Shopify(ショッピファイ)で制作したECサイトは、世界中のユーザーに対して販売できます。なぜなら、多言語化や翻訳アプリが充実しており、日本語以外のサービス展開が容易だからです。また、決済や通貨、配送についても問題なく解決できるため、越境ECとして挑戦できます。
そこで、今回はShopifyの多言語化を中心に解説し、越境ECに必要は機能について紹介します。越境ECサイトを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)が多言語化しやすい理由
Shopify(ショッピファイ)は、他のECプラットフォームに比べ多言語化しやすい特徴があります。理由としては、次の3点が挙げられます。
- 翻訳系アプリが充実している
- 多言語に対応したテンプレートが用意されている
- 海外展開に強い
理由①:翻訳系アプリが充実している
Shopifyには、サポートされている翻訳系のアプリが用意されています。アプリは有料のものから無料のものまであります。いずれも動作は確認できているため、特徴を確認してから選ぶと良いでしょう。
中には、自動翻訳できるアプリもあります。そのため、外部に費用を払ってお願いする必要もなく、時間を掛けずに海外へ販売可能です。また、複数言語で販売するためのサポートページもあります。
理由②:多言語に対応したテンプレートが用意されている
Shopifyには多数のテンプレート(テーマ)が用意されていますが、多言語化対応されているものが多いです。そのため、わざわざ翻訳のために自分でデザインを直す必要がありません。
また、テンプレートもシンプルなものが多く、どの国の人にも受け入れやすいです。例えば、日本では受け入れやすいけれど、その他の国ではそうでなければ販売にも影響が出てしまいます。しかし、Shopifyであればそんな心配もありません。言語や国ごとにデザインを考える必要がないことも、Shopifyが多言語化しやすい特徴と言えます。
理由③:海外展開に強いから
2020年現在、すでに世界で100万を超えるストアがShopifyから誕生しています。この実績から、世界中で使いやすいと認められているECプラットフォームと言えるでしょう。
そのため、海外でも売れるツールがそろっています。言語はもちろん、決済や通貨、配送の課題に対して、解決できるアプリが用意されていることが大きな特徴です。
Shopify(ショッピファイ)を多言語対応させる際にすること
それでは、Shopifyを多言語化し海外販売できるようにするには、どのようなことが必要でしょうか?次の項目を実施することで、越境ECサイトを作ることができます。それぞれの内容を解説しましょう。
- サイトの多言語化
- 決済手段の多様化
- 通貨の多言語化
- 海外発送の対応
サイトの多言語化
Shopifyには、翻訳機能のついたアプリがいくつもあります。そのため、プログラミング技術がなくても多言語サイトを構築可能です。
アプリをインストールし、設定して公開するだけでストアの翻訳は完了します。公開ページで言語の切り替えができるため、確認すると良いでしょう。翻訳のアプリについては、後ほど詳しく解説します。
決済手段の多様化
海外販売をするためには、決済手段も考えなくてはなりません。しかし、Shopifyの決済は世界最大規模のオンライン決済サービスであるPayPalが初期設定で実装されているため、問題なく販売できます。また、同じく世界中のオンラインストアで利用されているStripeも簡単に導入できるため、国外での販売も支障なく実行うことが可能です。
通貨の多言語化
海外販売する場合、通貨にも注意が必要です。しかし、Shopifyには「BEST Currency Converter」というアプリがあり、通貨の問題を解決します。有料版では、ユーザーの所在地に合わせて自動で通貨を変更する機能があります。
無料版は5通貨の対応ができ、ユーザーごとの通貨に合わせて表示可能です。「BEST Currency Converter」についても、後ほど詳しく解説します。
海外発送の対応
海外配送にも、「Easy Label Japan Post」と「Ship&co」という2つのアプリが課題を解決してくれます。「Easy Label Japan Post」は日本郵便での配送に特化したアプリです。
宛名ラベル、インボイスを簡単に作成できます。また、「Easy Rate Japan Post」と組み合わせると、配送料金もチェックアウト画面で確認でき、EMSやSALを使って海外に発送するとき、とても便利です。
Shopify(ショッピファイ)を多言語対応させる際の注意点
それでは、Shopify(ショッピファイ)のストアを多言語対応させるとき、気を付けることは3つあります。それぞれ詳しく解説しましょう。
- 多言語対応のテンプレート使用の必要がある
- サイト内検索機能が日本語以外では使えないことがある
- 言語ごとのSEO対策が必要となる
多言語対応のテンプレート使用の必要がある
Shopifyのテンプレートを選ぶとき、多言語対応でなければなりません。特に、公式ページ以外のテンプレートは多言語化の互換性が不明なので、開発者に確認が必要です。将来的に海外販売を視野に入れているのなら、多言語対応しているテンプレートを選択しましょう。
サイト内検索機能が日本語以外では使えないことがある
サイト内の検索が日本語にしか対応できておらず、多言語ではうまくできない可能性もあります。これは、Shopifyの中で言語によってサポートされていないものもあり、日本語では出てくるのに他の言語だと検索できなかったり、自動翻訳の場合は完全に翻訳ができないことも考えられます。
なお、日本語の場合は、検索のステミングとトリグラム検索に対応していますが、入力ミスの許容には対応していません。
- ストアを検索(公式)
言語ごとのSEO対策が必要となる
自動翻訳したサイトは、検索エンジンに評価されない可能性があります。これは、自動翻訳だと意味が通じず、スパム扱いされるかもしれないからです。自動翻訳を行うことができるアプリは、楽に多言語対応することが可能なので重宝されますが、SEO対策は各言語ごとに行う必要があることを覚えておきましょう。
多言語対応にできるShopify(ショッピファイ)アプリ
最後に、多言語対応にできるShopify(ショッピファイ)のアプリを3つ紹介しましょう。それぞれの特徴や利用料金について解説します。
- Langify
- BEST Currency Converter
- LangShop
Langify
Langifyは、Shopifyでは必須と言っても良い翻訳アプリの一つです。プログラミングのスキルがなくても、多言語に対応したECサイトを構築できます。自動翻訳機能はありませんが、ユーザーが優先する言語に自動でリダイレクトでき、SEO対策も可能です。設定画面では言語対応している箇所が一目でわかるようになっており、必要箇所を埋めるだけでサイトの翻訳が完了します。
特徴
Langifyの特徴は次のとおりです。セットアップもシンプルな設計になっています。翻訳できる言語に制限を設けておらず、好きなだけ翻訳できます。
- 自動でユーザーの優先言語にリダイレクトする
- 手動で言語変更することができる
- 言語ごとに複数ドメイン取得できる
- 翻訳後もSEO対策できる
- CSV、gettext、XLIFF、JSONで翻訳のインポート・エクスポートができる
- 複数言語や画像によるサポートがある
- 7日間のフリートライアルがある
料金
月額17.5ドル
BEST Currency Converter
BEST Currency Converterは、管理画面で設定した通貨を、ユーザーが見たい通貨に変換して表示する多通貨変換アプリです。サイトの商品価格をユーザーの国の通貨に合わせて表示できるので、ストレスなく購入できます。特に商品価格は重要なものなので、ユーザーごとに変換できるのは、ユーザビリティが高いサイトと言えます。
なお、通貨レートは1日2回、自動で更新してくれるため安心です。また、このアプリには有料版と無料版があります。無料版は5つの通貨しか登録できませんが、有料版には160種類以上が用意されています。世界中の通貨表示ができると言って良いでしょう。
特徴
BEST Currency Converterの特徴は無料版と有料版で異なるため、分けて紹介します。どのテンプレート(テーマ)にも対応しているため、すぐに利用できます。
- 5つの通貨変換設定ができる
- 1つのデザインテンプレートで3種類の通貨表示ができる
- 無料テクニカルサポートに対応している
- 160以上の通貨を設定できる
- 1つのデザインテンプレートで3種類の通貨表示ができる
- ユーザーの所在地に合わせて自動で通貨を変換できる
- 通貨コンバータ機能を画面上は非表示にし、バックグラウンドで通貨変換を実行できる
- 価格の小数点以下を削除できる
- 無料テクニカルサポートとデザインについてのサポートが受けられる
- 30日間のフリートライアルがある
料金
月額9.95ドル(有料版)
LangShop
LangShopもLangifyと同じく翻訳アプリです。一つのECサイトに複数の国・言語を対応させたいときに便利です。なお、Langifyとの違いは以下です。
- 自動翻訳ができる
- 翻訳機能だけでなく通貨の切り替えができる
商品ページだけではなく、ブログやページも翻訳対象です。必要なセクションを選択するだけで、すべてのコンテンツを自動で翻訳してくれます。そのため、わからない言語はLangShopの自動翻訳を利用すると良いでしょう。
ただ、自身によるマニュアル翻訳も可能です。自動翻訳ではどうしても正確な翻訳でない部分もあるため、海外販売にさらに力を入れていくタイミングでマニュアル翻訳と差し替えても良いかもしれません。
なお、SEO対策も対応しており、metaタグやaltタグも多言語化できます。検索エンジンでも、問題なくヒットします。
特徴
LangShopの特徴は次のとおりです。
- 241言語から選択できる
- コンテンツを自動翻訳できる
- 言語切替ボタンがある
- SEO最適化ができる
- 複数の通貨切替ボタン
- 多言語サイトマップ
- Shopifyメタフィールドの編集と翻訳
- 14日間のフリートライアル
料金
月額34ドル
越境ECならShopifyがおすすめ
越境ECサイトを構築するためには、言語、通貨、決済、配送を考慮しなければなりませんが、Shopify(ショッピファイ)ではこれらの課題を解決するソリューションが揃っています。海外での販売で最初のハードルとなるのは「言語」と「通貨」です。母国語でない言語で販売されていると身構えてしまいますし、慣れていない通貨価格はいくらくらいの金額かを理解するのに時間を要します。
しかし、Shopifyであれば、アプリを使えば多言語も複数通貨も取り扱いが可能です。また、翻訳は自身で手動翻訳と、アプリを用いた自動翻訳ができます。そして、通貨も自動でレート変換し表示するアプリがあるため、海外ユーザーにも安心して販売可能です。
決済は、世界最大規模のオンライン決済サービスであるPayPalをサイト開設からすぐに利用できます。その他にも、クレジットカード決済にも対応しているため、海外での販売も問題ありません。決済方法も100種類以上準備されているため、海外ユーザーが購入しやすくする上での重要ポイントを押さえています。
そして、海外配送は送料設定や関税計算、送り状やインボイスの作成などの煩雑な仕事が必要ですが、Shopifyであればアプリを使って業務をかんたんにできます。税率の自動管理や商品サイズと重要による配送料金計算、そして送り状やインボイス発行も可能です。
このように、越境ECサイトに必要な機能はすべて揃っているため、海外で販売をする際には他のECプラットフォームと比べてShopifyが圧倒的におすすめです。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)の多言語化を中心に解説しました。海外向けの販売には、言語や通貨をはじめとして大きなハードルがあります。しかし、Shopifyにはそれらの課題を解決するアプリや機能が揃っており、必要な業務を一人で抱え込む必要がありません。
越境ECに必要なものは揃っているので、国内だけでなく海外マーケットを視野に入れている方は、Shopifyでの販売を考えると良いでしょう。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。