Shopify(ショッピファイ)をはじめとしたECサイトにおいて、ここ数年でポップアップ機能を積極的に導入するサイトは格段に増加しました。
ストアのセッションはあるのに離脱率が高くて売上(コンバージョン)が思うように上がらなかったり、カートにまでは入るのに購入に至らなかったりといった悩みを持ちながらShopifyストアの運営している方もいらっしゃるのではないでしょうか?こういった悩みを改善してくれる機能が、ポップアップです。
ポップアップツールは、ショッピングサイト以外にもWebサイトの接客の方法としても注目されています。ショッピングサイトにおける役割は、適切にポップアップを表示することで、顧客に商品の購買を促すことでしょう。購買意欲を高めるために必要な要素を考えてポップアップ表示することで、売り上げを向上させることができるかもしれません。
ただし、ポップアップにはメリットばかりではありません。適切に表示させないと、ユーザーに煩わしさを感じさせて不快な気持ちにさせてしまい、返って離脱率を上げてしまいます。そこで今回は、Shopifyストアにポップアップを表示する方法と、メリットや注意点について解説していきます。
Contents
ポップアップとは
ポップアップとは、 英語では「ポンと飛び出る」とか、「突然起こる」という意味で使われ、ポップアップトースターなどを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。
Webサイトにおける機能としては、操作画面で最前面に飛び出すように表示されるウィンドウの事を指し、ユーザーにメッセージを伝えたり、何かしらの操作を促したりするために利用されます。サイトを訪問したユーザーの心理やニーズを読み取り、それぞれの訪問者にとって有益な対応をポップアップによって表示することがウェブ接客において肝心です。
接客が行き届いたお店にはリピーターが多いのに対して、接客が乏しいお店には二度と訪れてもらえないのと同じように、ECサイトにおいてもユーザーの気持ちを掴むことはそれだけコンバージョン率の上昇とリピーター獲得につながります。
ポップアップは何かしらの操作を行わないと表示を消すことができなかったりサイトの最前面に表示されたりするため、ユーザーは必ず目にするウィンドウです。効果的にアピールをしていきましょう。
ポップアップを表示するメリット
Shopifyのストアを訪れてくれたユーザーが何かしらを理由にストアから離れようとした際や、それから購入を迷っているような状況の際に、確実に見てもらえるポップアップウィンドウを表示させて、割引きクーポンなどを提示する事で購入に至るようなケースも少なくありません。購入を迷っているユーザーの行動には、次のような例が考えられます。
- サイト滞在の時間が長い
- スクロールを何度も繰り返している
- 他の商品のページを行き来している
このような行動をしているときにポップアップを表示することで、購入を促すことができます。また、カート画面から離脱しようとした際にポップアップを表示させてかご落ちを防いだり、キャンペーンをポップアップ表示することでユーザーをサイトにつなぎ止めたりすることもできます。
つまりは、ポップアップツールにより、ユーザーの離脱率を下げることもできるということです。たとえば、次のようなタイミングでポップアップを表示して、ユーザーの離脱を防止しましょう。
- ブラウザの戻るボタンを押したとき
- ブラウザの閉じるボタンを押したとき
- マウスのポインタが画面の外に移動したとき
このような行動は、ユーザーが離脱しようとしていると思われます。そのタイミングで最適なポップアップを表示することで、サイトにつなぎ留められます。
ただし、ここで注意が必要なのは、適切なタイミングで表示しないと、かえってユーザーの行動を邪魔してしまい、信頼度を損ねたり離脱を促進したりする可能性もあるため、ポップアップを表示するタイミングや内容は十分に考慮しましょう。通常、ECサイトでのポップアップの表示内容は、おすすめの商品を紹介したり、クーポンを配布したりすることが効果的と考えられています。
Shopify(ショッピファイ)でのポップアップの活用方法
ECサイトでのポップアップ表示は、ユーザーにお得な情報を伝える方法としてとても有効です。Web接客とは、その名のとおり、インターネット上における接客のことをいいます。
一般のお店における接客では、お客様に声をかけて困っていることに対応したり割引きの提案をしたり、商品に関する追加の情報を伝えて興味や関心を引き、最終的に商品の購入につなげることを目的としています。このプロセスをネット上で行うことがウェブ接客です。
このようなWeb接客をECサイトでも実施するために、ポップアップを利用してクーポンやキャンペーン、おすすめ商品を紹介するケースが多々あります。ECサイトにおいて、ポップアップに表示すると効果的なそれぞれの内容について解説していきましょう。
- おすすめ商品を表示する
- クーポンを表示する
- キャンペーンの告知を行う
- ABテストを実施する
おすすめ商品を表示する
ポップアップでおすすめの商品をユーザーに提案してみましょう。別の商品を探していたユーザーや、たまたま訪れたユーザーに対してストアのおすすめの商品をアピールすることができます。
おすすめ商品を表示する際には、ユーザーにとって、お得な商品や新しい商品の発見にもつながるように設定しておくと良いでしょう。また、サイトを離脱しようとした際にも、おすすめ商品の提案を表示することで、サイトからの離脱防止にも繋がります。
クーポンを表示する
ユーザーに対して、商品の割引きクーポンや送料無料クーポンの情報を提案して購入してもらうことで、購入率アップにつなげられます。
また、 初回限定のお得なクーポンを表示すれば、 新規顧客の獲得も行う事ができますし、新規会員登録でクーポン進呈と設定しておけば、会員数を増やし、後のマーケティングにも活かしていくことができます。
ポップアップによるクーポンの表示は、新規顧客、 既存顧客の両方に有効な施策といえます。
キャンペーンの告知を行う
クーポンを表示する場合と似ていますが、次のようなキャンペーンを実施している際、 ポップアップ機能を使ってユーザーにそれらのキャンペーン情報を伝えることができます。
- 「今だけ全品○割引き」といった商品の割引き
- 「○○円以上のお買い物で送料無料」といったキャンペーン
- 「ポイント遠元アップ中」といったポイントキャンペーン
また、キャンペーン開催の予告を表示すれば、ユーザーの再訪問にもつながります。メルマガ登録者限定キャンペーンの告知をすれば、会員登録を促し、顧客リストを増やしてメールマーケティングにも活かすことができるため、ポップアップの有効な使い方だといえるでしょう。
ABテストを実施する
ポップアップ機能を導入した場合、ABテストを行ってポップアップの効果を測定することも重要です。
ABテストとは、売り上げ向上のマークティング施策の一つで、 2つの違ったパターンを用意し、どちらの方法がより効果が出るのかを比較検証するテストのことです。ポップアップのレイアウト、テキストや画像などの表示内容、そして表示するタイミングや消えるタイミングを複数パターン用意してデータをチェックし、 より成果の出るポップアップを選択していくことで、ストアからの離脱率の低下や売上向上につなげていきましょう。
もちろん、ポップアップの導入前と導入後で比較することも大切です。導入後に売り上げが下がってしまっては逆効果だったということになります。クーポンなどに限らず、ポップアップではメール配信やショップ会員の登録などをユーザーに対して提案できますので、会員数を増やしてメールマーケティング施策をするために活用することも可能です。
Shopify(ショッピファイ)でおすすめのポップアップアプリ
ポップアップツールを選定する際、まずはカスタマイズ性が充分かどうか検討することをおすすめします。実店舗で接客しているかのような体験をWeb上でも提供するためには、トップページだけでなく、それぞれのページごとに行いたい接客は異なる可能性が高いからです。
表示内容はもちろんのこと、シナリオやセグメントごと、また画面やページごとのカスタマイズが可能かどうかといった点に着目して、アプリの選定を行ってください。多くのポップアップツールでは、顧客データの分析から、ポップアップ表示の設定、効果測定までを管理することができます。
- Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMS
- SmartPopup: Promotion Popup
- ポップアップサポーター
Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMS
Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMSは、Shopifyのストアにポップアップを表示したり、ユーザーにメルマガ登録を促してメールマーケティングを行ったりするための代表的なアプリです。Privyではポップアップを表示させるトリガー(行動や時間経過による指定)の設定ができます。
たとえば、クーポンなどのキャンペーンを表示する場合には、ポップアップ表示のトリガーを「商品をカートに入れたままでサイトを離脱しようとしたとき」という指定をしておけばカゴ落ちを防ぐことができます。バナー画像やテキスト、入力フォームなどといったように、さまざまなタイプのポップアップを作ることが可能です。
おもしろい機能として、Privyにはルーレット式のクーポンキャンペーンが行えるようになっています。ルーレットには「10%オフ」や「送料無料」などの項目を入れておき、ユーザーは自分で当てたクーポンを利用してお買い物をすることができます。またその際にも、メールアドレスを入力するように設定することも可能ですので、マーケティングにも有効活用ができます。
管理画面の「A/B Tests」から「New A/B test」をクリックすることで、簡単にABテストを実施することもできます。リアルタイムでデータの監視ができ、ポップアップからの収益の発生状況などをすぐに知ることができます。
SmartPopup: Promotion Popup
SmartPopup: Promotion Popupは、Shopifyアプリストア上で☆4.8と高い評価を得ており、日本でも人気のポップアップアプリです。表示したいページを指定してポップアップを表示させることができますので、カートページにだけ表示させたり、特定のページにのみや、もちろんすべてのページに表示させたりすることもできます。
必要な内容に合わせた14種類のポップアップのテンプレートがあり、作成も簡単です。作成したポップアップをどのタイミングで表示・非表示にするかのか、トリガーの設定を行うこともできますし、ポップアップを非表示にするための動作も、時間指定やユーザーの操作から選択できます。
ポップアップサポーター
ポップアップサポーターはシンプルな設定画面で簡単に操作できるポップアップアプリです。設定画面も日本語で、ポップアップの表示位置の設定や、PC(パソコン)とスマホ(モバイル)での表示の切り替えもでき、複数の商品のポップアップを自動で切り替える機能が便利です。
また、カウントダウンタイマー付きのポップアップの作成もでき、購買率を高めることにも役立つでしょう。時間や期間を指定して、特定の商品の割引きを行うタイムセールを行う際にインパクトのあるポップアップを作ることができます。
「~時まで15%オフ!」「10日間限定タイムセール!」といったポップアップも近年では増えている事からも、その効果は実証済みです。これらのポップアップを表示するタイミング、表示する商品はもちろん、商品名や説明文、金額などの変更も可能です。
ポップアップサポーターは日本語で設定可能でシンプルで使いやすいため、初心者の方にもおすすめできるポップアップアプリです。
まとめ
販売チャネルが多様化する中、企業が顧客との良好な関係を持続させていく手段は、ますます複雑化していきます。どんなに優れた商品やサービスを開発しても、接客が不十分であればユーザーのもとには届きません。
ポップアップツールは、ユーザーの行動、滞在時間に応じて画面にポップアップを表示してWeb接客を実現するツールです。ECサイトにおいてのポップアップの役割は以下のような例が代表的です。
- 割引きの表示
- クーポンの表示・配布
- メールアドレス入力フォームの表示
こういったポップアップをどのようなタイミングで、どのようなユーザーに対して、何を表示するのかを考えてアプローチしていきましょう。ユーザーの行動を考えたシナリオを細かく設計し、ユーザーの満足度、利便性などをしっかり把握した上で、適切なツールの使い方ができればサイトの離脱を防止するだけでなく、新規顧客の獲得、コンバージョン率を向上させていくことができます。
接客という言葉どおりに、顧客に対して適切なアプローチをすることを心がけましょう。
アプリを利用すれば、Shopifyのストアにも簡単にポップアップは追加できますが、注意すべき点は、間違ったタイミングで表示したり、興味や関連のない内容のポップアップを表示したりしてしまうと、ユーザーの行動を妨げ信頼度を損ねてしまうことです。
中には偽サイトに誘導する悪質なポップアップもあり、ユーザーが必ずしも望んでいる機能ではありません。ポップアップには警戒心があるということも念頭に置いてユーザー目線で設定しましょう。
Shopifyを利用すれば、目的に合わせてカスタマイズされたECサイトを構築できます。しかし、自社で構築するには手間と時間がかかるため、制作会社に依頼する方がおすすめです。また、ShopifyのECサイトを成功させるには、制作するだけでなく、広告運用などマーケティングの部分も重要です。
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