな負担にはならないでしょう。
ストア言語の設定・追加をする
ストア言語の設定はShopify管理画面の「設定→ストアの言語→テーマ言語の変更」で設定ができ、ストア言語の追加は同じく「設定→ストアの言語→言語を追加する」で可能です。
ストア言語の設定ではストア全体の言語やブログページ、商品詳細ページやカゴの中などの各種ページで表示される言語を自由に変更することができます。クロージングに大事な購入ボタンの文言なども決められるため、ストアの雰囲気に合わせた言語設定をすることがポイントです。
ストア言語の追加はその名の通り、ストア言語切り替え時に表示される言語の追加ができます。言語を追加した後は言語切り替えアプリをインストール後、「公開する」を選択しないと表示されないため注意が必要です。
言語切り替えの準備が整った後、「公開する」を選択すると切り替えたい言語でストアおよびすでにストアで商品を販売したユーザーに通知が送られます。
その後、新しいURLが生成されます。URLは「https://xxxxxxxx.myshopify.com/」(xxxxxxxxの部分は登録時に決定したドメイン)の最後に英語ならen、中国語(簡体字)ならzh-CNなど、各言語を表す単語が付きます。そのURLにてユーザーは設定した言語のサイトを閲覧することができます。
Shopify(ショッピファイ)の言語切り替えのおすすめ翻訳アプリ
ここまで、Shopify(ショッピファイ)ストアの言語切り替えの方法について解説しました。上述の通り、言語切り替えには翻訳アプリを使います。翻訳アプリを使えばLiquidに関する知識がなくても、設定をすれば自由に言語切り替えが可能です。
ここからは、言語切り替えにおすすめな翻訳アプリを紹介していきます。それぞれ特徴や料金、どんな人におすすめなのかについてお伝えしていきます。
※言語切り替えした後は、検索エンジンで上位表示させるため施策を表すSEO(検索エンジン最適化)の点でも懸念があるかと思いますが、以下でご紹介する翻訳アプリのいくつかはSEO対策もしっかり対応してくれます。
Langify
Langifyはシンプルで使いやすい翻訳アプリの一つです。設定画面では、対応させたい言語のビフォーアフターを確認しながら編集作業ができ、設定した場所がすぐにわかるようになっています。翻訳後の言語についてSEO対策も自動的にされます。
チェックアウトページと通知に関しては翻訳がされないので注意が必要です。その他の特徴として以下が挙げられます。
- 言語選択機能(ユーザーは好みの言語選択可能、カスタマイズも可能)
- 自動言語検出 (ユーザーが指定した言語のURLに自動でリダイレクト)
- メタタグの翻訳を含むSEO対策(言語ごとに複数のドメインを使用している場合に限る)
- 言語ごとに複数のドメイン
- 翻訳データがCSV, gettext, XLIFF, JSONなどでインポート/エクスポート両方可能
- さまざまな種類の言語に対応
- 画像翻訳サポート
料金は$17.5/月がかかります。Shopify公式ブログでも紹介されておりレビューも高いですが、翻訳言語は自分で入力しなければならないため、高品質な翻訳アプリを使いたいけれども費用はなるべく安く抑えたいという方におすすめのアプリです。
LangShop
LangShopは、先ほど紹介した「Langify」と似ていますが、自動翻訳機能がついていることが大きな特徴です。その他の特徴として以下が挙げられます。
- 翻訳可能言語は241言語(設定は別途必要)
- Shopify翻訳APIと統合(Shopify公認)
- 多言語SEOにも対応
- 言語スイッチャーと通貨スイッチャー
- PV数や翻訳数による制限はなし
- 直感的な操作が可能
料金は14日間の無料期間後に月額34ドルであり、Langifyと比較すると約2倍の費用がかかります。しかし、自動翻訳機能の存在が非常に魅力的なので「何の翻訳アプリをインストールしたら良いのかわからない」という初心者の人にもおすすめできるアプリです。
初心者でなくとも、機能性の高さから総合的に一番おすすめできる翻訳アプリです。
Translate My Store
Translate My Storeは、AIが自動翻訳してくれることが大きな特徴です(事前にアプリ内で手動で翻訳をする必要あり)。AI翻訳ですのでアプリの更新を適宜行うことで翻訳言語を新しいものへと変換してくれます。その他の特徴として以下が挙げられます。
- カスタマイズ可能な言語スイッチャーの設定
- シンプルな翻訳インターフェース
- 翻訳データは、CSVやExcelデータでインポート・エクスポート可能
- 他のSEO対策アプリとの連携が可能
- ブランド名などの固有名詞は違和感なくAIが把握
料金は無料ですので、気軽に利用することができます。AI翻訳を試して、かつ無料で費用を抑えてストア言語を翻訳したい人にとっておすすめのアプリです。
Translate Your Store
Translate Your StoreはWeglotという企業が展開しており、ShopifyだけではなくワードプレスやWix、MagentoといったECプラットフォームとも連携が可能な翻訳アプリです。その他の特徴として以下が挙げられます。
- ユーザーが選択した言語への自動的なURLリダイレクト
- チェックアウトプロセスとEメール通知の翻訳 (WeglotでEメール通知の翻訳ガイドを別途確認する必要あり)
- 100以上の言語が翻訳可能
- 手動翻訳と自動翻訳が選択可能
- Googleの多言語SEOに準拠した対策
- カスタマイズ可能な言語スイッチャーの設定
- カスタマーサポート付き(有料プランから)
料金は一つの言語で2,000語までは無料ですが、それ以上の翻訳には別途料金がかかります。サポートについても有料プランから利用可能です。
まずは無料でできるので気軽に試すことはできますが、ストアの文字数が多い場合には他の翻訳アプリを使用した方がコストパフォーマンスが良い場合があります。したがって、小規模ストアを運営している人におすすめと言えるでしょう。
Interlingue
Interlingueは、株式会社ミクスローグという日本企業が展開しています。英語表記の翻訳アプリが多い中、日本語で管理画面が使用できる数少ない翻訳アプリです。その他の特徴として以下が挙げられます。
- 他のShopifyアプリとの挙動を邪魔しないのでページ表示のパフォーマンスを損ねない
- 一括翻訳が可能(コンテンツの手動翻訳も可能)
- TOPページやカートページはもちろん、チェックアウトページまで翻訳可能
- CSVデータのインポートとエクスポート
- 日本語のカスタマーサポート(英語も可能)
- SEO対策も標準で搭載
料金は月額7.5ドルです。翻訳に関してはGoogle翻訳が標準であるため、翻訳部分によっては意図しない表示となってしまう可能性もあります(その際は手動で設定すれば問題ありません)。そのため、Google翻訳が標準でも良いから日本製の翻訳アプリを使いたいと考えている人にとってはおすすめです。
Transcy
Transcyは、ストアの言語翻訳と同時にストア通貨をユーザーの現地通貨に変換することができます。通貨については常に最新の為替レート自動で適用されるようになっています。その他の特徴として以下が挙げられます。
- 写真や画像の翻訳
- フロント画面のUIに関わるアプリの翻訳も可能
- カスタマイズ可能な言語スイッチャー
- ユーザーの国とブラウザの自動検出
- 言語翻訳の自動更新
- カスタマーサポート付き
料金は無料、月額17.5ドル、月額69.9ドルの3つのプランがあります。翻訳はもちろん通貨の為替レートの自動設定ができるため、ストア言語の翻訳と現地通貨の適用を同時に行いたい人にとっておすすめの翻訳アプリとなります。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)における言語の切り替え方法とおすすめ翻訳アプリについてご紹介してきました。まとめると次の通りです。
- ストアの言語の切り替えにはテーマの確認、翻訳アプリの設定、Shopify管理画面からの言語の追加が必要
- 翻訳アプリは数十種類あり、その中でも初心者から上級者まで問わず、総合的に見ておすすめできるのは「LangShop」
翻訳アプリを上手く使いこなして、ご自身のストアを越境ECデビューさせて海外のユーザーにアプローチしていきましょう。
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Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。