ECストア制作のプラットフォームとして、世界でシェアNo.1を誇る「Shopify(ショピファイ)」。
すでに世界では開設店舗数が100万を突破しており、世界中の企業や事業主から送られる視線は日々熱量を増しています。
そんな優れたビジネスツールであるShopifyですが、「Shopifyパートナー」というパートナーシッププログラムが存在することは知っていますか?
Shopifyの売上に貢献し報酬を得ることのできるこのプログラムは、ユーザーではなく「提供者」としてShopifyを盛り上げる画期的なエコシステムです。
この記事では、Shopifyパートナープログラムの概要からよくある質問まで徹底解説していきます。
Contents
Shopifyパートナープログラムと手数料
さまざまな知識や経験を生かすことのできるShopifyパートナープログラム。
しかし、「色々なスキルを生かせます!」と言われても、どのようなスキルがShopifyにマッチしているかはコアなユーザーでもない限りわかりにくいですよね。
そこで、まずShopifyパートナープログラムの基本的な概要を説明します。
気になる手数料までしっかり解説していきましょう。
Shopifyパートナープログラムとは
Shopifyパートナープログラムとは、Shopifyを使って構築されたオンラインショップが抱える悩みや課題の解決を後押しするサポートプログラムのことです。
Shopifyパートナーとしてこのサポートプログラムに携わると、自身のスキルを提供することで課題を解決し、報酬を得ることができます。
Shopifyが課題解決のために求めるスキルは、幅広くさまざまです。
- オンラインストア構築
- デザイン
- マーケティング
- 広告運用
- SNS 連携
- アプリ開発
- コンサルティング
その他、活用できる可能性のあるスキルは枚挙にいとまがありません。
もちろん、組織としてこれらのスキルを有する場合は法人として、そして個人でスキルを発揮したいという方は個人としてShopifyパートナーになることも可能です。
Shopifyパートナープログラムでできること
ShopifyパートナーとしてShopifyパートナープログラムに参画すると、次の3つができるようになります。
- 専用の管理画面においてさまざまな機能の使用
- APIを活用した開発
- ロゴの活用
1の管理画面では、Shopifyの構築・紹介・管理機能など基本的なツールが利用できるほか、Shopifyアカデミーの無料受講が可能となります。
Shopifyアカデミーとは、Shopifyパートナー限定のオンライントレーニングプログラムのことです。
Shopifyプラットフォームの基礎からオンラインビジネスに関するメソッドなど、講座の種類はさまざまです。
これだけ充実した講座を無料で受けられることは嬉しいですよね。
2に関しては、Shopifyパートナーになることでストア運営に欠かせないAPIを活用できるようになります。
開発の多様性を助けるAPIですが、Shopifyで提供されるAPIは機能別に15種類以上あります。
内容を学習できるチュートリアルも用意されているので、一部の知識に不安のある人手も積極的な参加が可能となります。
なお、チュートリアルはすべて英語で用意されているため注意してください。
3のロゴ使用に関しては、特に法人のShopifyパートナーにとって魅力的なポイントとなるでしょう。
自社のホームページ等に掲載することによりShopify公認のパートナーであることを示すことができるため、クライアントからの信用につながり、ビジネスチャンス拡大のきっかけとなり得ます。
4つのパートナーの種類と手数料
Shopifyパートナーにも、活躍の分野によって4つの種類があります。
- 構築パートナー
- 紹介パートナー
- テーマ開発パートナー
- アプリ開発パートナー
1.構築パートナー
Shopifyパートナーは、Shopifyストアの構築をサポートすることにより報酬を得るパートナーのことです。
クライアントが毎月支払うサブスクリプション手数料の20パーセントを継続的に受け取れる報酬体系になっています。
Shopify Partner自身が継続的に仕事を受けている限り、毎月報酬を受け取ることができます。
2.紹介パートナー
紹介パートナーは、専用の紹介リンク(アフィリエイト)を使用してShopifyを紹介するパートナーのことです。
新規アカウントを作って導入してもらうことで、報酬を得ます。
クライアントが毎月支払うサブスクリプション手数料の2ヶ月分が報酬となります。
契約月・契約翌月の2ヶ月にわたり、1ヶ月につき半分ずつ報酬を受け取ります。
3.テーマ開発パートナー
テーマ開発パートナーとは、Shopifyのページデザインを司る「テーマ(=デザインテンプレート)」を開発することで報酬を得るパートナーのことです。
報酬体系には2つのパターンがあります。
- 売上の70%を得るパターン
- 売上の50%を得るパターン
売上の70パーセントを報酬として得るパターンでは、個人のチャネルでもテーマが販売できるものの、ユーザーからの質問にすべて自分で答える義務があります。
一方、売上の50パーセントを報酬として得るパターンでは、販売チャネルが限られるものの質問対応等はShopify側にお任せできます。
4.アプリ開発パートナー
アプリ開発パートナーは、Shopify App Storeで販売されるアプリを開発するパートナーのことです。
先ほどお伝えしたAPIを活用することでアプリ開発を行い、独自のカスタムアプリを販売することで報酬を得ることができます。
得られる報酬は、アプリの販売価格・サブスクリプション手数料の80パーセントです。
ただし、報酬を得たいがためにルールを無視してアプリを開発することはNGです。
すべてのアプリはShopify パートナープログラム契約に準拠している必要があります。
パートナーのランク
Shopifyパートナーは、登録さえすれば誰でもパートナーになることが可能です。
それに対し、パートナーとしてShopifyから公式に能力が認められた上位ランクの「Shopify Experts」も存在します。
詳細は次章で詳しく説明しますが、Shopify Expertsは上位ランクゆえにクライアントからの依頼がどんどん増えます。
Shopifyパートナーとしてビジネスを展開していく予定の方は、ぜひ条件をクリアしてShopify Expertsを目指してみてください。
Shopifyパートナープログラムの登録方法
ここまでは、Shopifyパートナープログラムの概要について説明しました。
ここからは、具体的にShopifyパートナーとして仕事を進めていくための手順を紹介しましょう。
構築パートナーの場合
クライアントに代わってオンラインストアの構築を担当する構築パートナーは、大まかに次の流れで業務を遂行します。
- パートナー専用サイトに登録する
- パートナー専用サイト上でオンラインストアを構築する
- 構築したオンラインストアのオーナー権をクライアントへ譲渡する
ステップ①:パートナー専用サイトに登録する
まず、公式のShopifyパートナー専用サイトからアカウントを登録します。
わずか3ステップ(「今すぐ登録」ボタン → アカウントの基本情報を登録 → さらにリクエストされた情報を登録する)でパートナー専用の管理画面にアクセスすることができるようになります。
ステップ②:パートナー専用サイト上でオンラインストアを構築する
次の工程では、管理画面の【Development Stores → Create Store】 から、クライアントの依頼内容に合わせてオンラインストアの構築を開始します。
通常、Shopifyは14日間のトライアル期間後より月額利用料が発生しますが、このオンラインストアを公開するまでの準備期間はトライアル期間が無期限となります。
ストアが完成するまで無制限でさまざまな機能を使うことができるので、じっくり試しながらスキルを磨くことができます。
ステップ③:構築したオンラインストアのオーナー権をクライアントへ譲渡する
最後に、完成したストアのアカウントオーナー権をクライアントに譲渡します。
まずは【Development stores → 移行したいストアを選択 → 「Log in」ボタン】で構築したストアにログインします。
【ストアの管理画面の設定 → アカウント → スタッフアカウントを追加する】で移行先 (クライアント) の名前・メールアドレス・権限範囲を入力し、招待を送信します。
再びパートナー専用管理画面に戻り、【Development stores → 移行したいストアを選択 → Transfer store to client → Choose new owner】から移行先を選択します。
これで構築パートナーとしての業務登録が完了します。
その後、クライアントの月額利用が始まると報酬が発生するようになります。
サブスクリプション手数料の20パーセントがパートナー専用の管理画面を通して支払われます。
紹介パートナーの場合
紹介パートナーは構築パートナーとは異なり、直接Shopifyのストア構築に携わるわけではありません。
Shopifyを紹介することで報酬を得るアフェリエイト(成功報酬型広告)を担い、その成果によって報酬を得ます。
具体的な業務の流れは、次のとおりです。
- パートナー専用サイトに登録する
- オリジナルの紹介リンクを作成する
- ブログやメディアにリンクを貼り付けてShopifyを紹介する
ステップ①:パートナー専用サイトに登録する
構築パートナーと同じく、公式のShopifyパートナー専用サイトからアカウントを登録します。
こちらもわずか3ステップ(「今すぐ登録」ボタン → アカウントの基本情報を登録 → さらにリクエストされた情報を登録する)で、パートナー専用の管理画面にアクセスすることができるようになります。
ステップ②:オリジナルの紹介リンクを作成する
次に、自分のリコメンドがShopifyの登録につながったことを証明するため、アフェリエイトリンクを作成します。
管理画面の【アフェリエイトツール → 今すぐ申し込む】と進みましょう。
申請時には、次の項目について詳細に記載する必要があります。
内容が問題なければ15営業日以内を目安に承認がおり、Shopifyからアフェリエイトリンクが送付されます。
- URLを展開する予定のウェブサイト
- Shopifyを宣伝するためのサンプルコンテンツ
- デジタルマーケティングに関連する経験
- Shopifyや他のプラットフォームでの経験とスキル
- Shopifyを紹介するの具体的な計画
ステップ③:ブログやメディアにリンクを貼り付けてShopifyを紹介する
最も重要なステップです。
ステップ②で発行したリンクをブログやメディアに貼り付け、そのサイトを見た人がURLからShopifyに登録すると、アフェリエイト成功となり報酬が支払われます。
URLを貼り付けるサイトの充実度やメディアの特性によってアフェリエイトの成功が左右されるため、URLの掲載先はしっかりと選定してください。
この3つのステップでShopifyの紹介が成功すると、そのユーザーが支払う月額の計200パーセントを報酬として得ることができます。
Shopify Expertsとは
Shopify Expertsは、先ほどお伝えしたとおりShopifyパートナーの上位ランクです。
ShopifyパートナーとしてShopifyストアを5件以上構築すると認定の資格を得られます。
無事に認定されると早々にShopify Expertsとして名前をShopify 公式サイトに掲載され、Shopify利用者はこのサイトからパートナーとなるShopify Expertsを探すことができます。
能力の高さが公式に認められるShopify Expertsになれば、一般的なShopifyパートナーと比較してクライアントからの依頼数が圧倒的に増えるでしょう。
また、Shopify ExpertsはShopifyパートナーとは異なる専用のロゴを持ちます。
Shopify認定のShopifyプロフェッショナルたる証であるShopify Expertsロゴは、非常に高いPR効果を見込むことができます。
まとめ
Shopifyパートナープログラムの概要から登録方法、報酬まで紹介しました。
先進的なプラットフォームであるShopifyですが、Shopifyパートナーというエコプログラムによってビジネスを循環させていく様はお見事。
誰しもがオンラインストアのオーナー、そしてそのオーナーを支える技術者としてShopifyに関わることが可能となり、Shopifyユーザー間で複雑なストアの構築も完結します。
世界規模のサービスであるShopifyならではのユニークな取り組みですね。
また、サイトの立ち上げと同様に、簡単な手続きで気軽に始められることもShopifyパートナープログラムの特徴です。
ショップの立ち上げではなく、技術者としてスキルを生かしたいという方はぜひShopifyパートナープログラムに登録してみてくださいね!
Shopifyパートナーに関するよくある質問
ここからは、番外編として、Shopifyパートナーに関するよくある質問をまとめました。
さまざまなケースにのっとってお伝えしていくので、気になる項目をチェックしてみてください。
- 国外に住んでいる場合もPartnerになれる?
- Shopifyは世界でNo.1のシェアを誇るプラットフォームですが、本格参入していない国もあります。
しかし、Shopifyパートナーへの登録は居住地がShopify未参入国であっても可能。
登録に必要なのは、報酬の支払いに使用する有効なPayPalアカウントのみとなります。
なお、支払いは米ドルとなります。
- 収益に上限はある?
- Shopifyパートナーとしての収益に上限はありません。
クライアントの数にも上限はありませんので、多くのクライアントとShopifyを使ったビジネスを交わすことで、多くの収益を得ることができるでしょう。
- 国外に住んでいる場合もPartnerになれる?
- Shopifyは世界でNo.1のシェアを誇るプラットフォームですが、本格参入していない国もあります。
しかし、Shopifyパートナーへの登録は居住地がShopify未参入国であっても可能。
登録に必要なのは、報酬の支払いに使用する有効なPayPalアカウントのみとなります。
なお、支払いは米ドルとなります。
- Partnerで得た収益は税金が適用される?
- ※税金に関しては、2020年6月1日付けのパートナープログラム契約にて規定が更新されました。
Shopifyは、そのプラットフォームを活用したビジネスが多岐にわたることから、税金適応について一概に説明することは非常に困難です。
基本的に、Shopifyはプラットフォーム内のビジネスで発生する手数料に対し、課される税金をShopifyパートナーへ請求する仕組みとなっています。
その適用金額は、ビジネスのロケーション(国・地域)、パートナーの種類、パートナーアカウント設定で入力する税金情報によって異なります。
Shopifyによって請求または支払いが行われたすべての税金は、しっかりと請求書に記録されます。
しかし、特に個人でShopifyパートナーとして業務にあたる場合は、きちんと税処理について把握してトラブルに備える必要があるでしょう。
税務上の義務は提供するサービスの種類やビジネスが登録されている場所によって異なるため、お住まいの地域の税務専門家に話を聞いてみるようにしてください。
なお、要注意なのが紹介パートナーとして得た報酬に対する税金です。
この報酬に対する税金はShopifyサイドが負担してくれますが、Shopifyパートナー自身が管轄の税務署に納付しなければなりません。
この税金分の金額は報酬支払いに追加され請求書にも反映されるため、確認したうえで税納付を行ってください。
- いくらくらい稼げるようになる?
- Shopify Partnerとしてのビジネスを検討するうえで、最も気になるのがその収益でしょう。
下記の表に業務内容別の収益額をまとめていますので、是非参考にしてみてくださいね。
構築パートナー
ストアプラン | 項目名 | 項目名 |
---|---|---|
Shopify Lite
Shopify ベーシック Shopify スタンダード Advanced Shopify |
クライアントがShopifyへ毎月支払うサブスクリプション手数料の20%が毎月支払われます。 | 1ヶ月でクライアントがShopifyの契約を終了した場合、パートナーに対する報酬も1ヶ月で終了となります。 |
Shopify Plus
Shopify Gold |
クライアントがShopifyへ毎月支払うサブスクリプション手数料の10%が毎月支払われます。 | Shopify Plusリードの提出フォームに記入・記録する必要があります。 |
紹介パートナー
ストアプラン | 項目名 | 項目名 |
---|---|---|
Shopify ベーシック
Shopify スタンダード Advanced Shopify |
最初の2ヶ月間、クライアントがShopifyへ支払うサブスクリプション手数料の同額が支払われます。 | 1ヶ月でクライアントがShopifyの契約を終了した場合、パートナーに対する報酬も1ヶ月で終了となります。 |
Shopify Plus
Shopify Gold |
$2,000(約220,000)の報酬が一度限り支払われます。 | クライアントが初回のサブスクリプション手数料を支払ったタイミングで、パートナーへの報酬も支払われます。 |
テーマ開発パートナー
オプション内容 | 収益 | 条件 |
---|---|---|
オプション① | 各テーマ販売額の70%が報酬として支払われます。 | このオプションを選択する場合、Shopifyパートナーはすべてのバグ修正を担当し、テーマに関するクライアントからの質問に回答する責任が生じます。
テーマは、個人のチャネル (会社のウェブサイトなど) を介して販売できますが、オープンマーケットプレイスでは販売できません。 |
オプション② | 各テーマ販売額の50%が報酬として支払われます。 | このオプションを選択する場合、Shopifyパートナーはすべてのバグ修正を担当する責任が生じますが、テーマに関するクライアントからの質問への回答はShopifyが行います。
おk人のチャネルを含め、他のチャネルを通じてテーマを販売することはできません。 |
アプリ開発パートナー
収益 | 条件 |
---|---|
販売価格(1回限り)、または定期サブスクリプション料金の合計収益の80%、およびShopify アプリストアを通じて行われたすべてのアプリの購入またはアップグレードが報酬として支払われます。 | すべてのアプリは、Shopify パートナープログラム契約に準拠している必要があります。 |