Shopifyでオンラインショップを運営する際、商品の配送は重要なプロセスですが、その管理には多くの時間と手間がかかります。配送の遅延やトラブルは顧客満足度に大きく影響するため、効率的に管理することが求められます。
そんなときに役立つのが、配送管理をサポートする便利なアプリです。今回は、Shopifyの配送業務を効率化し、出荷や追跡をスムーズに行うためのおすすめ配送アプリを9つ紹介します。
Contents
Shopifyでの受注後の流れ
Shopifyのショップに限らず、オンラインショップを運営する際、受注後の商品配送は迅速かつ正確に行わなければなりません。顧客に対してスムーズでストレスのない購買体験を提供することは、リピーターを増やすためにも非常に重要です。
配送の方法は、大きくわけて「自社から配送」と「物流会社に依頼して配送」の2通りあります。それぞれメリット・デメリットはありますが、扱っている商品や取り扱い件数などによってどちらの方法が良いか異なります。自社にあった配送方法を選びましょう。
また、「自社から配送」と「物流会社に依頼して配送」のどちらの方法であっても、Shopifyは大変便利な機能を有する配送に関するアプリがあります。これらのアプリを利用することにより、配送に関する手間を大幅に省き、迅速かつ確実に顧客に商品を届けることが可能になります。
自社から配送する
自社から配送は、自社の倉庫や事務所から直接お客様に発送する方法です。自社のスタッフで商品を梱包し配送業者の送り状を作成してお客様へ発送します。
手間はかかりますが、コストを抑えて確実にお客様に商品を発送することができます。そのため、ショップを立ち上げたばかりだったり、スモールビジネス、専門のスタッフでないと取り扱いが難しいデリケートな商品や生鮮食品等を扱っていたりする場合に適しているでしょう。
また、自社からの配送では配送業者との直接のやり取りが可能であり、特別な顧客対応も柔軟に行うことができます。たとえば、商品以外に顧客にその時々の特別プレゼントを同梱したり、手書きのメッセージを入れたりなど個別に対応が可能です。顧客に対するパーソナライズされたサービスが実現可能となる配送方法です。
物流会社に依頼して配送する
まず、配送会社と物流会社の違いを解説します。配送会社は、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便など、各お届け先に荷物を届けてくれる会社です。物流会社は、大きな倉庫等を持ち、注文が入ったら商品の梱包を行い各配送会社に発送業務を行ってくれる会社です。
物流会社に依頼して配送する方法は、物流会社と契約をして物流会社の倉庫に商品を保管し、注文が入ったらそこから発送作業を自社に代わって代行で行ってもらう方法です。初期段階で物流会社との契約や物流システムの連携でそれなりに手間はかかります。ただし、一度契約・設定してしまえば、商品保管の場所を自社で確保する必要がなく、発送作業を丸投げできるため、手間がかからず大変楽な方法です。
受注データも物流システムで連携されているため、タイムラグなく発送が可能となり、ユーザビリティも向上させることができます。それなりにコストがかかりますが、発送料金に関しては契約している物流会社が配送業者との間で取り決めしている法人割引が適用されるので、自社で発送する場合よりかなり安価に発送することが可能な場合がほとんどです。
自社から配送する場合の作業
商品を自社から発送する場合には、配送会社の送り状を用意し配送会社への発送作業を行わなければなりません。この場合には一般的に宅急便などを送るように手書きで送状を準備する方法と、アプリを利用して送り状を効率的に作成し発送する方法とに分かれます。
手書きで配送伝票を準備する
手書きで配送伝票を準備する方法は、一番シンプルな配送方法です。発送する配送会社の送り状に手書きで宛名を記入し発送します。
発送件数が少ない場合には対応可能ですが、受注の件数が増えてくると大変時間も労力もかかり、記入ミス等のリスクもあります。
Shopifyの配送アプリを利用して配送伝票を準備する
Shopifyの配送アプリを利用して配送伝票を準備する方法は、Shopifyでショップを運営している場合、ぜひ活用したい大変便利な方法です。
送り状を作成するためのCSVファイルをヤマト運輸・佐川急便・日本郵便などの各配送会社に対応したCSVファイルをエクスポートするだけのアプリもあれば、送り状作成まで可能なアプリもあります。また、出荷管理の連携機能や、国内配送会社だけでなく国際発送の送り状対応の機能があるなど、実にさまざまです。
もちろん、月額利用料等も異なるため、扱っている商品の特性にあった配送方法が可能かどうか、お届けする地域に対応した送り状の発行が可能かどうか、またショップの将来など長期的なビジョンを踏まえてアプリを選定することが重要です。
配送伝票を作成する場合におすすめのShopifyアプリ
配送伝票の作成は、ECサイト運営において重要な作業ですが、手作業では時間がかかりミスが発生する場合もあります。Shopifyの専用アプリを活用すれば、配送ラベルの自動生成や追跡番号の管理が簡単にでき、業務効率を大幅に改善できます。ここでは、配送伝票を効率的に作成できるShopifyアプリのおすすめを紹介します。
- プラスシッピング
- Ship&co 国内外の送り状発行システム
- 配送日時指定 .amp
- All in gift
プラスシッピング
画像引用元:Shopify app store
プラスシッピングは、Shopifyのホーム画面にも表示されるShopifyイチオシの配送管理アプリで、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便に対応しています。最短3クリックで送り状を発行でき、配送日指定も可能です。ヤマト運輸クール宅急便にも対応可能です。
2023年11月12日までは月額基本利用料がかかっていましたが、現在は無料になりました(※将来的には送り状発行1件ごとの従量課金制に移行予定)。
特筆すべきことは、通常自社からの発送の場合配送会社の送料は基本料金のことがほとんどですが、プラスシッピングを利用すると、配送料金が法人割引料金で利用できることです。これは、オンラインショップを運営する上で大変なコスト削減となります。自社発送を行っているショップは、ぜひ取り入れたいサービスです。配送料金は、無料インストール及び申込後にサイドメニューのアカウントより、発送元(都道府県)毎の料金表が参照可能になります。
サポート体制も万全で、メールだけではなくZoomで相談も可能です。そのため、新しくアプリを導入する際にも安心で、自社発送のショップにはおすすめのアプリです。
Ship&co 国内外の送り状発行システム
画像引用元:Shopify app store
Ship&coは、ECに関わる皆様の国内発送・海外発送業務を効率化かつ自動化する、日本初のクラウドベース出荷管理システムです。ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便など国内大手の配送会社だけでなく、UPSやFedEx・DHLなど海外発送の送り状発行に対応しています。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、国際郵便に関しては、一度に最大50件の送り状を一括発行可能です。海外発送に関しては、概算送料を一目で比較することも可能です。
また、ShopifyのカートシステムだけでなくAmazonやeBay・Yahoo!ショッピング・BASEその他多数のカートシステムに対応しているため、他のカートシステムと並行してショップを運営している場合にも配送の一元管理が可能です。Shopifyのアプリをインストールすること自体は無料ですが、送り状を発行するにあたり従量課金されるため、自社にあったプランを選択する必要があります。
配送日時指定 .amp
画像引用元:Shopify app store
配送日時指定 .ampは、日本の配送会社に合わせた配送日時の指定を受け付け、商品を購入したユーザーの予定に合わせた配達を可能にすることで、再配達にかかる煩わしさを軽減するShopifyストア専用のアプリです。送り状を直接作成することはできませんが、CSV形式でエクスポートすることが可能です。
商品別の設定機能や都道府県別の配送日時指定も備え、商品ごとに+2日+3日など追加でかかる日数を細かく設定可能です。ユーザー側でもエリアごとに最短お届け日を確認が可能なので親切です。
アプリの設定画面も見やすくシンプルで分かりやすいですが、ノーマルプラン$9.8、アドバンスドプラン$19.8の月額利用料がかかります。後述する物流会社から配送するシステムのいくつかにも対応しているため、将来的に物流会社に配送を委託する場合も移行しやすいでしょう。
All in gift
画像引用元:Shopify app store
All in giftは配送管理のアプリとは少し異なる機能を持つアプリですが、特徴的な機能があるため紹介します。All in giftは、熨斗(のし)・ラッピングに対応したり、住所がわからない人にも贈れたりするeギフト機能のあるアプリです。ほとんどの機能が無料で利用でき、クーポンなどのマーケティング機能もあります。
熨斗・ラッピング・ギフトカード・手提げ袋など日本の商習慣に合わせたギフトオプション対応設定可能で、ギフトに向いた商品を扱うショップでは是非利用したい機能のアプリです。複数配送(マルチシップ)、カタログギフトにも対応しています。
先に紹介した『配送日時指定 .amp』アプリとも連携しているため、配送日時等を指定した配送も可能になり、こちらもいくつかの物流システムと連携可能です。「定期購買」や「まるっと集客」などのアプリを開発しているハックルベリー社のアプリで、サポートもかなり充実しているため安心です。
物流会社に依頼して配送する場合の作業
物流会社に依頼して配送する場合、配送のデータを手動で受注データを物流会社に転送する必要があります。その方法は、コピペやCSVファイルのエクスポートなど手作業で行う方法と、物流会社のShopify対応アプリを利用して受注データを自動で連携する方法とがあります。
手動で受注データを物流会社に転送する
手動で受注データを物流会社に転送する方法は、物流会社のシステムにShopifyの受注データを手動で移行する方法です。コピペなど手入力の他にCSVファイルで受注データをエクスポートし、物流会社のシステムに反映させることもできますが、毎日の作業は手間や作業工数がかなりかかります。
物流会社のShopify配送アプリで対応する
物流会社が利用しているシステムがShopifyのカートシステムに対応している場合は、契約する物流会社が使用している物流システムとShopifyのカートシステムを連携させる配送アプリを利用して自動で受注データを連携することが可能です。
この場合は、物流会社から指定されたアプリをインストールし、ショップ情報や商品サイズ・梱包物等をどのように処理するか、初期設定が必要になります。初期設定は物流会社のスタッフと共同で行うことが多く、わからないことがあっても物流会社のスタッフの方が設定に慣れていることが多いため、どんどん質問すれば問題なく設定できるはずです。また、一度設定してしまえば、自動で受注データが物流会社のシステムに流れていくので大変便利で、手動で受注データを物流会社のシステムに流すよりミスや事故が格段に減ります。
ほとんどの物流会社はこのような物流システムを利用しているため、物流会社と契約をする際は、Shopifyのカートシステムに対応しているか、利用する物流システムは何か確認しておくと良いでしょう。
Shopifyと連携可能な物流・発送代行サービスのアプリ
続いては、Shopifyと連携可能な物流・発送代行サービスのアプリを3つ紹介します。
- オープンロジ
- はぴロジ
- クラウドロジ
オープンロジ
画像引用元:Shopify app store
オープンロジでは、Web管理画面上で出荷作業、在庫管理の自動化はもちろん、海外発送やギフトラッピング、同梱物対応等のオプション業務も対応可能です。初期費用、固定費無料。従量課金のみの料金体系です。国内画一料金で配送可能(沖縄、離島を除く)。
はぴロジ
画像引用元:Shopify app store
はぴロジでは、API連携により受注から出荷までの自動化が可能です。全国に広がる物流プラットフォームで分散出荷による配送コントロールができ、自社倉庫やAmazonが提供するFBAとの並行稼働も可能です。
初期費用・月額固定費は無料ですが、保管料金や配送手数料等は個別見積が必要になります。
クラウドロジ
画像引用元:Shopify app store
クラウドロジでは、全国複数個所の倉庫と独自のシステムをセットにした物流代行サービスで、複数倉庫運用による配送コストや品質の最適化、独自システムによる販促物を含む在庫管理の最適化・業務負担削減をサポートしてくれます。API連携により、出荷連携、配送情報連携、在庫管理システムへの商品登録の自動化が可能です。
初期費用無料ですが、月額固定費・保管料金・配送手数料等は個別見積が必要になります。
配送に関連するその他のおすすめアプリ
その他にも、shopifyには配送に関する大変高機能なおすすめのアプリがあります。これらのアプリは物流会社のアプリではないものの、事業に適した物流会社を紹介してくれるサービスがあるので、ぜひ検討していただきたいアプリです。
- ロジクラ
- ロジレス
ロジクラ
画像引用元:Shopify app store
ロジクラは、いわゆる倉庫管理システムですが、送り状作成等も可能で、そのシステムとShopifyを連携させるためのアプリです。
ロジクラのシステムは通常の入出庫や在庫管理だけでなく、送り状や納品書の作成から追跡番号管理までも行うことができ、それらをShopifyと連携してくれます。そのため、実店舗や複数のモールなど同時に運営している場合の在庫管理が容易に行えます。
物流会社が提供しているシステムのアプリではないため、自社からの配送の場合にも利用でき、ロジクラに依頼して最適な倉庫会社を紹介してもらうことも可能です。
ロジレス
画像引用元:Shopify app store
ロジレスも、ロジクラ同様に倉庫管理システムですが、前提として自社からの配送ではなく、どちらかの倉庫会社と契約して使用します。最適な倉庫会社を無料で紹介もしてもらえます。
ロジレスの強みは、配送に関する細かな設定とサポート体制です。入出庫や在庫管理はもちろん、商品ごとに数値を与えその数値の大小で梱包方法を区別したり、一部の商品にだけ同梱物を入れたりするなど、かなり細かい設定が可能です。また、不正注文等などに対して、事前に設定したキーワード等を含む注文は管理者が確認してから配送に流すなど、システムとして大変優秀です。
細かい設定が可能なぶん初期設定は煩雑ですが、導入の際に特定の担当者が付き設定が完了するまで細かくサポートしてくれます。実際に運用が始まった後は、チャットで24時間サポートに質問できることも安心です。
まとめ
Shopifyの配送アプリは、自社から配送する際に利用するアプリと、物流会社と連携し配送するアプリとに大きく分けられます。
小規模なビジネスや生鮮食品等を取り扱っている場合は前者で十分に対応できますが、ビジネススケールが大きくなってきたら、後者を検討することもおすすめします。その際は、物流会社を選定する場合にShopifyと連携していて自社での管理がしやすい物流システムを利用している会社かどうか確認し、十分に検討して選定しましょう。
Shopifyで売り上げを伸ばしていくには、マーケティングをしっかりと行い、取得できたデータを分析して改善していくことが重要です。Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ECサイトの運営ノウハウを共有することができます。ECサイトの運営や管理などに関してお困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。