
2022年7月からShopifyがYouTubeと提携してYouTubeショッピングの利用が可能となりました。
ShopifyではGoogleの検索結果のショッピングタブに簡単に商品の表示が可能なGoogleチャネルがありますが、GoogleはShopifyとの連携をさらなる強化を行い、Amazon以上のサービスを提供する事を目標としています。世界的企業のGoogleとAmazonでシェア争いをするのは当たり前のことでありますが、大手モールに頼らずにShopifyを利用して独自のECサイトの運営者にとっては利用する価値がとても高い機能でしょう。
YouTubeと連携することにより、Shopifyの運営者はライブストリーミングでの販売も可能になり、さらに、動画の説明欄・ストアタブも合わせて3つの方法で製品を販売することができるようになります。すでに導入済みの方も多いと思いますが、Googleとの連携アプリ「Googleチャネル」から設定することで、「YouTube」上でさまざまなショッピング体験を提供する「YouTube ショッピング」を利用する方法を解説します。
Contents
YouTubeショッピングとは?
一言でいえば、YouTube ショッピングとは、「YouTube」上にEC機能が付与する機能です。Instagramと連携するインスタショッピングをイメージして頂くとわかりやすいでしょう。
ShopifyからYouTubeショッピングを展開することで、YouTube内のタグや画像をクリックすると、Shopifyで構築したECサイトに移動するという仕組みを構築でき、月間20億人以上の「YouTube」の視聴者に対して簡単に動画による商品のアピールを利用してマーケティングを行えます。
また、商品名や商品の画像、価格や在庫情報、配送料などのデータもYouTube上に自動同期され、たとえば、商品が売りきれた場合にはYouTubeから自は動的に削除されます。これにより、YouTubeでの販売データも一元的に管理でき、売上やパフォーマンスの分析などのあらゆる操作をShopifyの管理画面で行うことができます。
ShopifyとYouTubeの連携でできること
ShopifyとYouTubeを連携させるとできるようになることは、主に次の3点です。それぞれについて詳しく解説します。
- ライブストリーミング
- 動画の真下に商品欄を配置
- ストアタブの追加
ライブストリーミング
最も大きな特徴として挙げられるのは、ライブストリーミング中に商品購入する事が可能な点でしょう。ユーザーは「YouTube」を見ながら購入完了までが可能になります。
YouTubeでのライブ配信中の重要なタイミングで商品をタグ付けして、YouTubeの商品セクションに最大で30個の商品を順番に表示、または固定して表示することで、動画をライブ視聴しながらリアルタイムで購入できるようになります。視聴者はピクチャーインピクチャーで動画とショッピングサイトの両方を利用できる環境になり、動画を見ながらでも商品情報や在庫の確認ができ、そのままカートに追加、チェックアウトまで完了できます。
また、設定を完了すると動画の左下に 「商品を表示」の ラベルが表示され、これにより視聴者はいつでも商品を見ることができます。
動画の真下に商品欄を配置
YouTube動画の下に表示される説明欄に Shopifyのストアへのリンクを追加できます。この場合にも、視聴者はリンクをクリックすると動画を視聴しながらストアの商品をプレビューすることができます。
商品をプレビューした視聴者がもう一度リンクをクリックするとShopifyのストアに移動し、改めて商品を確認して購入手続きすすめることができます。
ストアタブの追加
ShopifyとYouTubeの連携が完了すると、YouTubeチャンネルに動画タブや再生リストのタブに並んで、自動的に新しくストアタブが追加されます。このタブを開くことで、全商品、もしくは選択した任意の商品を表示させることができます。
ライブコマースやインスタライブなどを見たことがある方だとイメージがつきやすいかもしれませんが、YouTubeライブを見てもらいながら、同時に動画で紹介している商品の購入画面に誘導できる仕組みなので、商品の特徴や使い方など、写真だけでは伝わりにくい特徴を動画で訴えたいマーチャントにとって、大きなメリットでしょう。
リアルタイムに使い心地が分かるので、コスメや家電・ファッションなどを扱っている場合、是非とも取り入れたい機能です。
終了画面に商品を表示する
YouTube Studio側で設定をすることで、商品を動画の終了画面に追加できます。
動画の終了画面がある場合でも、終了画面がない場合でも、YouTube Studioで終了画面を配置することで商品が表示されます。非常に便利な機能ですが、ここまでの設定方法などが難しいと感じる場合、プロに相談するのがおすすめです。続いて、実際の設定方法を解説します。
YouTubeショッピングの設定方法
ShopifyでYouTubeショッピングを利用するためには、その前にGoogle販売チャネルを設定する必要があります。まずは、ShopifyにGoogleチャネルのアプリを追加して設定を済ませておいてください。それからYouTube側での設定とShopify側での両方の設定を完了させて連携させます。
- ステップ1:ShopifyストアをYouTubeと連携させる
- ステップ2:YouTube ショッピングを設定する
ステップ1:ShopifyストアをYouTubeと連携させる
- YouTube Studio にログインします。
- 「収益受け取り」→「ショッピング」 の順にクリックします。
- 「ストアから商品を追加する」のセクションで、「ストアを連携する」 をクリックします。
- 「Shopify」 を選択し、「続行」 をクリックします。
- 読み込まれる新しいページで、「Shopifyに移動」 をクリックします。
ステップ2:YouTube ショッピングを設定する
- Shopifyの管理画面から、「設定」→「アプリと販売チャネル」→「[Google」の順にクリックします。
- 「販売チャネルを開く」 をクリックします。
- 「YouTube ショッピング」の セクションがあるので、「始める」 をクリックします。
- ShopifyのストアとYouTubeチャネルで、YouTube ショッピングを利用するための要件をすべて満たしているかを確認します。
- ドロップダウンメニューで、利用しているYouTubeチャネルを選択します。
- 「商品フィードの設定」 を確認します。
- YouTube ショッピングの規約を確認し、これに同意します。
- 「設定を完了する」 をクリックします。
この手順でYouTubeショッピングを正しく設定すると、YouTubeチャネルがGoogle販売チャネルの 「概要」 ページと 「設定」 ページに表示されるようになります。
Shopifyストアに動画を埋め込む方法
YouTubeに商品紹介の動画などをアップロードしている場合、Shopifyのストアにも動画を表示して有効に活用していきましょう。Shopifyのサイトに埋め込んだ動画はYouTubeにリンクされているので相乗効果が期待できます。ここでは、動画を有効活用するために、ShopifyにYouTubeの動画を埋め込む方法を解説していきます。
- 動画セクションを利用する
- YouTubeのURLを埋め込む
動画セクションを利用する
Shopifyのストアに動画を埋め込む最も簡単な方法は、テーマセクションにある動画(Movie)セクションを利用する方法です。
- 管理画面の「オンラインストア」→「カスタマイズ」をクリック
- カスタマイズ画面で「セクションを追加」をクリックして「動画」をクリックして追加します。
動画セクションでは埋め込みたいYouTube動画のURLのみで簡単に埋め込むことができます。ただし、サムネイル画像は読み込まれないため、カバー画像を設定しておきましょう。他にも動画を利用できるセクションであれば、簡単にサイトに動画を埋め込めます。
YouTubeのURLを埋め込む
次に、商品ページやブログ記事などにYouTubeの埋め込みURLを利用して埋め込む方法を解説します。
1.YouTubeから埋め込み用のURLを取得する
YouTubeの動画の再生画面にある「共有」ボタンをクリックします。
ポップアップが開いて共有方法の選択画面が表示されますので、その中にある「埋め込む」をクリックします。
動画を埋め込むためのiframeタグで囲まれた共有リンクが表示されますので「コピー」をクリックし、全文をコピーします。
2.ブログ記事や商品ページなどにコピーしたURLを埋め込む
ブログ記事の場合を例にすると、Shopifyストアの管理画面で「オンラインストア→ブログ記事」→「ブログ記事を作成する」をクリックし、動画を埋め込むための記事を作成するエディターを開きます。エディターのツールバーの中の「ビデオを挿入する」をクリックします。
リンクを挿入するテキストボックスがポップアップで開くので、先ほどコピーしたiframeタグの動画のリンクをペーストします。
ペーストできたら「ビデオを挿入する」ボタンをクリックします。記事の編集ページに動画が表示されていれば埋め込み完了です。
商品ページにも同様の方法でYouTube動画を埋め込む事ができますので、商品の紹介に役立ててください。
ECサイトに動画を埋め込むときの注意点
動画は商品についての情報をユーザーに伝えるのに非常に有効ですので、動画を利用したコンテンツは増加傾向にありますが注意点があります。
動画を埋め込む場所は?
ECサイトに動画を埋め込む時には、ユーザーの行動の自然な導線上に動画を配置しましょう。また、やみくもに多数の動画を埋め込むと不快感を与える事にもなりかねません。
目にとまりやすい適切な位置に動画を埋め込む事で見てもらう確率が高くなり、サイトの滞在時間も長くなります。
動画を埋め込む理由は?
動画を埋め込む理由を自身でも明確にした上で利用しましょう。どのような目的でユーザーに動画を見て欲しいか?次に説明する長さと合わせて、何を伝えたいのか?という目的を絞り、動画コンテンツを準備してください。
ポイントは、あくまで商品やサービスを補足するような内容にまとめることで、効果的な動画となります。
動画の長さは?
伝えたいことを視覚的に伝えやすいのが動画の特徴ですが、説明などを詰め込みすぎると尺の長い動画になってしまいます。長い動画はユーザーが飽きてしまい、動画をスキップするどころか、離脱の原因にもなります。
できるだけ簡潔に、かつユーザーの興味を惹きつけるような動画が望ましいので、詰め込み過ぎて長い尺にならないよう注意してください。
Shopifyストアに動画を埋め込むメリット
実店舗と比較した時のECサイトの大きな弱点は、写真や文章だけでは商品の実物の伝わりにくさです。ECサイト上の商品はユーザーが手に取ることができず、商品の特徴を説明文の文章で伝えることしかできません。いくらサイズや重量、商品についてテキストで説明しても、実物をリアルに表現することはできません。つまり商品の特徴をユーザーにうまく伝えることが難しいのです。
その点、動画はユーザーにイメージを持たせるためには文章よりも5,000倍の情報を伝えられるといわれます。実際に手に取った感じや使用方法などは、動画を活用すると伝わりやすいですよね。
実店舗と比べた時のECサイトの弱点をフォローする事ができ、より具体的に商品に興味を持ってもらえるので購入に繋がる機会が増えると期待できます。つまり、動画コンテンツはユーザーに実際に使用するイメージを伝えることができ、興味を持ってもらうきっかけ作りとして有効となります。
まとめ
YouTubeのユーザーは1日に10億時間以上の動画を視聴しています。しかしながら、スモールビジネスの事業者の中で独自のチャンネルを開設しているのは9%しかないというデータがあります。
今回お伝えしたように、ECサイトに動画コンテンツを利用する事も有益ですし、まだ始まって間もないYouTubeショッピングという機能は、YouTubeをそのまま店舗の売り上げにつなげられ、ビジネスの拡大に大きく役立つでしょう。
YouTubeの利用者はまだまだ上昇傾向にあります。Googleのサービスを利用して売り上げに繋げていく事が、今後のECサイト運営において大きなキーポイントとなる事も予想されますので、みなさんも動画コンテンツやYouTubeとの連携にチャレンジしていき、売り上げの拡大を目指してください。また、今回解説したような設定などが難しいと感じる場合には、ぜひプロに相談する事を検討してみてください。
また、ShopifyのECサイトを成功させるには、制作するだけでなく、広告運用などマーケティングの部分も重要です。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアルをお考えの方や、Web広告などによるプロモーションを行いたいともお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。Shopify Guideはメディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、Shopifyでの運営ノウハウを共有することができます。