ECパッケージ

「ECパッケージのメリット・デメリットは何だろう?」「選び方とおすすめを知りたい」これからECサイトを「パッケージ型」で構築しようと検討しているEC担当者は、こういった悩みがあるのではないでしょうか?ECサイトのパッケージ型にはさまざまなメリット・デメリットがあり、パッケージの種類もたくさんあります。

そこで今回は、「自社はパッケージ型を選んでも良いのか」と困っているEC担当者のために、パッケージ型のメリット・デメリットや選び方、おすすめのパッケージの種類などについて紹介していきます。パッケージ型を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ECパッケージとは

ECパッケージとは、ECサイトの構築・運営に必要な機能が最初からパッケージされている製品のことです。必要な機能とは、たとえば

  • 購入機能
  • 顧客管理
  • 受注・売上管理
  • 会員登録

などのことで、これらが最初から実装されているので、ゼロから構築しなくてもECサイトを開設できます。しかし、初期費用が高いため、小規模なECサイトには向きません。

ECパッケージとASPの違い

先ほどお伝えしたように、ECパッケージはECサイトの構築・運営に必要な機能があらかじめ用意されている製品のことです。標準機能にプラスしてある程度自由にカスタマイズでき、独自のECサイトを構築することができます。

一方で、ASPとはベンダー(パッケージを販売する事業者)からECサイトの構築に必要な機能をレンタルしてもらえる方法のことです。すでに用意されている機能やテンプレートを利用するため、導入コストは低価格な場合が多く、初期費用を抑えてECサイトを構築することが可能です。

パッケージとASPの大きな違いは、購入して構築するかレンタルして構築するかです。また、パッケージの場合、購入後ある程度のカスタマイズは可能ですが、ASPの場合は自由なカスタマイズを行うことはできません。

ECサイトのパッケージの基本的な機能

ベンダーによって多少の違いはありますが、ECサイト構築・運営に必要な機能が搭載されています。ECパッケージに搭載されている代表的な機能は次の7つです。

ECサイトのパッケージの基本的な機能
  • 検索機能
  • 購入機能
  • 会員機能
  • マイページ機能
  • 商品・在庫管理機能
  • 注文管理機能
  • 顧客管理機能

    検索機能

    検索機能とは、ユーザーがサイト上で商品を検索できる機能のことです。キーワード検索だけのものもあれば、価格やバリエーション(カラーやサイズなど)で検索できるものもあります。検索できるかできないかで、購入率や客単価にも影響します。

    購入機能

    購入機能とは、商品を購入する機能以外にも、決済方法や配送方法の変更といった機能も含みます。また、ポイント付与やクーポン利用ができる機能のパッケージもあります。

    会員機能

    会員機能とは、会員登録やログインができるようになる機能のことです。

    マイページ機能

    マイページ機能とは、会員機能と似ているのですが、会員情報や退会機能、購入履歴、クーポン・ポイントの履歴など確認・変更できる機能です。

    商品・在庫管理機能

    商品・在庫管理機能とは、ECサイトで販売する商品の登録やカテゴリ分け、商品の在庫を管理するための機能です。

    注文管理機能

    注文管理機能とは、ECサイトで購入した商品の商品名や商品数、金額、注文日時、配送日時といった情報を管理・処理するための機能です。

    顧客管理

    顧客管理とは、ECサイトに登録されたユーザーの情報や注文履歴、会員ランクなどの顧客情報を管理するための機能です。上記以外にもパッケージによっては、ABテストや売上分析などを基本機能として含むパッケージもあります。

    ECパッケージを利用するメリット

    ECパッケージはECサイト構築・運営に必要な機能が搭載されており、EC事業者から多くの評価を得ています。ECパッケージを利用するメリットは次の4つです。ECパッケージを検討している方は把握しておきましょう。

    メリット
    • ECサイトに必要な機能が初めから搭載されている
    • カスタマイズ性が高い
    • セキュリティが強固で安心感がある
    • 短期間で導入できる

     

    メリット①:ECサイトに必要な機能が初めから搭載されている

    ECパッケージには、ECサイトに必要な機能があらかじめ搭載されています。

    カートや会員登録など必須の機能がないと、そもそもECサイトとして成り立ちません。カート機能や会員機能などの機能をゼロから構築するとなると、高度な技術と知識が必要でわかる人がいないと難しいです。

    外注しても良いですが、当然お金がかかりますし、外注先とトラブルを起こしてしまう可能性もあります。しかし、ECパッケージだとゼロから構築しなくても、最初からカートや会員登録などの機能が搭載されているため、高度な技術や知識が必要ありません。

    メリット②:カスタマイズ性が高い

    ECパッケージには、あらかじめ必要な機能が搭載されているだけでなく、機能を拡張したりシステムと連携したりといったことも可能です。たとえば、グローバルなECサイトにしたいといったときは多言語対応が可能なサイトにしたり、店舗とECサイト上の在庫を一元管理できるようなオムニチャネル機能を追加したりできるようにすることも、比較的簡単です。

    また、出荷指示データを物流倉庫と連携するといったような外部システムとの連携も可能なので、カスタマイズ性は高いといえるでしょう。

    メリット③:セキュリティが強固で安心感がある

    ECパッケージは、中規模~大規模な企業を主なターゲットとして開発されているため、システムが堅牢で強固なセキュリティが組まれていることが特徴です。

    ウィルス被害やサイバー攻撃はシステムの脆弱性やシステムのソースコードを解析され狙い撃ちにされますが、ECパッケージはオープンソースのようにソースコードを開示していないため、ターゲットになるリスクは低減されます。顧客情報を扱っているECサイトにおいて、安心して運営を行えるシステムの信頼性・安全性が確保されていることは大きいでしょう。

    メリット④:短期間で導入できる

    ECパッケージには、必要な機能が最初から搭載されているため、ゼロから構築する必要がなく開発工数・開発コストを抑えてECサイトを構築できます。

    フルスクラッチ型だとカート機能やマイページ機能など全て自社で構築しなければならないため、膨大な時間とコストがかかってきます。そのため、このようなデメリットを払拭して短期間で導入できるのはありがたいですね。

    ECサイトでECパッケージを利用するデメリット

    ECパッケージはメリットが多いですが、デメリットも存在します。ECパッケージを検討している方はデメリットも把握しておきましょう。

    デメリット
    • 初期費用やランニングコストがかかる
    • 放って置いたらシステムが古くなり最新を保てなくなる

    デメリット①:初期費用やランニングコストがかかる

    ECパッケージは、カスタマイズ性や機能の充実性に富んでいる反面、初期費用はベンダーにもよりますが標準装備の機能だけでも数百万円以上と高額です。フルスクラッチよりもコストは大幅に抑えられますが、規模が大きくなればなるほど導入コストも上がっていきます。

    また、サーバーの維持費用やメンテナンス費用などのランニングコストもかかってくるため、ECパッケージの導入は資金力のある企業でないと難しいでしょう。

    デメリット②:放って置いたらシステムが古くなり最新を保てなくなる

    ECサイトのトレンドは移り変わりが早く、ECパッケージを導入しても数年経つとシステムが陳腐化してしまう恐れがあります。陳腐化したシステムをそのまま使い続けると機能面・性能面で時代についていけなくなったり、セキュリティリスクが高まったりと不具合が生じてきます。

    また、法改正などによって、新たにセキュリティ対策を行わなければならない場合もあります。

    ECパッケージのベンダーの選び方のポイント

    多くのベンダーからECパッケージが販売されていますが、どれを選べば良いか悩みますよね。そこで、ベンダーを選ぶときのポイントや注意すべきことを紹介します。

    ECパッケージのベンダーの選び方のポイント
    • 有償か無償か
    • 必要な機能は揃っているか
    • 実現したいECサイトに近い事例はあるのか
    • 規模に合わせてカスタマイズ可能か
    • システム会社の対応力や管理方法はどういうものか

    有償か無償か

    新たにECサイトを立ち上げる場合、当然コストがかかります。抑えられる費用はなるべく抑えたいですよね。

    実は、ECパッケージは大きく「有償」と「無償」に分けることができ、オープンソースだと無償でダウンロードできます。販売会社から購入する場合は有償となり、数百万円はかかると見込んでおきましょう。

    無償版があるのであれば無償のオープンソースの方が良いと思われるかもしれません。しかし、オープンソースの場合、カスタマイズするときやトラブルが起きた際の対処はすべて自社で行わなければなりません。

    コストはかからないかもしれませんが、社内に高度な技術・知識を持っている方がいない場合、あまりおすすめはしません。その点、ECパッケージであれば、カスタマイズもトラブルも販売会社に任せることができるため、コストこそかかりますが安心です。

    必要な機能は揃っているか

    ECサイトを構築・運営する際に必要な機能が揃っているかも重要です。「ECサイトで実現したいことは何なのか」「目的は何なのか」を明確にした上で、必要だと思われる機能・デザインを洗い出し、標準機能あるいはカスタマイズで実現可能かチェックしましょう。

    実現したいECサイトに近い事例はあるのか

    実現したいECサイトと似ている業種や商材を手がけたことがあるベンダーを選びましょう。

    類似した実績があることによりイメージがわきやすく、ベンダーが過去に類似したものを開発した経験があれば、開発工数も削ることができ、コスト的にも下がります。そのため、ベンダーを選ぶ際は、構築事例を参考にしてみましょう。

    規模に合わせてカスタマイズ可能か

    成長していくにつれ、初期段階では必要でなかった機能も必要になっていくこともあります。プラグインを導入すればできる場合もありますが、データベースを追加したい・別になると行った場合、費用が発生してきてしまうため中長期目線での利用検討が大切です。

    システム会社の対応力や管理方法はどういうものか

    当然のことですが、ECサイトは構築して終わりではなく、構築後運営していかなければなりません。運営していく上でトラブルが発生した場合、どれくらいの規模のトラブルならどれくらいのサポートが受けられるかも確認するようにしましょう。

    また、対応スピードも確認するようにしましょう。重要かつ早急に修正して欲しいのに、なかなか対応してくれないとなったら、ECサイトに対するユーザーからの信頼は下がってしまいます。

    おすすめのECパッケージ5選

    ECパッケージは提供しているベンダーによって特徴や機能が異なります。数あるECパッケージの中から代表的なものを5つ紹介していきます。選ぶときは迷うでしょうから、ECサイトの目的を明確にして選ぶようにしましょう。

    おすすめのECパッケージ

    テキストが入ります。

    ここにコンテンツを記載

    EC-Orange

    EC-Orange

    EC-Orangeとは、EC-CUBEをベースに作られている株式会社エスキュービズムが提供している製品です。オープンソースなため技術力や知識は必要ですが、単独ECサイトから年商100億円以上の大規模なECサイト、グローバルECサイトなどの構築にも対応でき、幅広いニーズがあります。

    また、実店舗を運営している企業だと在庫情報や商品情報、顧客情報など一元管理でき実店舗とECサイトで情報をシェアできます。

    ecbeing

    ecbeing

    ecbeingは株式会社ecbeingが提供している製品で、13年連続で国内シェア率がNo.1の製品です。国内構築実績は1,400サイトを超え、食品やアパレル、雑貨などあらゆる業界のノウハウを持っており、構築だけではなく売上アップのためのマーケティング支援やオムニチャネル施策を受けられる点も魅力の一つです。

    また、創業34年という歴史ある企業であり、東証一部上場という点も安心できます。

    SI Web Shopping

    SI Web Shopping

    SI Web Shoppingは、EC年商数十億円以上を目指す中規模EC事業者、あるいはそれ以上を目指す大規模EC事業者に向いているECサイト構築パッケージです。1996年にリリースし20年以上日本のECビジネスを支え続けてきた信頼性のあるパッケージで、実績も1,100サイトあるため安定性・堅牢性は抜群です。

    SI Web Shoppingはカスタマイズ性が高いのにカスタマイズ費用を抑えられるため、マーケティング戦略を柔軟に実現することができます。また、SI Web Shoppingはオープンソースソフトウェアではありませんが、プログラムソースを公開しています。そのため、ブラックボックス化というサイトを作った会社でないと中身がわからない状態を避けることができます。

    ebisumart

    ebisumart

    ebisumartは、小・中規模ECサイト向けのECパッケージで、株式会社インターファクトリーが提供している製品です。ebisumartは導入実績が700サイト以上あり、クラウド型だけどカスタマイズに対応できることが特徴です。

    週に一回、標準で無料アップデートを行ってくれます。常にシステムが最新の状態を保てるので安心です。

    w2Commerce

    w2Commerce

    w2Commerceは、w2ソリューション株式会社が提供しているECパッケージで、小規模サイトから大規模サイトまで400サイト以上の構築実績を持っています。稼働率は99.97%あり、セキュリティが強い通販カートシステム会社No.1のECパッケージです。

    また、業界で唯一カスタマイズモデルへのシームレスなサービス切替えが可能となっており、中長期的な事業戦略を見据えることができます。

    ECパッケージの導入方法

    では、ECパッケージはどのように導入すれば良いのでしょうか?

    まずは、「どのようなECサイトにしたいか」「どのような機能をつけたいか」といった要求をまとめる要件定義といったものからスタートします。その後、開発者がシステム設計やプログラム開発、システムテストなどの工程を経た後にリリースします。

    ニーズに合わせたカスタマイズが行われるため、それなりに開発期間が必要となってきます。どれくらいカスタマイズするかにもよりますが、導入まで早くて3ヶ月はかかるでしょう。

    まとめ

    ECパッケージの特徴や利用するメリット・デメリット、選び方のポイントを解説しました。カスタマイズ性や拡張性が高く、他社と差別化したECサイトを作りたいという企業には最適な構築方法です。

    ECパッケージは、ASPやモール型と比べると高額になりますが、その分高いリターンが望めることでしょう。また、もし現時点でそこまで必要がないと思っていても、今後の事業拡大により拡張性や高いカスタマイズ性が必要になることもあります。そのため、近い将来を見据えて構築方法を決めることが大切です。

    これからどんどん売り上げを作っていきたい企業・EC担当者は、ECパッケージを検討してみてはいかがでしょうか?

    Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ECサイトの運営ノウハウを共有することができます。ECサイトの立ち上げや、運営に関してお困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

    ECサイトの運営を始めるなら、知識を持ったパートナーと始めることが大事なポイントの一つですよ。