Shopify Flowは、Shopify(ショッピファイ)で行う作業を自動化できるアプリです。ECサイトを効率よく運用するために必要なプログラムをノーコードで作成できます。ノーコードなので難しいプログラム言語を使わずに設定できることがメリットといえます。
Shopify Flowは従来、Shopifyの最上位プラン「Shopify Plus」のみ使用可能なアプリでした。ただ、2022年夏のサマーアップデートでスタンダードプラン以上を利用しているECサイトも利用できるようになりました。
Shopify Flowの使用方法は、Shopify公式サイトにてYouTubeにセミナー動画がアップロードされています。こちらも併せてご覧いただくと理解度が深まるでしょう。
今回は、Shopify Flowを利用するメリットやできることについて解説します。また、使用事例も併せて紹介するので、是非ご一読ください。
Contents
Shopify Flowとは
Shopify Flowは、Shopify(ショッピファイ)で制作したECストアや連携しているアプリ全体で、行動すべきこと(タスク)と行動にいたる手順(プロセス)を自動化できるツールです。ストア内で監視したい行動(アクション)をShopify Flowで設定し自動化することで、業務の効率化が図れます。タスクの自動化という意味ではRPAに近いでしょう。
Shopify Flowを利用するメリット
ECサイトを運営するには、プロモーションをかけたり売上をアップするためのマーケティング活動や在庫管理などさまざまな業務を行ったりしなければなりません。プロモーション等の販促活動からマーケティングに関するデータ分析まで手作業で行うには作業量が膨大なので費用も多くかかります。ここでは、Shopify Flowを利用するメリットについて解説します。
- テンプレートが豊富
- ほかのアプリと連携できる
- ノーコードで作成できるのでプログラムの知識が不要
テンプレートが豊富
Shopify Flowは、テンプレートが豊富なので活用してすぐ始められます。テンプレートの数はなんと100種類以上も用意されているのです。まず、Shopify Flowをインストールして自社ECサイトに紐づけましょう。
まず、Shopify app storeで「Shopify Flow」を選んでアプリを追加しましょう。
インストール画面に遷移するので、インストールします。
オンラインストアのアプリからShopify Flowをクリックするとワークフローが表示されます。
- テンプレートを閲覧して該当するものを使用
- ワークフローを自分で作成する
ワークフローはすでにテンプレート化されているものは、そのまま使用できます。テンプレートに該当するものがなければ、「ワークフローを作成」から作成していきましょう。
Shopify Flowのページには人気のあるテンプレートが自動で表示されています。ここにないものは左下にある「すべてのテンプレートを閲覧する」をクリックして表示します。
Shopify Flowのテンプレートはすべて英語表記になっているため、英語がわからない方は翻訳して設定しましょう。
Shopifyの他のアプリとも連携できる
Shopify Flowは他のアプリとも連携できます。Shopif Flowのヘルプページにも記載されていますが、アプリにコネクターが埋め込まれていると利用できます。2022年12月現在、Shopify Flowで利用可能なアプリは次のとおりです。一部のアプリを抜粋して紹介します。
Age Check
画像引用元:Age Check
商品購入者の年齢確認ができるアプリです。酒類などの販売時に使用します。
●トリガー | 説明 |
---|---|
年齢確認で承認されなかった | 年齢確認で基準に満たない場合に起動 |
年齢確認で承認された | 年齢確認で承認された場合に起動 |
●アクション | |
アプリにより確認を実行 | 注文した商品と購入者の確認を行い、年齢制限を超えていないかを確認 |
Back in Stock Product Alerts
画像引用元:Back in Stock Product Alerts
Back in Stock Product Alertsは商品の在庫切れや再入荷のほか、予約注文や在庫補充などのアラートを送信できます。
CRM PLUS on LINE
画像引用元:CRM PLUS on LINE
CRM PLUS on LINEは、LINEの公式アカウントを使用してCRMとソーシャルログイン機能を実装できるサービスです。
Shopify Flow用のGoogleスプレッドシート
Google Sheets for Shopify Flowは、顧客リストや商品リストなどをスプレッドシートに移行したり共有したりできます。
- アクション:スプレッドシートに行を追加する
- 説明:Googleスプレッドシートの下部に行を追加します。
定期購買
画像引用元:定期購買
定期購買アプリは、サブスクリプションのサービス用にディスカウントや販売のオプションの組み合わせの作成に適しています。
●トリガー | 説明 |
---|---|
紹介購入時 | Huckleberryの定期購買アプリを使用して最初の購入を行うと起動 |
2回目以降の購入時 | Huckleberryの定期購買アプリを使用して2回目移行に購入すると起動 |
Klaviyo – Email Marketing
画像引用元:Klaviyo – Email Marketing
Klaviyoはメールマーケティングツールでは有名なアプリです。Shopify Flowでは配信内容や内容を調整したメールなどを自動送信できます。他にも、数多くのアプリが連携されています。詳しくは、Shopifyのヘルプページを参照してください。
参照:■Shopify Flow ヘルプぺージ | Shopify Flowのコネクタ
Shopify Flowワークフローの要素
Shopify FlowのワークフローはTrigger(トリガー)と条件(Condition)とアクション(Action)の3つを設定すると自動化されたワークフローを作成できます。ワークフローの要素につきましては、Shopifyのヘルプページに記載されています。
ワークフローのコンポーネント | 説明 | 例 |
---|---|---|
トリガー | ワークフローを開始させるイベント。 | 顧客が作成された |
条件 | 設定した条件に基づいて、アクションが実行されるかどうかが決定されます。 | 今まで利用した形跡があるか
初めて利用したのか |
アクション | 条件が満たされたときにストアまたはアプリに加えられる変更 | 初めての利用の方には初回割引クーポン
5回以上利用の方には常連割引クーポンを配布 |
参照:Shopifyヘルプセンター | Shopify Flow Shopify Flowワークフローの要素
ここではShopify Flowでワークフローを作成する際、最初に設定するTrigger(トリガー)について記載します。設定できるトリガーの一部を紹介します。
- Collection created:コレクション作成
- Collection deleted:コレクション削除
- Customer account disabled:顧客アカウント無効
- Customer account enabled:顧客アカウント有効
- Customer Created:新規顧客作成
- Customer deleted:顧客削除
- Fulfillment created:フルフィルメントが作成
- Inventory item created:在庫アイテムが作成
- Inventory item deleted:在庫アイテムが削除
- Order cancelled:注文キャンセル
- Order created:注文作成
- Order fulfilled:注文がフルフィルメント
- Order paid:注文が支払われた
- Product added to store:商品が追加された
- Product deleted:商品が削除された
他にも、さまざまなトリガーがあります。慣れない内はテンプレートを探して作成することをおすすめします。
Shopify Flowのテンプレートとは
Shopify Flowのテンプレートはそれぞれカテゴリ毎に分かれています。代表的なテンプレートを紹介しましょう。
カテゴリ | 英語 | 翻訳 |
---|---|---|
購入体験 | Create Trello card when product inventory is low | 商品在庫が少なくなったらアプリの「Trello】でカードを作成する |
購入体験 | Notify customers that wishlist items are on sale | ユーザーが欲しいものリストに入れた商品が販売開始になったことを知らせる |
購入体験 | Add post-purchase survey results to a spreadsheet | 購入後に取ったアンケートの結果をスプレッドシートに追加する |
顧客 | Track customers without accounts in a spreadsheet | 未会員の顧客をスプレッドシートに追加する |
顧客 | Organize customers by order count tiers | 注文回数に応じて顧客の階層を設定する |
在庫と商品 | Get notified when product variant inventory is low | 商品の在庫が減少したらメール通知を受け取る |
在庫と商品 | Hide and republish products based on inventory level | 在庫状況に応じて商品を表示するか非表示にするかを設定する |
在庫と商品 | Get notified when demand increases for out-of-stock products | 在庫切れの製品に需要が高まったときに通知を受けることができる |
ロイヤリティ | Get notified about large discounts on new orders | 新規注文時の大幅な値引きについてお客様に連絡する |
注文 | Get notified about irregularly large order quantities | 大量注文が発生したら通知する |
プロモーション | Text discount code after first order | 初回注文時に使えるクーポンコードを送付する |
プロモーション | Email discount to customers on their birthday | 誕生日に使える割引クーポンを送付する |
リスク | Cancel and restock high risk orders | リスクが高いと判断した注文を取り消す |
他にも、100種類以上のテンプレートが用意されています。
自分でワークフローを作成する
いよいよ自分でワークフローを作成する手順を説明します。トリガー、条件、アクションの順に設定していきましょう。
Shopify Flowのトリガーを選択をクリックしてください。
複数あるトリガーの中から設定したい内容を選択します。トリガーの種類はShopifyのヘルプページに記載されています。トリガーは英語表記になっていますが日本語のヘルプページは日本語に翻訳されています。
Shopify Flowトリガーの一番上に表記されている「Collection Created」はヘルプページトリガーをテストするの1行目に表示されている「コレクションが作成されたとき」に該当します。英語が難しい方はヘルプページとトリガーを見比べながら設定していきましょう(※トリガーはヘルプページとShopify Flowページと同一のようですが、アクションの順番は異なるため要注意です)。
参照元:Shopifyヘルプページ | Shopify Flowの参考資料 > トリガー
今回はトリガーの上から5番目に表示されている「Customer created(顧客が作成されました)」をトリガーとして設定します。
Shopify Flow上でトリガーが設定されました。続いて条件を設定します。
トリガーの右下にある+ボタンを押すと「条件」「アクション」の設定画面が表示されます。今回のトリガー「Customer created(顧客が作成されました)」は条件付けの設定は無いワークフローとなります。アクションのみ設定可能なのでアクションを設定していきます。
Shopifyヘルプページによると「Customer created(顧客が作成されました)」のトリガーに対して設定可能なアクションは12種類あります。
Add customer tags | 顧客タグを追加する |
Create redirect URL | リダイレクトURLを作成する |
Delete redirect URL | リダイレクトURLを削除する |
Remove customer metafield | お客様のメタフィールドを削除する |
Remove customer tags | お客様タグを削除する |
Remove shop metafield | ショップのメタフィールドを削除する |
Send HTTP request | HTTPリクエストを送信する |
Send internal email | 内部メールを送信する |
Update customer metafield | お客様のメタフィールドを更新する |
Update customer note | お客様に関するメモを更新する |
Update shop metafield | ショップのメタフィールドを更新する |
Wait | 待機 |
今回は、一番目に紹介しているAdd customer tags(顧客タグを追加する)を設定します。
アクションの編集画面をクリックすると、上記画面が表示されます。その後「Tags」に顧客タグを入力します。新規顧客という意味で「new」と入力してみましょう。
トリガーとアクションが表示されました。内容が正しければ右上の「ワークフローをオン」をクリックして自動化を開始します。
まとめ
Shopify Flowについて解説しました。
ECサイトを運営するうえで商品管理・顧客管理・在庫管理は欠かせません。初回利用した人に特別クーポンを配布したり、リピーターに対して5回以上購入したら10%のディスカウントクーポンを発行したりするといった対応は手動だと膨大な手間がかかります。
Shopify Flowを使用すると設定を自動化できるようになります。難しいプログラム言語を使用せずとも検索しながらワークフローを作成できるので便利なアプリです。
2022年のサマーアップデートにより従来はShopify PlusのECサイト運営者しか使用できなかった機能を、スタンダードプランから利用できるようになりました。最初はワークフローの構築に慣れないため時間がかかるかもしれません。
実際のECサイトでいきなりテストするのは難しいという方は、Shopifyパートナーサービスに申し込み、テストストアを作成して試すのも一つの手です。スタンダードプラン以上を利用しているサイト運営者の皆様は、業務効率化を目指してShopify Flowを活用しましょう。
ShopifyのECサイトを成功させるには、制作するだけでなく、広告運用などマーケティングの部分も重要です。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアルをお考えの方や、Web広告などによるプロモーションを行いたいとお考えの方は、当社NDPマーティングまでこちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
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