
Shopifyを運営していると、売り上げの可視化やデータ管理の手間に悩むことが多いのではないでしょうか?標準機能でも最低限の売上管理は可能ですが、より効率的に売り上げや在庫のデータを把握するには、専用の売上管理アプリの導入が効果的です。
今回は、Shopifyの売上管理アプリの選び方や、おすすめのアプリ、導入時の注意点をわかりやすく解説します。売上管理の手間を減らし、業務の効率化を目指す方は、ぜひ最後までごらんください。
Contents
Shopifyで売上管理を行う重要性
Shopifyで売上管理を行う重要性は次のとおりです。それぞれを詳しく解説します。
- 在庫切れや過剰在庫を回避できる
- 利益率の可視化できる
- 会計処理や税務申告に必要となる
在庫切れや過剰在庫を回避できる
在庫切れは、ECサイトの販売機会の損失につながる大きなリスクです。特に人気商品の在庫がなくなると、顧客の購買意欲を損ね、売り上げの減少を招きます。そのため、売上管理を行い、在庫の減少を把握することで販売機会の損失を防ぐことが重要です。
一方、過剰在庫は倉庫の保管コストを増加させ、資金の無駄にしてしまいます。そのため、売上管理を通じて、販売予測に基づいた適切な仕入れスケジュールを策定することで、余分な在庫の発注を防ぐことも重要です。
利益率の可視化できる
利益率の可視化は、収益性を高めるために欠かせないポイントです。販売価格や原価、広告費を集計して粗利益や純利益を把握すると、販売価格の見直しや原価の削減といった改善施策を行えます。
また、売れ筋商品のランキングや販売キャンペーンの効果測定が行えるため、利益率が高い商品の販売を強化する戦略が立てやすいです。
会計処理や税務申告に必要となる
会計処理や税務申告を効率化するためには、売上管理の徹底が不可欠です。売り上げデータを正確に把握し、取引内容を漏れなく記録することで、仕訳の作成がスムーズになり、経理作業の負担を大幅に軽減できます。
さらに、消費税の計算や税務申告に必要なデータが的確にそろうため、確定申告や年次決算の準備がスピーディーに行えます。
Shopifyで売上管理アプリを使用するメリット
Shopifyで売上管理アプリを使うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?主なメリットは次のとおりです。
- リアルタイムで売上管理できる
- 業務・ヒューマンエラーを減らせる
リアルタイムで売上管理できる
売上管理アプリを導入すると、売り上げが発生した際にデータが即時に自動集計され、日次・週次・月次の売り上げレポートがすぐに作成されます。リアルタイムでの情報把握は、業務の効率化だけでなく、販売機会の最大化や経営判断の迅速化が実現し、事業の成長を支える重要な仕組みです。
たとえば、販売キャンペーンの効果をすぐに把握できるため、効果の低い施策の見直しや、売り上げが好調な商品への広告投資の強化ができます。これにより、売り上げの最大化を図る施策が即時に実行でき、タイミングを逃さず売り上げチャンスをつかめることが大きなメリットです。
業務・ヒューマンエラーを減らせる
売上管理アプリを導入するメリットの一つは、業務を省力化できることです。
まず、売り上げデータの集計や在庫の手動更新、会計ソフトへの仕訳入力といった重複業務が自動化され、作業効率が大幅に向上します。次に、タスクを一元管理できるようになり、複数のツールを使い分ける手間が省けます。その結果業務フローが統一され、作業スピードの向上が期待されることも利点です。
正確な会計処理が可能になる点も大きな利点です。アプリを導入することで手入力が不要となり、計算ミスや重複登録のリスクを軽減できます。これらの取り組みにより、業務の効率化とコストの最適化が実現すること間違いなしです。
Shopifyで売上管理アプリを導入する方法
Shopifyで売上管理アプリを導入する方法は次のとおりです。
- 標準機能を使用する
- カスタマイズする
- アプリを活用する
標準機能を使用する
Shopifyにはストア分析機能が標準搭載されており、売り上げデータの可視化やCSVファイルのエクスポートができます。追加コストがかからず、手軽に日次・週次・月次の売り上げデータを確認できることが特徴です。
売り上げレポートの表示手順は次のとおりです。
- Shopify管理画面にログインする
- 「ストア分析」メニューに移動し「レポート」をクリックする
- 「カテゴリー」をクリックして、売り上げに関連するレポートを選択する
- 「売上」を選ぶと、日次、週次、月次の販売レポートが表示される
必要に応じて、売り上げデータをCSV形式でダウンロードし、GoogleスプレッドシートやExcelに貼り付けて、さらに詳細な分析やレポート作成に活用できます。
カスタマイズする
HTML/CSSやLiquidコードをカスタマイズして売上管理機能を導入する方法もあります。
コードを利用してのカスタマイズは、自由度が高く、独自のデザインや動きを実装できる反面、プログラミングの知識が求められます。また、不具合が発生しやすいといったデメリットもあるため、注意が必要です。
アプリを活用する
最も手軽かつ柔軟な方法が、Shopifyのアプリを活用する方法です。売上管理専用のアプリをShopify App Storeからインストールするだけで、簡単に売り上げを管理できます。
手間をかけずに売上管理機能を利用したい方におすすめです。
Shopifyのおすすめ売上管理アプリ3選
おすすめShopifyで売上管理アプリは次のとおりです。それぞれの機能をわかりやすく解説します。
- Better Reports
- Data Export
- Xero Bridge
Better Reports
「Better Reports」は、Shopifyの売り上げや在庫、顧客データを詳細に分析できる高度なカスタムレポート機能を提供するアプリです。
デフォルトのレポートに加え、カスタムフィールドや独自の計算式を使ったオリジナルレポートの作成が可能で、売り上げや利益率、広告の費用対効果(ROAS)などを多角的に可視化できることが特徴です。また、自動レポート配信機能を備えており、指定したタイミングでチームに売り上げレポートをメールで共有できるため、定例会議の準備が不要になります。PDF、CSV、Googleスプレッドシートへのエクスポートに対応しており、バックアップや社内資料の作成もスムーズです。
Better Reportsは月額料金が発生しますが、機能の豊富さと自動化のメリットを考えればコストパフォーマンスが高いといえます。月額プランは4つあり、Basic Shopify(月額19.90ドル)やShopify(月額39.90ドル)、Advanced Shopify(月額149.90ドル)、Shopify Plus(月額299.90ドル)から選択可能です。全ての有料プランに14日間の無料体験が付帯しています。
なお、このアプリは日本語には翻訳されていません。
Data Export
「Data Export」は、Shopifyストアの売り上げや在庫、顧客などのデータをCSVやExcel形式でエクスポートし、外部ツールでの詳細な分析を可能にするアプリです。
多様なプリセットレポートが用意されており、売り上げや税金、在庫、POS、支払い、注文、顧客、返金などのデータを簡単に取得できます。また、レポートビルダーを使用して、リアルタイムのプレビューやカスタムフィールドの追加や、週次・月次・四半期ごとの集計など、柔軟なレポート作成が可能です。
スケジューラー機能により、レポートをメールやFTP、Google SheetsやGoogle Driveに自動送信でき、ファイル形式はExcel、CSV、PDFに対応しています。さらに、専門家による無料サポートも提供されており、データ管理や分析の効率化に役立ちます。
無料プランが利用可能です。有料プランはBasic Shopify(月額7ドル)とShopify(月額12ドル)、Advanced Shopify(月額25ドル)の3プランから選択可能です。全ての有料プランに15日間の無料体験が付帯しています。
なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Xero Bridge
Xero Bridgeは、Shopifyの売り上げデータを会計ソフト「Xero」に自動同期させるアプリで、経理業務の効率化と負担軽減を実現します。同期方法は、「個別注文の同期」と「日次のまとめ同期」の2つから選択可能です。
個別注文の同期では、顧客情報は商品、税金、取引の詳細が注文ごとにXeroへ自動同期され、取引ごとの正確な仕訳ができます。一方、日次のまとめ同期では、1日の売り上げを1つの請求書としてXeroに登録するため、仕訳作業が簡単です。
料金プランは有料プランのみです。Silver(月額10ドル)やGold(月額20ドル)、Platinum(月額30ドル)の有料プランがあり、全てに7日間の無料体験が付帯しています。
なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。
Shopify売上管理アプリの導入手順
Shopifyの売上管理アプリを導入する方法は、次のとおりです。
- Shopify App Storeにアクセスする
- アプリをインストールする
Shopify App Storeにアクセスする
Shopifyで売上管理アプリを導入するには、「Shopify App Store」にアクセスすることから始めます。Shopify App Storeとは、ポップアップをはじめ、さまざまな機能を追加するアプリがそろっている、Shopifyが公式に提供するアプリマーケットプレイスです。
まずShopifyの管理画面にログインし、Shopify管理画面の左側のメニューから「アプリ」を選択します。「Shopify App Storeにアクセス」というボタンが表示されるので、これをクリックします。
クリックすると、Shopify App Storeのページが開き、アプリの検索が可能です。検索バーに「売上管理」と入力して、検索を実行し、表示されたアプリ一覧から、ニーズに合った売上管理アプリを選択します。
アプリをインストールする
Shopifyのアプリ一覧から、ダウンロードしたい売上管理アプリを選びます。選択後、アプリの詳細ページにある「アプリを追加する(Add app)」ボタンをクリックしてください。
ボタンをクリックすると、Shopifyの管理画面にリダイレクトされ、「インストールの確認」画面が表示されます。ここでは、アプリが要求するアクセス権限(顧客情報、注文情報、ストアデータなど)を確認可能です。その後、「アプリをインストール」をクリックすれば、アプリがストアに追加されます。
Shopify売上管理アプリを使用するときの注意点
Shopify売上管理アプリを使用する際は注意すべき点があります。主な留意すべき点は次のとおりです。
- アプリの料金体系を確認する
- 必要な機能を把握する
- セキュリティとプライバシーの保護を徹底する
アプリの料金体系を確認する
Shopifyの売上管理アプリは、月額費用が発生するサブスクリプション型が多いため、事前の費用確認が重要です。
まず無料トライアルがあるかを確認し、導入前のお試し利用を推奨します。必要な機能に絞り込み、無駄なコストがかからないかを精査することも大切です。オプション機能や追加機能の費用も考慮し、全体的なコストを把握するようにしましょう。
さらに、年次契約の割引プランがある場合は、月額契約よりもコストを削減できる可能性があるので導入の際は確認してみてください。
必要な機能を把握する
Shopifyの売上管理アプリには、売り上げの可視化や在庫連動、広告費の追跡、会計連携、POSの統合など、さまざまな機能が搭載されていますが、すべての機能が必要になるわけではありません。不要な機能を導入すると、余計なコストがかかる可能性があるため、慎重に選定することが大切です。
注意点として、まず自社の課題や目的を明確化し、必要な機能を絞り込むことが重要です。シンプルな売り上げレポートで十分な場合は、Shopifyの標準機能や無料のアプリでも代用可能なケースがあります。
導入前にデモや動画で機能の操作感を確認することで、不要な機能が含まれていないかをチェックできるので、無料期間があるアプリの利用がおすすめです。
セキュリティとプライバシーの保護を徹底する
Shopifyの売上管理アプリでは、売り上げデータに顧客情報や注文データが連携されることもあるため、セキュリティとプライバシー保護が重要な課題です。
利用するときにはアプリのプライバシーポリシーやデータの取り扱い方針を確認し、アプリがどの範囲までデータにアクセスできるかをチェックする必要があります。
アプリのセキュリティやデータ暗号化の仕組みがしっかりしているか確認し、定期的なセキュリティ監査を実施しましょう。
まとめ
Shopifyの売上管理アプリは、売り上げの可視化や在庫の最適化などEC事業の効率化に欠かせないツールです。
導入にあたっては、自社の業務課題を明確化し、必要な機能に合ったアプリを選択することが大切です。コストや機能、セキュリティの観点からも慎重に選定しましょう。しかし、さらに高度な売上管理機能を実装するには、プログラミングの専門知識が求められます。
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