Shopifyで配送日時指定の設定方法

ECサイトを運営していると、一度は配送について考えたことがあるでしょう。配送方法や配送サービスの質は、ECサイト運営で重要な側面です。ユーザーにとって商品がいくら良くても、配送が遅かったり損傷してたりしているとリピートしてもらえません。

また、購入してから商品がいつ届くかも重要です。購入しても必要なときまでに配達されないと意味がありません。

今回は、Shopify(ショッピファイ)での配送の概要と、配送日時を指定する方法やおすすめのアプリを紹介します。

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Shopify(ショッピファイ)の配送概要

Shopify(ショッピファイ)の配送は、ストアの運営方針に合わせてカスタマイズすることができます。細かく設定することで、配送業者との連携や送料だけでなく、日時指定や海外配送なども可能です。

多くのオンラインストアでは、販売する商品の配送にヤマト運輸や佐川急便、日本郵政などの配送会社を利用していることでしょう。しっかりとした配送設定を行わないと手作業になり、配送運用がとても大変です。

小規模ストアや個人ストアであれば問題ありませんが、中規模や大規模ストアの場合、手作業で配送運用を行うことは困難です。Shopifyの配送を理解し、ストアに合った配送運用を行いましょう。

概要

Shopifyのデフォルトの機能だけでは、実現できることが限られています。デフォルトの機能では、送料を都道府県ごとに変更や明細書の変更、店舗の近く限定の配達サービスなどしか活用できません。

配送の日時指定、同じ都道府県でも離島の場合の送料変更、商品購入後の自動連携、伝票発行や追跡番号の登録などはデフォルト機能で設定できません。これらを解決するために、Shopifyアプリを活用します。配送・配達のおすすめのアプリは、この後に紹介します。

設定方法(配送・日時指定・送料)

日時指定などの細かい設定をする前に、Shopifyの配送と配達の基本的な設定方法について解説します。

STEP1:「配送と配達」の設定

Shopifyの管理画面から[設定] → [配送と配達] をクリックします。

Shopifyの管理画面から「管理」をクリック

Shopifyの管理画面で「配送と配達」をクリック

[配送プロファイル] → [送料を管理する]をクリックします。既に設定済みで新しく作成の場合は[新しいプロファイルを作成する]をクリックします。

Shopifyの管理画面で「新しいプロファイルを作成する」をクリック

ここで基本的な発送に関する商品管理や発送元・発送先を設定できます。

STEP2:送料設定

国内外問わず、配送先や重さによって送料は異なります。すべて一律だと管理はラクになるかもしれませんが、購入数や金額に応じて送料を変更する方がユーザーにとって効果的です。初期設定では国内配送のみで、日本国内(47都道府県)一律1,000円の送料が指定されています。

[国内配送] → [ゾーンを編集する]で送料を変更する地域のチェックを外します。[新しい配送エリアを作成する]で送料を変更する地域にチェックを入れます。[送料を追加する]から送料を入力し設定します。

Shopifyの管理画面で「新しい配送エリアを作成」をクリック

購入金額や商品の重量によって送料無料にしたり安くしたりする設定は、[条件を追加する]をクリックします。概要でも説明しましたが、デフォルトで日時指定は設定できません。日時指定はアプリを使用します。

STEP3:その他の設定

地域内のお客様が注文を配達してもらえる「ローカルデリバリー」や、ドライブスルーや指定場所での受け取りができる「店舗受け取り」などの設定も可能です。

「ローカルデリバリー」を設定したら、ローカルデリバリーの注文を発送する方法を確認してください。スタッフが配達したり、外部の配達サービスを使用したりすることもできます。

「店舗受取」は、お客様が店舗で商品の受け取りを行います。配送料は無料に設定されており、変更することはできません。

「ローカルデリバリー」「店舗受け取り」どちらも設定に条件があります。Shopifyストアのプランや配送の運営体制を確認し設定してください。

また、Shopifyはカナダのサービスであることから、初期設定で海外配送に対応しています。日本国内のみの配送の場合は、[海外配送]の横にある[・・・]から[削除]をクリックしましょう。

Shopifyの管理画面で「ゾーンを編集する」をクリック

海外配送の設定方法と注意点は、この後に紹介します。

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Shopify(ショッピファイ)での海外配送方法と注意点

Shopify(ショッピファイ)では、初期設定で海外配送をすることができます。設定方法は、[配達と配送] → [配送] → [管理] → [海外配送]をクリックします。日本国内向けの発送と同様に[新しい配送エリアを作成する]もしくは[ゾーンを編集する]から国を選択し海外への送料設定も可能です。

Shopifyの管理画面で「管理」をクリック

海外の送料設定は比較的簡単ですが、配送では注意するべきことがあります。

関税の発生

商品を海外に配送する際、税関で検査が行われます。無事通過した商品はお客様のもとへ配送されますが、商品受け取り時に追加で関税を支払うケースがあります。関税は各国によって税率を設けているので同じ商品でも金額が異なります。

関税は基本的に割引したり発送人が負担したりすることはできません。関税は受取人が負担することが決められています。クーリエ(国際宅配便)を利用すれば関税や輸送費を発送側が支払うことも可能です。あらかじめ、サイト上で関税の有無をユーザーに告知しておきましょう。

受取日時が長く送料が高い

日本国内への配送と海外への配送は時間も送料も異なります。配送日時を早くするのか、できるだけコストがかからないようにするのか、関税を発送側で負担するのかなどさまざまな条件によって配送手段が異なります。

いずれにせよ、海外配送は日本国内に比べ高く、時間がかかるので注意が必要です。

商品破損

日本配送に比べて、梱包は頑丈にしましょう。日本の配送業者は世界トップクラスで商品の扱いが丁寧です。

海外の配送業者は作業が雑です。国内配送よりも頑丈で強固な梱包でないと商品破損の可能性が高くなります。返送手続きやお客様対応などの配送トラブルで起こる時間的コストを考えると梱包費が少し高くなってしまっても、しっかりとした梱包をするべきです。

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複数の配送先を設定する必要性と設定方法

複数の配送先を設定することは非常に重要です。購入した商品を自宅と実家に配送してもらいたい、職場や友人の家にも送りたいなどのシーンに役立ちます。日本だとお中元やお歳暮などにも必要です。

残念ながら、Shopifyのデフォルト機能では設定することができません。「複数配送先.amp」というアプリをインストールしてください。「複数配送先.amp」は複数の配送先へ同時に注文ができ、配送希望日の指定も可能になります。有料で、プランは3つあります。ストアにあったものを導入しましょう。

Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ECサイトの運営ノウハウを共有することができます。配送や配達のカスタマイズやShopify構築などに関してお困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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Shopify(ショッピファイ)の配送業者

先ほどお伝えしたように、配送業者はヤマト運輸や佐川急便、日本郵政などです。

Shopify(ショッピファイ)はアメリカのUSPS、UPS、DHLなど世界3大配送会社と提携しています。カナダのCanada Post、オーストラリアのSendleとも連携しており、越境ECサイトではかなり優秀です。日本だとヤマト運輸や佐川急便、日本郵政以外に福山通運、西濃運輸なども配送設定することができます。

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Shopify(ショッピファイ)のおすすめの配送日時指定アプリ

ここまで、Shopify(ショッピファイ)の配送と配達の基礎と概要を紹介しました。結論、細かい設定をするにはアプリの導入が必要です。配送の日時指定ができるおすすめのアプリを2つ紹介します。

配送の日時指定ができるおすすめアプリ
  • 配送日時指定.amp
  • 配送マネージャー

配送日時指定.amp

配送日時指定amp

配送日時指定.ampは、配送時間指定だけでなく、置き配達、テイクアウトの時間が可能です。日本のストア向けに作られているので祝日指定や日本の配送業者に合わせた配達も簡単に設定できます。

また、Shopifyの標準テーマに対応しているのでセットアップも容易です。有料テーマの場合も、日本語での問い合わせやサポートを受けることができます。

配送日時指定.ampの特徴

配送日時指定.ampの特徴は次のとおりです。

配送日時指定.ampの特徴一覧
  • 配送業者・時間帯指定
  • 配送希望日設定
  • 置き配と長期休暇設定
  • 初期セッティング
  • オープンロジ連携設定
  • ネクストエンジン対応

上から順番に説明していきます。

配送業者・時間帯指定

配送業者・時間帯指定ですが、配送業者を選択すると業者ごとの対応可能な時間帯が表示されます。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵政はデフォルトで対応しており、他の配送業者も自由に追加できます。

配送希望日設定

配送希望日設定は、配送日は一見しただけでわかるので非常に便利です。最短/最長で指定可能な希望日が設定できます。年末年始や長期休暇などの運用に合わせて活用することもできます。

置き配と長期休暇設定

置き配は、UberEatsでもよくある玄関に置くスタイルの配達です。コロナ禍で非常に拡大しました。長期休暇の設定も可能です。あくまでカート上のみの反映ですのでストアが長期休暇する場合は別途、告知が必要です。

初期セッティング

初期セッティングでは、ソースコードを編集する必要がなく、Liquidコードだけでデザイン変更が可能です。

オープンロジ連携設定

オープンロジ連携設定では、[配達業者]のメニューから「オープンロジ」を選択すると倉庫の稼働スケジュールに応じた配送日時が自動で反映されます。

ネクストエンジン対応

ネクストエンジン対応はADVANCEDプランのみのサービスです。料金については下記で紹介しますが、データの変換が不要になります。データエクスポート後の加工作業が不要になります。

配送日時指定.ampの料金

配送日時指定.ampの料金は2つあります。NORMALとADVANCEDです。

NORMALは月額$9.80で、ネクストエンジン対応以外のサービスです。ADVANCEDは月額$19.80、ネクストエンジン連携用のデータフォーマット生成とお客様が配送希望日を指定できない条件の設定が細かくできます。

配送マネージャー

配送マネージャー

配送マネージャーはヤマト運輸、佐川急便、日本郵政の大手3社の出荷伝票をCSVで出力できます。これはかなり便利ですね。追跡番号も自動で更新されますし、配送日時指定も可能です。

最短/最長や休日設定も配送日時指定.amp同様、実現できます。

配送マネージャーの特徴

配送マネージャーの特徴は次のとおりです。

配送マネージャーの特徴一覧
  • 大手3社の配送伝票がCSV出力可能
  • CSV、追跡番号が無制限
  • 出力条件ルールや注文一覧のフィルターが作成できる
  • 配送日時指定ができる

ヤマト、佐川、日本郵政の大手3社の配送伝票がCSV出力できる。それぞれの会社のルールベースで設定できます。クール区別設定や送り状種別設定、代金引換金額などの出力条件ルールも作成できます。注文一覧のフィルターも作成できます。配送によって変更することができるのが素晴らしいです。

また、CSVだけでなく追跡番号の反映が無制限です。注文が多く入っても安心です。

配送日時指定.amp同様、配送日時の指定もできます。ユーザーインターフェースは少し悪いですが、料金とCSV出力無制限を考慮すると許容範囲です。時間帯の指定や休日カレンダーも設定することができます。

配送マネージャーの料金

配送マネージャーの料金は無料と有料プランがあります。

無料プランでは、CSV出力が1日に10件や追跡番号反映10件などの制約があるものの一度使ってみる価値はあります。一日の配送料が多くないけどCSV出力したい方におすすめです。

有料プランは月額$9.90で、トライアル期間が7日間あります。有料プランはすべての機能が利用可能になります。

配送日時指定.ampと配送マネージャーの違い

単純にデータの出力で考えるのであれば「配送マネージャー」が良いでしょう。アプリの使いやすさや配送日時指定を細かく設定する点で考えれば「配送日時指定.amp」が良いでしょう。

置き配やユーザーが使いやすい配送日時指定をできればカートの離脱率も下がるのでユーザーインターフェースは重要です。「配送マネージャー」は無料プランもあるので、試しても良いでしょう。

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まとめ

Shopify(ショッピファイ)の配送と配達の基本から、日時指定ができるおすすめのアプリを紹介しました。購入後、即日・翌日の出荷や早ければ当日・翌日に配達されるものも多く、コンビニや宅配ボックスなどさまざまな配送サービスがあります。

コロナで自宅の時間も増え、配送サービスの多様化が進んでいるので、どのアプリが最適なのかしっかり考えましょう。

Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ECサイトの運営ノウハウを共有することができます。配送や配達のカスタマイズやShopify構築などに関してお困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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