SKUコードの全てを解説!作成方法・JANコードとの違い

ECサイトで商品を販売する場合、「SKU」という用語を使用する機会はとても多いものです。またサイトのデザインによっては、ECサイトを制作するステップにおいてもSKUを知っておく必要があります。そこで今回は、ECサイトを運営する担当者が覚えておきたい「SKU」について解説します。

SKUとは

SKUとは、ストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略です。在庫管理上の最小の品目数を数える単位を表しています。

日常生活で使う言葉で言い換えると、「種類」とほとんど同じ意味・使い方であり、この種類のことを在庫管理においては「SKU」という言葉で表しています。

SKUの数え方・読み方

SKUは、アイテムをさらに細かく分類したいときに使います。

たとえば、アパレル製品で同じデザインのTシャツで色が「黒」「白」「黄」の3パターンある場合を考えます。そのTシャツは「3 SKU」と数えます。さらに、サイズが「S」「M」「L」の3つある場合、3色のカラーと合わせて合計9通りのパターンがあるため、この場合は「9 SKU」です。

また、「15 SKU」という表記になっていた場合、その商品は15通りの種類があるという読み方になります。

SKUのメリット

SKUを用いて管理するメリットは主に次の3点です。

メリット
  • 在庫管理がしやすい
  • 仕入れが容易になる
  • 売れ筋を把握しやすい

在庫管理がしやすい

SKUで全商品をデータ化することで、在庫管理がしやすくなることがメリットの一つです。

このSKUは、JANコードと共にメーカーや物流業社、卸売業者や小売業者など、すべての流通チャネルの共通言語です。そのため、SKUを使えば、どの流通段階においても、サイズやカラーなど、細かく商品の状況をチェックすることが可能です。

SKUに対応している在庫管理システムを導入することで、在庫が一定数を下回ると自動で検知したり、商品によって在庫の量をすぐ確認したりすることもできるようになります。

仕入れが容易になる

たとえば、「Tシャツ・白・S」のSKUを「tshirt-w-s」といったように設定すると、一目でどの商品かわかるため、仕入れ作業もやりやすくなります。

アイテムの種類が増えてくると、どうしても似たような商品も多くなります。SKUをわかりやすく付けておくことで区別が容易になり、仕入れ担当者のミス減少にもつながります。

売れ筋を把握しやすい

たとえば、設定するSKUにその商品を仕入れた日を組み込めば、在庫が少なくなるまでにどれだけの日数がかかったかを把握できます。逆に、あまり売れていない商品についてもすぐわかるため、発注のムダをなくすことにつながります。

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SKUのデメリット

SKUのデメリットは主に次の2点です。

デメリット
  • コストがかかる
  • 管理のノウハウを得るまでが難しい

 

コストがかかる

バーコードリーダーへの適用や、在庫管理ソフトの導入など、SKU導入には少なからずコストがかかります。そのため、出費を抑えたい事業所にとっては難しい部分もあります。

管理のノウハウを得るまでが難しい

実際にSKUを設定し現場で使うとなると、慣れるまで時間がかかるかもしれません。

SKUを設定した上での膨大なアイテム数の商品仕分けと陳列、販促施策のすべてをうまく回していくには、それなりの経験値が必要となります。しかし、SKU管理のノウハウが育ってくれば、全体の業務はSKU導入前よりも効率的になることは間違いありません。

SKUの設定方法

SKUを設定する際には、別の商品に対して同じ番号を振り分けないように注意してください。

また、商品の区別がつけられるよう、SKUの文字の左から何番目にどのような情報を入れるなどのルールを事前にしっかりと決めておくことが大切です。そうすることで、新商品入荷の際にもスムーズにSKUを設定することができます。

特に幅広いジャンルの商品を取り扱うファッション系のECサイトなら、ひと目でその商品のカテゴリを識別できるようにする必要があります。ワンピースやドレス、コートやジャケットなど、数字やアルファベットを使って区別できるようにしておきましょう。

なお、SKUを管理するには、Excel(エクセル)やGoogle スプレッドシートを使うのがおすすめです。細かく条件を設けてデータを抽出したり、商品の販売数・在庫数を集計したりできるため便利です。

SKUを設定する際の4つのポイント

続いて、SKUを設定する際のポイントについて解説しましょう。

ポイント
  • わかりやすいものにする
  • 「0」から始めない
  • 桁数を揃える
  • 数字だけにしない

 

わかりやすいものにする

SKUを適当につけてしまうと、効率的に商品管理を行うことができません。そのため、運営を行う側の誰が見てもわかりやすいような、SKUを設定する必要があります。

たとえば、アイテムの頭文字をアルファベットにして盛り込んだり、小さいサイズのものから順番に「1〜3」と数字を振り分けたり、パッと見ただけで商品を見分けられるようにすれば、管理業務がスムーズになります。

なお、システムの認識ミスを防ぐために日本語や記号を使わないようにし、ローマ字の大文字や小文字は統一するようにしましょう。

「0」から始めない

SKUに限らず、商品コードには数字とアルファベットが使われています。ひと目で商品の種類やカテゴリを見分けられるよう、事前に決めたルールに合わせて規則的に振り分けていくのが好ましいとされていますが、頭文字に「0」を使うのは避けましょう。

管理システムによっては頭文字の「0」を認識しないものがあるためです。設定を調整しておけば表示できるようにすることも可能ですが、ミス防止のためにもなるべく避けることをおすすめします。

桁数を揃える

管理にかかる工数を減らすためにも、SKUの桁数は揃えておくことをおすすめします。必須ではありませんが、桁数が揃っていれば、Excel(エクセル)やGoogle スプレッドシートなどを使って、販売データ・在庫データを修正する際に、たとえば「3行目だけの数値を参照して抽出する」ということができるためです。

桁数を揃える際には、短すぎると似たような商品にSKUを設定する際に違いを表すことが難しいですし、長すぎるとどのような商品か見分けるのに時間がかかってしまいます。そのため、ちょうど良い長さで揃えられるように調整しましょう。

数字だけにしない

エクセルを使ってデータの修正を行う場合は、数字だけのSKUは避けるべきです。Excel(エクセル)は表計算のためのツールなので、数字は「数」として認識します。

ここで関数を使って、データの抽出をしようとすると、正常に動作しない可能性があります。エクセルにSKUが「数字」ではないと認識させるためにも、一文字はアルファベットを使うように設定することをおすすめします。

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ECサイトでSKUはいつ使う?

ECサイトで販売する商品の種類が極端に少ない場合は、SKUを使う必要はないでしょう。しかし、将来的に商品数が増えるかもしれないことを考慮しておくことは大切です。

たとえば、Tシャツを販売するとき、その商品はSサイズの白色しか販売しないのであればSKUという単位を使う必要はありません。しかし、Sサイズの白色のTシャツの売り上げが好調な場合、売り上げを伸ばすためにも種類を増やすことが考えられます。

現段階でSKUを使う必要がなくても、将来的に最小単位で在庫管理する必要があるのであれば、ECサイトでSKUに対応できるように設定しておく方が効率的です。

SKUと他のコードの違い

続いては、SKUと「JANコード」「PLUコード」との違いをそれぞれ解説していきます。

JANコードとの違い

JANコード(Japanese Article Numberコードの略称)とは、『事業所』『商品』を13桁、または8桁の数字を表したもので、一般財団法人 流通システム開発センターが管理運用を行っているコードです。一般財団法人 流通システム開発センターによる解説は次のとおりです。

≪JANコードとは≫

JANコードは「どの事業者の、どの商品か」を表す、世界共通の商品識別番号です。

JANコードは、商品のブランドを持つ事業者が、当センターから貸与された「GS1事業者コード」を用いて、商品ごとに設定します。通常、バーコードスキャナで読み取れるように、JANシンボルというバーコードシンボルによって商品パッケージに表示されます。

JANコードとJANシンボルは世界共通の仕組みであり、多くの国で使用されています。

JANコードは日本国内での呼び方です(JANとはJapanese ジャパニーズ Article アーティクル Number ナンバーの略)。国際的にはEAN(European ヨーロピアン Article アーティクル Number ナンバー)コード、あるいは、GTIN ジーティン-13、GTIN-8と呼ばれます。

JANコードは世界共通で使用できるコードであり、自社内で管理を行うために自由に設定できるSKUとは大きく異なります。太さが異なる白と黒の線が特徴的で、みなさんも一度は目にしたことがある『バーコード』がイメージに近いです。なお、このバーコードに価格の情報は含まれません。

PLUコードとの違い

PLUコードは、「Price Look Up コード」の略です。先ほど解説したように、JANコードには価格の情報を含んでいないのに対し、価格情報と紐づけられたバーコードのことをPLUコードと呼びます。店舗ごとで価格を管理するためのコードなので、詳細に読み取りを行うには店舗のデータベースにアクセスしなければなりません。

ただし、中には価格情報とデータベース上で紐づけられているのではなく、バーコードそのものの中に価格の情報を含んでいるものがあります。この種類のバーコードは「Non PLUコード」と呼びます。

このように、PLUコードはあくまで価格を管理するためのコードなので、在庫管理を目的に設定されるSKUとは役割が異なります。

Shopify(ショッピファイ)でのSKUフォーマット

Shopify(ショッピファイ)はデフォルトで「SKUフォーマット」という機能が搭載されており、これを使ってSKUコードを作ることができます。

SKUフォーマットの機能性

SKUフォーマットでは、文字と長さから自由にSKUを編集することができます。

  • 文字:数字と文字の組み合わせ
  • 長さ:16文字以内(4~8文字も可能)

文字列は数字と文字から好きな組み合わせを作ることができます。文字数は基本的に16文字以内ですが、商品によっては4~8文字の短いフォーマットも可能です。

Shopifyでの設定例

アパレル販売で「####(ブランド)-###(スタイル)-###(サイズ)」という10桁のフォーマットを使うとします。商品が「ブランド=1234」・「スタイル=567」・「サイズ=25×37」というSKUにした場合、「SKU 1234-567-2537」となります。

Shopifyでの設定例

売上レポートの管理

Shopifyは「商品バリエーションSKU売上レポート」という機能があり、これを使うとSKU別から売上を管理することができます。

商品名 商品の名前
バリエーション名 バリエーションの名前
バリエーションSKU SKUコード
正味数量 販売数-返品数の数量

Shopifyにはさまざまな販売レポートがありますが、その一つとしてSKU売上レポートがあります。販売レポートは経営を見直す際に必要な情報です。SKU売上レポートも上手に活用していきましょう。

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SKUの実例

実際の現場では、SKUはどのように使われているのでしょうか?ここからは商品ごとに使用例を見ていきながら、SKUの実例を見ていきましょう。

Tシャツの場合

まずは、Tシャツを項目ごとに分けて細分化していきます。ここでいう項目とは、ブランドや色、サイズなどです。

たとえば、ブランド名を『A』として、色を『W(白)』、サイズを『M(Mサイズ)』としたTシャツを5枚とします。そうなると、SKUは『SKU 5AWM』となります。

細かくSKUを設定することで、どのカラーのTシャツが多く売れたか、残り少ないか把握でき、その都度発注をかければ販売機会の損失を防ぐことも可能です。この他にも『中身の量』『販売を行う単位(セット)』などでも、SKUを設定する場合もあります。

お菓子の場合

お菓子を1つずつバラで販売するお店では、1個を『1SKU』と管理します。この『1SKU』は最小の単位です。

お菓子を10個=1セットで販売するお店の場合は10個セットを『1SKU』と表記する方がわかりやすいかもしれません。20個=1セットで販売している場合は20個セットで『1SKU』と表記するお店もあるでしょう。

以上のように、SKUはそのお店が管理しやすいよう独自に設定されるものなので、お店によってかなり差があります。それぞれのお店ごとに管理しやすいSKUを設定するようにしましょう。

まとめ

ECサイトを運用していく上で、SKUはしっかりと理解しておきたい項目です。ぜひご自身のショップで設定してみてください。

なお、Shopifyではショップを立ち上げるだけでは売上を上げることはできず、集客・販売・リピーターの増加対策といったマーケティングを行わなければなりません。

集客力を高めるには、SEO対策やSNS運用、SNS広告、メールマーケティングなど行うべきことがたくさんあります。効果的なマーケティングを行うには、こういった施策に関する高い専門知識が必要になり、闇雲に対策しても成果を出すことはできません。

Shopifyのショップ運営を成功させたい方や、ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションを行いたいとお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。Shopify Guideはメディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ノウハウを共有することができます。

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