
Shopify(ショッピファイ)でECサイトを運営する場合は、返金や返品を要求されることを想定しておきましょう。また、返金や返品の可能性は商品が売れれば売れるほど、母数が増えるため高まります。
そのため、返金や返品はトラブルを防ぐためにも、事前に準備をしておくべき内容です。しかし、Shopifyでの返金や返品処理のやり方がわからなかったり、そもそもどのような準備をしたら良いかを悩んでいるECサイトの運営者もいるでしょう。
そこで今回は、Shopifyの返金や返品を行う流れや注意点、そして返金時に便利なアプリを紹介します。
Contents
Shopify(ショッピファイ)で返金・返品をする際の流れ
Shopify(ショッピファイ)ストアから返品をするときは、注文ページから処理することができます。手順は次のとおりです。
- 「注文」をクリックする
- 「アイテムを返品する」をクリックする
- 配送オプションを選択する
なお、一度返品処理を行ってしまうとキャンセルできません。そのため、返品処理は慎重に対応してください。
ステップ①:「注文」をクリックする
まず、Shopifyの管理画面に入り、「注文」をクリックしてください。そして、返金する注文を確認し選択しましょう。
ステップ②:「アイテムを返品する」をクリックする
返品に該当する注文を選択したら、「アイテムを返品する」をクリックしてください。該当する注文がアーカイブされていたら、解除しなければ進めませんので解除をしましょう。そして、返品する注文数を入力してください。
ステップ③:配送オプションを選択する
次に、「配送オプションを選択する」をクリックし、オプションを選択します。「追跡情報を入力する」を選択すると、「追跡番号」と「配送業者」を入力可能です。「返品配送情報なし」で配送する場合は、「返品の返送はありません」を選択してください。
なお、もし購入顧客の配送先住所とプライマリーロケーションがアメリカの場合、「返品用ラベルを作成する」を選べます。
注文すべての返金方法
注文すべてに対して返金する場合も、まずは管理画面から「注文」に入ってください。その後、返品の場合と同じく返金する注文を選択し、「返金」をクリックして返金するアイテム数を入力しましょう。このとき、返金合計金額が更新され、配送手数料が差し引かれます。なお、この金額は手動で編集可能です。
次に、「オプション」「配送」で返金する配送金額を入力します。そして、商品を配送したものの、顧客がまだ返品していない場合は、「商品の在庫を補充する」のチェックを外します。
「オプション」で返金理由を記載し、返金する場合は「返金」をクリックしてください。返金確定後、返金が顧客に入金されるまでに最大10営業日かかることを覚えておきましょう。また、Shopify ペイメントを使用していて、返金を行う場合はその金額は次回の支払いから差し引かれます。
注文一部の返金方法
注文すべてでなく、一部を返金したい場合の手段は返金する注文をクリック後、「注文詳細セクション」で「返金」をクリックしてください。それ以外は、「注文すべての返金方法」と同じ流れです。
Shopify(ショッピファイ)の返金に関する注意点
次に、Shopify(ショッピファイ)の返金に関する注意点を紹介します。特に注意が必要なのは、次の3点です。
- 返金ポリシーを作成する
- 返金方法を記載しておく
- 返金までの日数を決めておく
返金方法と返金までの日数は、両方とも「返金ポリシー」に記載される内容です。そのため、まずは返金ポリシーの作成が重要となります。
返金ポリシーを作成する
返金ポリシーの作成は、非常に重要です。返金や返品のストアとしてのルールを定め、その内容を許諾した人に購入してもらうためにも必ず作成すべきです。
それに、どんなに自分たちに非がなくても、残念ながら返金要求を行うユーザーは少なくありません。そのため、事前トラブルを避けるためにも、返金ポリシーページを作成し、ストア内に表示してください。
このページがなければ、購入ユーザーとの間でトラブルが発生します。ポリシーとしてのルールがないと、たとえば購入してから1年後に返金して欲しいなどと言う顧客も出てくるかもしれません。商品によっては、そんなこと受け入れられませんよね。
しかし、それさえ聞き入れない悪質な顧客がいる可能性も否定できません。自分たちの身を守るためにも返金ポリシーの作成は必須です。
そして、もし海外での販売を行っているなら、日本語ページだけでは足りません。返金ポリシーを翻訳して、それぞれの言語で記載してください。
これは、日本国内だけでなく、海外でのトラブルも考えられるからです。その点、Shopifyは多言語対応しているのでやりやすいでしょう。
また、従業員の間でも、返金の姿勢を確認するためにも返金ポリシーを作成しておくことは重要です。大きなECサイトになればなるほど、一人では管理することができず、多くの人がそのECサイトに関わることになります。
この際に、返金ポリシーを明確にできていないと、従業員の間で返金に対しての姿勢が異なってしまいます。そして、顧客に対して素早く返金できなかったり、返金の条件が対応する人によって異なってしまったりなど、顧客に対して不信感を持たせてしまう原因にもなりかねません。
返金方法を記載しておく
返金ポリシーに記載する内容として、まず重要なのは返金方法です。どんな方法で返金するかを記載しないと、認められていない手段での返金を要求される可能性もあります。もちろん、イレギュラーで受け入れなくてはならないケースもあるでしょうが、まずは自分たちのルールとして返金手段を必ず記載してください。
入金手段の多いShopifyですが、Shopifyペイメントを利用していればアカウントに表示された残高からの返金も可能です。ただし、残高がマイナスの場合は返金を受けられない可能性もあるため注意してください。この場合は、残高がプラスになるまで返金が保留となり、なかなか返金できないため顧客からの印象も悪くなります。
返金を要求するユーザーも、一度は商品を購入してくれた顧客です。もう一度買ってもらうためにも、スムーズに返金できるように、常に体制を整えておきましょう。
返金までの日数を決めておく
次に、返金ポリシーに記載する内容は、返金までの日数です。たとえば、「購入後30日以内」や「90日以内」など、購入日からいつまでならば、返金に対応するかの日数を記載してください。これがないと、いつでも返金してもらえると考える顧客が出るかもしれません。そのため、日数の制限を必ず決めて記載してください。
しかし、日数制限をどのぐらいにすれば良いか悩んでしまう人もいるでしょう。そんなときは、同じような商品を販売しているECストアを参考にすると良いでしょう。商品によって日数は異なるため、まったく同じ商品でなくてもジャンルなどを絞って見ていくと参考になるはずです。
また、返金にかかるまでの時間も記載しておくと良いでしょう。システム上、入金までに10日ほど掛かってしまいます。そのため、「今すぐ入金して欲しい」などと言われても、対応が難しいと言うためにも、返金ポリシーに記載しておかなくてはなりません。
Shopify(ショッピファイ)のおすすめ返金アプリ
最後に、Shopify(ショッピファイ)でおすすめの返金アプリを紹介します。「Bold Returns」と「Return Magic」の2つについて解説します。価格や機能をそれぞれお伝えするので、ぜひ導入を検討してみてください。
Bold Returns
Bold Returnsは、返品や交換を希望する購入ユーザーの要望に応えるフォーマットの設置と、バックヤード操作をおこなうアプリです。
価格
月額19.99ドルで14日間の無料トライアル期間が設けられています。
機能
Bold Returnsは、商品ごとに返品ルールを決められます。
ある商品は購入から30日以内だけれど、違う商品は60日以内といったような柔軟な対応が可能です。また、購入ユーザーとのやり取りにデータを添付できるため、破損箇所や伝票も言葉だけでなく実際の写真データで確認できます。
返品承認は、返品ルールと期限を設定しリクエストを分析した後にできるため、ストアオーナーも安心して利用することが可能です。また、返送時の配送方法の指定も可能で、お客様都合や商品不良など、理由によって変更できます。
その他にも、多言語対応もしているため、幅広い言語を設定可能です。そして、海外ユーザーに対しても返金対応が可能です。
使い方
Bold Returnsは、デフォルトで4つの返品理由を選べます。内容の編集もできるため、自分でカスタマイズしたい場合も対応可能です。
返品リクエストがあった場合は、自動で承認するか、返品応に使用するメールアドレスの設定もできるため、返品時にどのような対応をするか決めておくと良いでしょう。
また、返品対応も時間が掛かります。そのため、なるべく工数削減をしたいなら、Bold Returnsに頼れます。
その他にも、細かく条件設定もできるので、返品や交換が可能な期間や現金での返金なのか、それともクーポンとの交換なのかなども自分で決められます。
Return Magic
Magic Returnは、これまで2,000以上のストアで利用されている返品アプリです。
価格
基本プランは、月額10ドルです。ただし、1ヶ月10点までの返品の制限があります。
機能
Magic Returnは、独自の返品専用のポータルを作成でき、カラーやテキスト、CSSを自由にカスタマイズできるので、自分たちのストアイメージに沿ったものを構築できます。そして、承認後の払い戻しを自動化し、現金やギフトカードの払い戻しの選択も可能です。
また、多言語対応しているため、海外ユーザーも返金機能を利用でき、返品のためのラベルも自動で生成および印刷もできるため、自分で準備する必要もありません。
使い方
Magic Returnは、インストールすると10分ほどで返品専用のフォームを作成できます。そのため、購入ユーザーへ容易に返金したり、返金以外にも商品の交換処理や、新しいギフトカードでの返金を行うことが可能です。また、自動で返金することはなく、ストアオーナーの承認を取ってから実行されるので安心してください。
返金用のフォームは自動で作成できますが、ストアに合わせて構築できるため、サイトの中で違和感を与えることもありません。さらに、Magic Returnはインストールも簡単で、返品ルールを設定できるため、一度作ってしまえばその後の管理もやりやすくなるでしょう。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)の返品・返金について解説しました。通常の販売ではそこまで多くはない返品と返金ですが、商品が売れれば売れるほど返品・返金の可能性は高まります。
また、返品・返金は自分たちに非がある場合のみとは限らないため、必ず「商品のキャンセル」や「返品について」などのポリシーをストアに作成してください。返金手段や日数を明確に定めなければ、後々トラブルに発展する可能性も否定できません。そのためには、ポリシーとして掲げて、未然に防ぎましょう。
そのほかにも、返品についての記載があった方が、顧客も安心して購入できます。もし届いた商品に不備があったとき、どんな対応をするかを購入前に知ることができるからです。購入者との信頼関係を築くためにも、返金ポリシーを作成すべきです。
返金の際にも、Shopifyには返金に関する便利なアプリが用意されているため、自分でゼロから作る必要はありません。月額費用を必要とするものを紹介しましたが、購入者とのトラブルを未然に防げると考えれば安いものでしょう。
返金や返品は、売り上げアップやマーケティングからは、多少離れた内容ですが、事前に検討しなければならない事項です。Shopifyにはアプリも準備されているので、そこまで時間を掛けずに取り組めるのではないでしょうか?まだ対策していないストアオーナーは、ぜひ今回の記事を参考に検討してみてください。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。