
Shopifyの会員登録の設定でお困りでしょうか?会員登録は顧客のデータを集められたり、リピート率を高められたりと多くのメリットがあります。基本機能でも実装できますが、アプリを利用することで顧客体験を大幅に向上可能です。
今回は、会員登録の設定方法とおすすめのアプリを紹介します。
Contents
Shopifyの会員登録とは
Shopifyの会員登録機能とは、ECサイトを利用するユーザーがアカウントを作成し、会員専用のサービスや特典を受けられる仕組みです。この機能により、ユーザーは氏名や住所、メールアドレスなどの基本情報を登録し、ログインすることで注文や購入履歴を簡単に確認できるようになります。
会員登録によって顧客はより効率的にサービスを利用でき、ECサイト側も顧客情報を基により適した商品や情報を提供するための環境が整います。
Shopifyの会員登録機能を導入するメリット
Shopifyの会員登録機能を導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?主なメリットは次のとおりです。
- パーソナライズされたマーケティングができる
- リピーターを獲得できる
- 顧客管理を効率化できる
パーソナライズされたマーケティングができる
顧客が会員登録することで、パーソナライズされたマーケティングが可能になることがメリットの一つです。
購入履歴や閲覧履歴、過去の問い合わせ内容を基に、顧客一人ひとりの趣向に合った情報を発信できるため、関心を引く効果的なアプローチができます。顧客の好みに応じたセール情報やクーポンの配布も可能で、これにより購買意欲を促進できます。
データに基づくマーケティングは、幅広い顧客に一律で情報を届ける従来型のアプローチとは異なり、個別のニーズに応じた提案ができるため、効率的に高い反応率が得られることが大きな利点です。
リピーターを獲得できる
会員登録を通じて、既存顧客に対し特別なサービスや特典を提供でき、リピート率を高めることが可能です。
たとえば、ポイント制度や会員限定の割引、早期アクセスなどの特典を用意することで、顧客が再びサイトを訪れるきっかけが生まれます。
さらに、リピーターが定着すれば長期的な顧客の構築につながり、ブランドロイヤリティを高められます。
顧客管理を効率化できる
顧客がアカウントを作成することで、氏名や連絡先、購入履歴などの情報を一元的に管理できるため、顧客サポートが円滑になります。会員の購入履歴や注文状況を確認することで、問い合わせ対応が迅速になり、サポート品質の向上にもつながります。
これにより、顧客の満足度が向上し、信頼性も高まります。
Shopifyの会員登録を導入する方法
Shopifyの会員登録を導入する方法は次のとおりです。それぞれをわかりやすく解説します。
- 基本機能を利用する
- カスタマイズする
- アプリを利用する
基本機能を利用する
Shopifyには標準で会員登録機能が備わっており、管理画面から簡単に設定可能です。
管理画面の「設定」→「お客様アカウント」に進み、「ログインリンクを表示する」オプションにチェックを入れると、オンラインストアのヘッダーにログインリンクが表示され、顧客がアカウントを作成できるようになります。
カスタマイズする
自社のブランドや顧客ニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。カスタマイズは、Shopifyの「テーマ」内の「コードを編集する」オプションを利用し、会員登録フォームのコードを編集します。
カスタマイズすることでより細かな調整が可能ですが、プログラミングの専門的な知識が必須です。特に会員登録は個人情報を扱うため、セキュリティ管理に最善の注意を払う必要があります。
アプリを利用する
より柔軟で多機能な会員登録機能が必要な場合には、Shopifyアプリストアで提供されている専用アプリの導入がおすすめです。
アプリを利用することで、コード入力不要で簡単に会員登録機能を利用できます。アプリを活用すれば、Shopifyの標準機能にはない機能を顧客に提供可能です。
Shopifyの会員登録アプリおすすめ5選
おすすめの会員登録アプリは次のとおりです。機能やコストなどを詳しく解説します。
- Customer Fields
- Bold Memberships
- Advanced Registration
- Simplee Memberships & Rewards
- Conjured Memberships
Customer Fields
「Customer Fields」は、Shopifyの会員登録機能を柔軟にカスタマイズできるアプリです。特に顧客情報を詳細に収集したいストアに適しています。
このアプリを導入することで、誕生日や納税者番号、会社名、業種などのカスタムフィールドを自由に追加でき、会員登録フォームをビジネスニーズに合わせて設定可能です。B2Bサイトや卸売業者向けの特定情報が必要な会員制サイト構築にも役立ちます。
さらに、「Customer Fields」には顧客の自動タグ付け機能があり、特定の条件に応じたタグ付けにより、後のマーケティングやキャンペーンの対象セグメント設定を容易にします。また、登録時のメール認証機能やアカウント承認機能を備えており、不正登録やスパムの防止にも対応可能です。
月額12ドルのLite、26ドルのPro、60ドルのAdvancedの3つのプランがあります。14日間の無料体験も提供されています。なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Bold Memberships
「Bold Memberships」は、Shopifyストアに有料会員制度を導入できるアプリです。このアプリを利用することで、月額制や一回限りのサブスクリプションなど、多様な会員プランを設定できます。さらに、商品や価格、ブログ記事などのコンテンツを表示・非表示にできます。
料金プランは会員数に応じて設定されており、50人までの会員数であれば月額9.99ドルから利用できます。14日間の無料トライアルも提供されています。なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Advanced Registration
「Advanced Registration」は、Shopifyストアの会員登録機能を高度にカスタマイズできるアプリです。このアプリを利用することで、一般的な会員登録フォームに加え、ビジネスIDや納税者番号、ライセンス番号といった業界や用途に応じた項目を追加し、必要な情報を収集できます。
また、顧客登録を承認制にできるため、管理者が許可したユーザーのみがストアにアクセスできるように制限する機能も備わっています。この機能は特定のユーザー層向けの商品やサービスを提供したい企業にとって特に有効です。
料金は月額12.95ドルですが、7日間の無料トライアルが提供されているため、導入前に試すことができます。なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Simplee Memberships & Rewards
「Simplee Memberships & Rewards」は、Shopifyストアに会員制度やリワードプログラムを導入し、顧客のロイヤルティ向上を図るためのアプリです。
このアプリを使えば、顧客に対して定期的な会員料金を設定することで、月額・年額などのサブスクリプションモデルを構築できます。また、会員限定の割引や無料配送のほか、特定の商品やコンテンツへのアクセス制限といった特典を組み込むことで、一般顧客との差別化を図ることが可能です。
簡単に設定できるインターフェースと柔軟なカスタマイズ性もあり、スムーズに会員プログラムを導入したい店舗に適したアプリです。会員30人までは無料で使うことができます。有料プランには月額19.99ドルのスターターと39.99ドルの成長プランが用意されています。なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Conjured Memberships
「Conjured Memberships」は、Shopifyストアに特化した会員制プログラムを簡単に導入できるアプリで、特典を提供することで顧客ロイヤルティの向上を図ります。
このアプリでは、会員専用の割引や無料配送、限定商品やコンテンツへのアクセスといった特典を柔軟に設定できるため、一般の顧客と差別化したサービスを提供可能です。たとえば、サブスクリプション形式の会員制度を構築することで、定期的な収益を確保する一方で、会員限定の特典やイベントを設定し、顧客のエンゲージメントを高められます。
また、直感的なインターフェースを備えており、ストアオーナーにとっても扱いやすく、カスタマイズ可能な設定が多彩です。高トラフィックに対応できる設計のため、訪問数が多いサイトでも安定した会員サービスの運用が可能です。
Shopifyパートナー開発ストアとShopify Plus開発ストアは無料で使用でき、テストと開発のためのすべての機能へアクセスできます。有料プランには月額9.99ドルの限定スペシャルや19ドルのスターター、69ドルの成長プランが用意されています。有料プランには30日間の無料体験がありますので、導入前にお試し可能です。なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Shopifyの会員登録機能を導入する際の注意点
Shopifyの会員登録機能を導入する際は、注意すべき点があります。ここでは、主な注意点について解説します。
- 初期設定と維持管理に手間がかかる
- 顧客の登録に負担がかかる
- データ管理における責任が発生する
初期設定と維持管理に手間がかかる
会員登録機能の導入には、最初に設定作業が必要です。具体的には、会員が登録時に入力する項目の選定や、アカウントページ・会員専用ページのカスタマイズ、通知メールや確認メールの設定などがあります。
加えて、デザインやインターフェースが顧客にとって使いやすいかも検討が必要で、これにはデザインやユーザビリティの調整も求められます。
さらに、導入後も機能の追加や改善、顧客サポートのためのメンテナンスが継続的に必要です。また、運営に合わせた変更や、顧客ニーズの変化に応じた会員機能の調整なども随時行う必要があるため、運用コストが発生してしまうことがデメリットです。
顧客の登録に負担がかかる
登録には個人情報の入力や、パスワードの設定、場合によってはメール認証の手続きが求められます。特に初めて利用する顧客には、これらの手続きが面倒に感じられ、購入意欲を削ぐ要因になる可能性があるのもデメリットです。
加えて、登録情報の入力ミスやパスワードの記憶に関する不便さもあるため、サイト運営者にとっても顧客サポートの必要が高まる点も考慮すべきでしょう。
データ管理における責任が発生する
会員登録により収集される個人情報の管理には、適切な保管とセキュリティ対策が必要であり、運営者にとって大きな責任が伴います。
個人情報を安全に管理するためには、データが漏洩しないようなサーバーの保護や暗号化の仕組み、アクセス制限の設定をすることが重要です。さらに、個人情報保護法やGDPRなどの規制に準拠した管理体制の構築も必要であり、万が一のデータ漏洩が発生した場合には法的リスクや信頼失墜のリスクが生じます。
こうしたセキュリティ対策やデータ管理には、リソースの確保と専門知識が求められ、ストア運営者にとって大きな負担となることも少なくありません。
Shopifyの会員登録アプリに関するQ&A
最後に、Shopifyの会員登録アプリに関するよくある質問とその回答を紹介します。
会員登録ページに生年月日フォームを設置できる?
会員登録ページに生年月日フィールドを追加するには、「Customer Fields」や「Advanced Registration」などのカスタマイズアプリが適しています。これらのアプリは、Shopifyのデフォルトでは提供されていないフィールドを柔軟に追加でき、特に顧客の誕生日データをマーケティングやキャンペーンに活用したい場合に便利です。
また、生年月日データは誕生日クーポンの提供など、顧客ロイヤルティの向上にも活用できます。
会員登録画面に住所登録欄は追加できる?
住所登録欄も「Customer Fields」や「Advanced Registration」などを利用して追加可能です。
住所データの取得は、配送や地域特化のプロモーションに役立ちます。顧客情報のカスタマイズ項目を自由に設定できるため、店舗のビジネスに応じたフォームを作成しましょう。
カスタマイズされた情報収集により、顧客の所在地に基づく特別なオファーや地域別のプロモーション展開が可能です。
会員登録時にメール認証を実装できる?
メール認証は「Advanced Registration」などのアプリを使用すると実装できます。これにより、顧客が登録時に正しいメールアドレスを入力しているかを確認可能です。
メール認証は特に不正登録やスパムの防止に役立ちます。登録完了後の顧客アクティベーションにもつながるため、正確な顧客データの管理が可能です。
会員登録時の入力項目はカスタマイズできる?
どのアプリでも入力項目のカスタマイズは可能です。ドロップダウンやチェックボックス、テキストフィールドなど、多様なフィールドを組み合わせて、必要な情報を効率よく収集するフォームを設計できます。
カスタマイズ項目により、会員情報をきめ細かく収集できるので、マーケティングや個別対応において重要な情報を集めやすくなるでしょう。
会員登録時にメールにクーポンコードを送信できる?
Shopifyで会員登録時にクーポンコードを自動的に送信する方法として、Shopifyの標準機能を利用する方法と、メールマーケティングアプリを利用する方法があります。
Shopifyの標準機能を利用する方法では、管理画面の「ディスカウント」セクションで新しいクーポンコードを作成し、その内容や有効期限、使用条件を設定します。
次に、クーポンコードを会員登録完了後のメールに挿入するために、管理画面から「設定」→「通知」→「お客様アカウントへの挨拶」に進み、メールテンプレートに先ほど作成したクーポンコードを追加します。これにより、顧客が会員登録を完了すると、クーポンコード付きのメールが自動で送信されるため、簡単に特典を配布できます。
よりパーソナライズされた体験を提供したい場合や、細かな顧客管理をしたい場合には、メールマーケティングアプリの利用も効果的です。
カスタマイズ性が高い会員登録アプリは?
上記で紹介した「Customer Fields」や「Advanced Registration」はカスタマイズ性が高く、会員登録フォームの設計や顧客情報の収集方法に対して柔軟な設定が可能です。
ブランドのイメージに合わせて入力フォームのデザインを変更したり、入力項目を増減したりできるため、ECサイトの運営方針や顧客層に合わせたフォーム作成ができます。こうしたカスタマイズ機能により、情報収集だけでなく、より一貫したブランド体験を提供することも可能です。
まとめ
Shopifyの会員登録アプリを活用することで、顧客に特化したサービス提供や、個々のニーズに応じたパーソナライズされたマーケティングが実現し、リピーター獲得や売り上げ向上につなげることができます。しかし、より高度なカスタマイズを実施するにはプログラミングの知識が求められます。
Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ていますので、Shopifyでの運営ノウハウを共有したり、コンサルティングを行ったりすることができます。Shopifyの会員登録の開発に限らず、Shopify運営でお悩みやご不安な点がある方は、下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。