WordPressでECサイト

手軽に本格的なウェブサイトを制作することができるWordPressは、インターネット上の全サイトの37%を占めるほど世界で広く利用されています。

また、新型コロナウイルスが世界中に広まり外出の規制が行われる中、「ECサイト(ネットショップ)」が新しい販売方法として注目を集めています。

そのため、新しくECサイトをを起ち上げようと考えている方の中には、使い慣れているWordPressを使いたい、使ったら便利だと考えている方も少なくないでしょう。

そこで、今回はWordPressを用いてECサイトを制作することができるのか、WordPressを利用するメリット・デメリットを解説します。

しかし、実はWordPressはECサイト制作にはあまり向いていません。

その理由と、ECサイトの制作においてWordPressと同様にカスタマイズ性が高く、近年日本でも人気が出始めている「Shopify」(ショッピファイ)について紹介します。

WordPressでECサイトは構築できる?

WordPress

画像引用元:WordPress

 

世界中で圧倒的な人気を誇るホームページ制作のオープンソースのソフトウェア「WordPress」。

無料で自由度が高く、さまざまなデザインテーマ・プラグインを駆使すれば、Webデザインやプログラミングの知識がなくとも、オリジナリティの高い自分だけのブログやホームページを制作できます。

また、利用者が数多くいることから、Web上には隙間のないくらいの解決策や構築方法が掲載されており、初心者にも優しいソフトであることは間違いありません。

 

そんなWordPressですが、実は自分だけのECサイトも作れてしまうことをご存知でしょうか?

近年ますます大きくなるEC市場に参入するメリットは計り知れず、ましてやそれが気軽に低コストから始めれるならやらない手はないですよね。

今回は、そのWordPressでECサイトを構築するメリットとおすすめのプラグイン、そしてデメリットについて解説していきます。

WordPressでECサイトを構築するメリット

ECサイト

WordPressでECサイトを構築するには、テーマを選ぶことでWebデザインの手間が省けるなど、それ相応のメリットがあります。

しかし、それだけでは他のECサイトを構築するツールと大きく変わりはありません。

他のツールと比べるからこそのWordPressの良さや強みがありますので、そのメリットをここで3つ紹介します。

メリット
  • 無料で簡単に構築できる
  • 集客から注文に導線をつなげられる
  • カスタマイズ性が高い

メリット①:無料で簡単に構築できる

WordPressは、サーバとドメインさえあれば誰でも簡単に設定ができます。

その操作方法もWeb上でたくさん公開されているため、勉強さえすればお金をかけなくともオリジナリティのあるECサイトを誰でも構築できます。

 

一般的なASP(Application Service Provider:業務アプリケーションソフトの機能をネットワークを介して利用できるサービスのこと)カートシステムを導入した場合、サブスクリプションで毎月の使用料がかることが多いです。

一方で、WordPressでの構築だと決済時にかかる手数料以外は基本的に無料です。

構想段階であったり事業の立ち上げたばかりの段階だったりする場合は、ECサイトをストレスフリーで始めることができます。

メリット②:集客から注文に導線をつなげられる

WordPressを利用するメリットの一つと言えば、なんと言っても「集客」です

SEO(検索エンジン最適化)に最適なページ作りをすることにも向いていますし、何より商品を紹介したページでそのままカートに追加させられる導線を描けることは、内部構築してるからこその業。

一つの管理画面だけで、各種メニュー(コンセプトやお問い合わせ等)やブログなどの記事コンテンツ、EC画面を構築できます。

そのため運営しやすく、操作するツールもまとめられているため覚えることが少なくなることは大きなメリットだと言えるでしょう。

メリット③:カスタマイズ性が高い

WordPressの最大の魅力は、「プラグイン」だと言えるでしょう。

プラグインとは、機能を拡張するために個別に追加するソフトウェアのことです。

HTMLやCSS、PHPやJAVAといったプログラミング言語の知識がなくとも、自分だけのサイトを構築できるのはWordPress、もとい各プラグイン機能があってこそ。

この拡充性が世界で一番使われている一因となっています。

自分の求めるWebサイトに必要な機能だけを追加できることは、非常に有益です。

例えば機能が充実した有料ツールを導入したとしても、使わない機能ばかりが多ければ、その分だけが無駄な出費となりますし、反対に引き算された管理画面であればあるほど、洗練されたページを作成しやすくなるためです。

ECサイト構築におすすめのWordPressプラグイン

ここまではWordPressのメリットについて解説してきました。

その中でも「カスタマイズ性」が特に重要で、プラグインの入れ方次第ではページ作成も、ECサイト構築のクオリティも大きく変わってくることが分かります。

そこで「カート機能」「顧客管理」「セキュリティ」といったECサイトにとって必要不可欠なプラグインについて、下記注目します。

おすすめプラグイン
  • Welcart
  • Contact Form 7 と Flamingo
  • Really Simple SSL

Welcart

Welcart

画像引用元:WordPress

 

Welcartは、WordPressにカート機能をつけられる人気の国産プラグインです。

ECサイトの大半の決済方法はカード決済と言われており、それを商用無料でインストールできることが大変魅力的です。

定期購入機能やダウンロード販売、クーポンの発行ができるなど、無料とは思えない洗練されたプラグインです。

しかも、一元管理をした受注データのCSV出力ができるため、構築したECサイトをさらにグレードアップする際の引越しも安心して行えます。

「Contact Form 7」と「Flamingo」

営業活動する上で重要なことの一つとして「お客様の生の声を聞くこと」がよく言われますが、これはECサイトにも当てはまります。

オンラインでは、「お問い合わせ」や「ブログのコメント」がその代わりとなることが多いです。

そして、そのお問い合わせフォームを簡単に作れるのが「Contact 7」です。

Contact 7

画像引用元:WordPress

 

このプラグイン「Contact Form 7」を使えば、フォームや項目の編集、自動返信メールの設定などの凝った仕様を簡単に設定できます。

お問い合わせだけでなく、例えば「特典お申し込みフォーム」といったものも簡単に作れます。

 

ただ、これだけだと実際にお問い合わせがあった際に自動でメール通知はされますが、そのメールに気づけなかったり、万が一届かないなんてことがあっても保存がされません。

そういった内容やブログのコメントといった接触履歴を、メールアドレスとあわせて管理できるのがプラグイン「Flamingo」です。

Contact Form 7 & Flamingo

画像引用元:WordPress

 

FlamingoではCSV出力ができ、簡易な顧客管理ツールとしても活躍します。

ぜひ、「Contact Form 7」と「Flamingo」の2つをあわせて活用してみてください。

Really Simple SSL

Really Simple SSL

画像引用元:WordPress

 

独自でECサイトを構築する際に、絶対に押さえておきたいことの一つに、Webサイトの「SSL化」があります。

一言で言えば、「http://」 を 「https://」にすることです。

SSL(Secure Sockets Layer)とは、個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータを暗号化して、サーバとPC間での通信を安全に行えるようにするものです。

SSL化されていないサイトの場合、そういった顧客の情報を盗聴されたり改ざんされる恐れがあるため、特にECサイトを構築する際にはSSL化することは切っても切り離せません。

 

まずはサーバー側でSSL証明書をインストールし、バックアップを取っておきましょう。

そしてこのプラグイン「Really Simple SSL」をインストールすると良いでしょう。

使い方は本当にシンプルで、ただこのプラグインを有効化するだけです。

それだけで、画像や内部リンク等のURLをすべて一括でhttps://に変換してくれる本当に便利なプラグインです。

WordPressでECサイトを構築するデメリット

これまで、WordPressでECサイトを作る際のメリットや方法を紹介してきました。

しかし、実はWordPressでECサイトを作ることは、あまり推奨されていません。

それは一体なぜなのでしょうか?

ここでは、WordPressでECサイトを作る場合のデメリットを紹介していきます。

デメリット
  • セキュリティ面のリスクがある
  • 顧客管理やマーケティング戦略が取りづらい

デメリット①:セキュリティ面のリスクがある

SSL化をする面でも触れましたが、顧客情報を取り扱うことはセンシティブな行為です。

そのため、自己所有するサーバでさまざまな個人情報を管理することはあまりおすすめできません。

セキュリティ面を考慮すると、サーバ管理も一体化したASPサービスなどにアウトソーシングした方が安全だと言えるでしょう。

 

また、利用者が多いためかWordPress自体が悪用される可能性が高いという一面があります。

オープンソースソフトであり誰でもプログラムコードを閲覧できるため、脆弱性に関しても頻繁に指摘を受けています。

常にWordPressの更新をするだけでなく、取り扱う情報を制限するなどの対策が必要になってきます。

自由度が高い分だけ、対応すべきことも実は多いのです。

デメリット②:顧客管理やマーケティング戦略が取りづらい

ECサイトも含め、どの営業活動でもPDCAを回すことや、顧客の潜在的なニーズを掘り起こしたりするマネージメント・マーケティングを意識することは必要です。

そのため、蓄積したデータを分析することで指針を立て、そこから実行していくツールも必要不可欠となります。

こうしたスキームをWordPressでゼロから考えて構築していくことは極めて難しく、多くの時間を取られ見えない機会ロスを数多く生じさせてしまうのです。

ECサイト制作ならShopify(ショッピファイ)がおすすめの理由

WordPressは、ECサイトを運営していく上ではかなり難しい問題やデメリットがあることがおわかりいただけたでしょう。

反対に、カスタマイズ性に関してなど良い部分があることもまた事実です。

しかし、WordPressの良い部分を持ち合わせており、かつデメリットを補ってくれるのが「Shopify」(ショッピファイ)です。

では、Shopify がどういったものなのかについて解説していきましょう。

Shopifyとは

Shopify

画像引用元:Shopify

 

Shopify(ショッピファイ)はグローバル流通総額が10兆円を突破している世界No.1のASPカートシステムです。

2020年現在、175ヶ国で利用されています。

2004年カナダ発で、2017年にShopifyの日本法人ができたばかりのため、まだ日本では馴染みが薄い印象があるかもしれません。

しかし、今後日本においても代表的なASPシステムになることは、ほぼ間違いないと言えるでしょう。

その理由を3つに分けて解説していきましょう。

理由①:「越境EC」に強いから

Shopifyは世界175ヶ国で使われているだけあり、各国の決済方法やその税率、言語面や海外発送といったあらゆる越境ECビジネスの壁をとっぱらってくれます。

また、SNSとの連携が強いため、集客や販促をInstagramやFacebookで発信していけば日本国内だけでなく、海外市場までを顧客ターゲットに広げられます。

特に、Facebookは自分の商品を求めている人を探すための機能が数多く用意されており、Shopifyはその連携を大きく強めています。

理由②:カスタマイズ性が高い

WordPressが世界中で使われている理由と同様の理由がShopifyにはあります。

Shopifyにも無料・有料の強力なデザインテーマが数多くあり、またアプリケーション(WordPressでいう「プラグイン」)が2,000種類以上Shopifyストアにあり、それらを院スールすることで機能を拡張できるからです。

デザインを中心とした外観的な拡充から、運営や管理部門の内部的な機能までをアプリケーションでカバーすることができ、個々のビジネスモデル・商材に合わせたECサイトを作ることができるのです。

 

この点が、他のASPカートシステムとは大きく異なる点です。

他のASPは、仕上がったパッケージをそのまま使うことを基本としています。

例えば、もしビジネスモデル上足りない機能があれば、その部分に別途カスタマイズ費用をコーディネーターの方にお金を支払って拡張してもらいます。

しかし、時代や運営方針は常に日々変化していくため、その拡張させた機能が役に立たなくなることや別の機能が新たに必要になることも大いに発生し得ます。

 

そういった点において、アプリケーションで随時カスタマイズできるということは、各ビジネスの増減や時代の変化に対して柔軟かつスピーディに対応できるため、さまざまなロスを出さずに大きな利益を生みやすいということを意味します。

その点が本当にShopifyが圧倒的に優れている点なのです。

理由③:低コストから始められる

これだけの可能性を秘めたASPカートを、実は安価に始めることができます。

Shopifyには月額利用料金の異なる3つのプラン(「ベーシックプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」)があります。

一番安価な「ベーシックプラン」であれば、月額29ドルで利用することができます。

 

また、日本のクレジットカードは決済手数料3.4%、海外のクレジットカードは決済手数料3.9%と、相場と比較して安価な料金設定となっています。

月額無料のASPやShopifyより月額費用が抑えられるものもありますが、実は決済手数料が商品が売れ始めるとボディーブローのように効いてきます。

そういった観点から見ても、Shopifyは業界の中でかなり安価なシステムだと言えるのです。

まとめ

WordPressでECサイトを制作する際のメリット・デメリット、おすすめのプラグイン、そしてShopifyを利用するメリットについて解説しました。

ShopifyがWordPressと似ているのは、その「拡張性」です。

現代は凄まじいスピードで変化し、新しいサービスが生まれては消えていきます。

そして各社・各人のビジネスモデルも増減し変容します。

そんな時代だからこそ、このShopifyの柔軟なカスタマイズ性が、今の時代とマッチングしているため、ECサイトを展開しようとする方すべての新しい味方となることでしょう。

Shopifyはまさにこれから日本での展開されていきます。

これからECサイトの制作を考えている方は、Shopifyの導入を検討することをおすすめします。

Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。