
Shopifyでも越境ECサイトを運営できることをご存じでしょうか?今回は、Shopifyが越境ECサイト運営に適している理由やストアの構築方法について解説します。Shopifyには越境ECサイト運営に役立つ機能が豊富なので、ぜひ参考にしてください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)が越境ECサイト運営に適している理由
Shopify(ショッピファイ)はなぜ越境ECサイト運営に適しているのでしょうか?まずは、その理由を8つ紹介します。
- 多言語・多通貨に対応しているから
- 多種多様な決済方法に対応しているから
- 配送業務が効率化されているから
- さまざまなデザインに対応しているから
- マーケティングツールが充実しているから
- 連携により販売チャネルを増やせるから
- 誰でも使いやすいから
- 市場の変化に柔軟に対応できるから
多言語・多通貨に対応しているから
海外越境ECサイトの運営でつまずきやすいポイントが「言語」と「通貨」です。日本人がECサイトにアクセスする際に、「日本語」や「日本円」の表示がされていないと、取引するのに不安を感じ商品の購入につながらないのと同じことです。越境ECサイトの運営を成功させるには、販売予定国に合った言語と通貨を設定し、ユーザビリティを高めることが大切です。
Shopifyは、50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応しているため、世界中さまざまな国や地域での越境ECサイト運営に適しています。スマートフォンアプリを利用してその国の言語に自動翻訳したり、運営側が管理ページで翻訳テキストを設定したりすることも可能です。
カートページなどの基本的なページは、設定画面で適切な言語を選択するだけで、最適なテキストに変換できます。また、通貨は自動変換されるため、細かな設定をする必要がありません。
多種多様な決済方法に対応しているから
Shopifyは、ユーザーなら誰でも使える「Shopifyペイメント」の他、100種類以上の決済方法に対応しています。越境ECサイトで利用できるShopifyの決済方法は次のとおりです。
- Apple Pay
- Google Pay
- Shop Pay
- PayPal
- Amazon Pay(アマゾンペイ)
- GMOイプシロン
- Paidy
- SBペイメントサービス
- GMOペイメントゲートウェイ
- Atome(アトミ)
- Smartpay
世界で最も普及している「PayPal」などがあるため、Shopifyストア構築後すぐに越境ECサイトを運営できます。
配送業務が効率化されているから
越境ECサイトでは配送時に送料や関税を計算し、インボイスを作成しなければなりません。しかし、国や地域ごとに算出方法や金額が異なる関税や送料を、商品購入のたびに正確に計算することは困難です。
Shopifyでは、国や地域ごとに関税や送料を正確に計算できます。システム上で自動計算されるため、配送のたびに送り状やインボイスを手動で作成する必要がありません。梱包のサイズや重量を入力すると、各配送会社の料金を一括比較できます。また、商品購入時に送信する20言語分のメールテンプレートを利用可能です。
さまざまなデザインに対応しているから
越境ECサイトでは、実店舗のようにスタッフが直接接客できないため、写真やページのデザイン性だけで商品の魅力を伝えなければなりません。しかし、越境ECサイト構築の経験が少ない企業が、社内人材だけでその国の顧客に合わせたデザインを設計することは困難です。経験豊富なプロに外注しても、デザイナーの採用や開発スケジュールの管理などで膨大なコストがかかります。
Shopifyは、海外受けの良さそうなシンプルでおしゃれなデザインテンプレートが豊富です。70種類以上の公式テンプレートが配布されているため、ECサイト構築の経験がなくても問題ありません。低コストでデザイン性の高い越境ECサイトを制作できます。
マーケティングツールが充実しているから
越境ECサイト運営を成功させるには、計画的なマーケティング戦略が欠かせません。
Shopifyでは、販促効果を狙ってFacebook広告を表示したり、SNSのフォロワーに新商品を紹介したりできます。初回購入した顧客にリマインドメールを送ったり、休眠状態の顧客に割引クーポンを配布したりすることも可能です。
また、最初から海外SEOに対応しているため、複雑なキーワード選定などを行う必要がありません。Shopifyのストア分析機能を利用することで、Facebook広告やGoogle広告の効果も検証できます。
連携により販売チャネルを増やせるから
越境ECサイトの収益を最大化するには、検索エンジンだけでなくSNSとも連携させ、 世界中の顧客とつながることが大切です。
Shopifyでは、Instagramの投稿ページやFacebookのストアタブに商品リンクを設置できます。コメントやいいねなどで顧客とコミュニケーションを取ったり、投稿ページ内でキャンペーンを予告したりと、さまざまな形で顧客にアプローチ可能です。Shopアプリを利用すれば、商品の配送状況を追跡できるほか、特定の商品に利用できる割引クーポンを配布できます。
また、AmazonやeBayなどの大手海外ECモール内に、Shopifyの越境ECサイトを開設することも可能です。集客力が国内モールとは段違いなので、大幅な収益アップが期待できます。Shopify Plusプランであれば、越境ECサイトを卸売店にカスタマイズ可能です。
誰でも使いやすいから
Shopifyで越境ECサイトを構築するのに、複雑な設定や作業は必要ありません。
Shopifyは、直感的な操作だけで誰でも利用できるように設計されています。機能を追加するのに、プログラムのソースコードを編集する必要もありません。公式ページからアプリをダウンロードすれば、すぐに必要な機能を実装できます。
日本語でさまざまな国に合わせた越境ECサイトを作成できるため、外国語に不安がある方でも安心です。技術的なトラブルが発生しても、日本語でのサポートを受けられます。
市場の変化に柔軟に対応できるから
市場の動向は常に変化しているため、越境ECサイトもその都度状況に合わせた柔軟な対応が必要です。しかし、国内産のECプラットフォームは、基本的に他アプリとの連携させる設計になっていません。必要な機能を実装するのに新たに開発が必要であるため、多額の費用やコストがかかります。
Shopifyでは、数千ものアプリが提供されており、独自のカスタムアプリも開発可能です。メールマーケティングに特化したアプリや、不正注文を自動検知してくれるアプリなどをワンクリックで導入できます。Shopifyが作成したアプリであれば、無料でダウンロード可能です。
Shopify(ショッピファイ)で越境ECサイトを運営する方法
Shopify(ショッピファイ)で越境ECサイトを運営するには「Shopify Markets」を利用します。Shopify Marketsは、マーケットの設定や関税といった越境ECに必要な作業を一元管理できるツールです。
越境ECに参入するには、販売予定国の「言葉」「文化」「通貨」の違いを理解しなければなりません。しかし、海外での販売経験がない国内企業が、その国の言葉・文化・通貨に最適なEC環境を整備することは困難です。そのため、その国の言葉・文化・通貨に合わせた設定を日本語でできるShopify Marketsの利用をおすすめします。
Shopify Marketsであれば、海外言語でのSEO対策やドメイン設定などを日本語で実施可能です。価格変換や配送・関税などを国ごとに最適化できるため、世界中のオンライン市場に参入できます。海外販売を効率化する機能が数多く搭載されているため、越境ECサイトの運営をお考えなら、かならず導入しましょう。
独自運営するプラットフォームがある場合
月額料金 | 特徴 | 利用できる機能 | 利用不可の機能 |
---|---|---|---|
$5 | SNSやメッセージングアプリに商品リンクを設定できる |
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独自運営しているSNSやメッセージングアプリがある場合は、スタータープランでも越境ECを運営できます。
スタータープランは、SNSやメッセージングアプリの投稿コンテンツ内に、商品の購入リンクを作成できるプランです。商品と画像があればすぐに販売できるため、個別にECサイトを作成するよりも導入コストがかかりません。リンクの作成にプログラミングが必要ないため、未経験の方でも越境ECに参加できます。
InstagramやWhatsApp、TikTokなどとも連携可能です。また、商品数や販売チャネルなどの変更により、Shopifyでの越境ECが必要になった場合は、ベーシックプランに簡単にアップグレードできます。3日間の無料トライアルが設定されているため、お試しに利用してみるのも良いでしょう。
Shopifyで越境ECサイトを構築する場合
Shopifyで越境ECサイトを構築する場合は、ベーシックプラン以上への加入が必要です。アカウント作成後ストアを構築し、Shopify Marketsに登録すると海外出品ができます。
Shopify Marketsでは、国内向けECサイトを主要マーケットとして登録可能です。加えて、アメリカや中国といった海外マーケットを自由に追加できます。マーケットを追加する手順は次のとおりです。
- メニュー画面から「設定 > マーケット」に移動する
- 「マーケットを追加」をクリックする
- 「マーケット名」に任意の名前を入力する
- 「国/地域を追加」 をクリックする
- この市場に含める国と地域を追加する
- 「完了」「保存] をクリックする
Shopify Marketsでは、国ごとに商品の価格や関税・配送・決済などを自由に決められます。管理画面上でWebサイトを50個まで一元管理できるため、個別に越境ECサイトを運営する必要がありません。基本サービスとして、海外ドメインやSEO対策に対応しています。
Markets Proについて
Markets Proは、米国利用者向けに提供されているShopify Marketsの上位プランです。Shopify Marketsで提供される海外マーケットの最適化サービスのほか、コンプライアンス対応といった複雑な作業も代行してくれます。
現在は一部ユーザーに利用が限られていますが、2023年春には対象ユーザーを拡大する方針です。日本でのShopify利用者にもいずれ提供されるため、越境ECサイトを運営する傍ら定期的に情報をキャッチしておきましょう。
Shopify(ショッピファイ)で越境ECサイトを構築する際の注意点・ポイント
最後に、Shopify(ショッピファイ)での越境ECサイト運営を成功させるための注意点とポイントを解説します。
- Linkpopを活用する
- 多言語に対応させる
- アンケートで顧客ニーズを把握する
- 決済方法を充実させる
- 関税に関する記載を行う
- 海外特有の支払い動向について把握する
- 販売予定国の法律を確認する
Linkpopを活用する
Linkpopは、SNS向けのランディングページを効率的に生成できるツールです。マーケティングツールとして非常に優秀で、顧客を自社のSNSに招待したり、リンクから商品を紹介したりできます。
昨今パソコンよりもスマートフォンのユーザーが多くなっており、ECサイト運営においてもスマートフォン向けに最適化されたページが欠かせません。Linkpopを利用すると、SNS向けに最適化されたコンテンツを簡単に作成できます。TikTokなどに投稿したコンテンツから、数千から数万のフォロワーを増加させることも可能です。
多言語に対応させる
越境ECサイトの言語は、一般的に世界中での話者が多い英語に対応させるのが普通です。しかし、販売予定国のEC利用状況によっては、英語以外の言語を設定する必要もでてきます。そのため、Shopifyでの越境ECサイトはできるだけ多言語に対応させることが重要です。
商品のジャンルや展開する国や地域をしっかりとリサーチして、できるだけ多くのユーザーにアプローチできるように多言語に対応させましょう。
アンケートで顧客ニーズを把握する
外国人は国内ユーザーと価値観やニーズがまったく異なる場合があるため、アンケートなどを実施してニーズを正確に把握しましょう。
商品がどのような人種に人気があるのかがわかれば、商品ページやカスタマーサービスの翻訳もしやすくなります。また、顧客ニーズを把握することは、商品開発の面でも重要です。その国や周辺地域の価値観やニーズがわかれば、売れる商品を効率的に開発できます。
決済方法を充実させる
決済手段は、越境ECサイトの運営において非常に重要です。その国のユーザーが普段から使い慣れている決済手段を実装しないと、途中でサイトから離脱してしまいます。
Shopifyで越境ECサイトを運営する際は、販売予定国にあった決済手段を用意しましょう。先進国ではクレジットカードを利用する人が多いですが、発展途上国では銀行振込やその国特有の決算手段で対応しなければなりません。
たとえば、中国ではデビットカードタイプの「銀聯カード」が決済手段としてよく使われています。逆に、東南アジアでは代引き決済が主流です。
関税に関する記載を行う
越境ECサイトでは国境を超えて荷物を配送するため、商品やサービスに対して関税が発生します。関税は購入者に支払い義務があるため、金額が大きくなると購入拒否などのトラブルにつながりかねません。
そのため、Shopifyで越境ECサイトを運営する際は、商品価格に加えて関税を支払う旨をしっかりと明記しましょう。国によっては輸入が禁止されている製品もあるため、その国で自社商品をEC販売できるか確認することも大切です。
海外特有の支払い動向について把握する
海外ユーザーは、国内ユーザーに比べて商品購入から代金支払いまでのスパンが長くなる傾向にあります。日本のように商品購入からすぐクレジットカード決済や銀行振込などに進むことは多くありません。
Shopifyで越境ECサイトを運営する際は、その国特有の支払い動向を考慮して在庫管理しましょう。注文完了後すぐに商品を補充するのではなく、支払い購入までのスパンを冷静に判断して在庫管理することが大切です。
販売予定国の法律を確認する
越境ECサイトを安全に運営するには、その国の法律に従って商品販売や発送などを行わなければなりません。海外ECマーケットでは、国内では考えられないようなルールが設定されている場合もあるため注意が必要です。
たとえば、中国では越境ECサイトを運営するのに政府からの許可が必要で、違反すると罰金やその他のペナルティを課されます。その他、古着の輸入が禁止されていたり、中古機器の販売には現地確認が必要になったりと、国内より規制が厳しめです。Shopifyで越境ECサイトを運営する際は、その国のルールや法律をしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)で越境ECサイトを運営するには、「ベーシックプラン」以上への加入が必要です。Shopify Marketsを利用して、関税やマーケットの設定を効率化しましょう。Shopifyには越境ECサイトに役立つ機能が豊富に用意されているため積極的に活用してください。
ただし、越境ECの経験がなく、社内にノウハウがないため進めたくても進めようがないというケースも多いことでしょう。そういった場合は、当社NDPマーティングにお問い合わせください。Shopifyを活用した越境ECサイトの制作はもちろん、Google広告やSNS広告の出稿を代行させて頂くことが可能です。少しでもご興味をお持ちの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。