
Shopifyで越境ECを成功させるためには、多言語対応が欠かせません。ストアを多言語化することで、海外の顧客にも商品やサービスをスムーズに伝え、コンバージョン率の向上が期待できます。
しかし、手動での翻訳は手間がかかり、SEO対策の最適化も考慮する必要があります。そこで役立つツールが、Shopifyの翻訳アプリです。今回は、Shopifyのおすすめ翻訳アプリを厳選し、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく解説します。
Contents
Shopifyで多言語化する重要性
Shopifyでの多言語化が重要な理由は次のとおりです。
- グローバル市場へのアクセス
- コンバージョン率の向上
- SEO(検索エンジン最適化)対策
グローバル市場へのアクセス
近年、越境EC市場は急速に拡大しており、海外の消費者が日本の製品を購入する機会が増えています。特に、日本製品は品質の高さや独自性から世界中で人気です。
たとえば、アジア市場(中国・台湾・韓国) では日本のファッションや化粧品、家電製品が高い支持を得えており、欧米市場(アメリカ・カナダ・イギリス) では日本のアニメやゲーム、食品が注目されています。
そのため、ECサイトを多言語化することで各国のユーザーが自国の言語で商品情報を理解でき、購買意欲を高められることが大きなメリットです。
コンバージョン率の向上
ECサイトの閲覧者が自分の言語で情報を理解できると、購入の意思決定がスムーズになることもメリットの一つです。
特に、商品説明や決済ページが現地語で表示されることで購入プロセスがわかりやすくなるため、カートの離脱率が低下し、結果的にコンバージョン率が向上することがわかっています。
また、口コミやレビューの翻訳にも対応できるアプリを活用すれば他のユーザーの評価を理解しやすくなることで信頼性が向上するほか、購入の後押しになります。
SEO(検索エンジン最適化)対策
各言語に適したキーワードの最適化を行うことで、検索エンジンでの上位表示が狙いやすくなります。例えば、同じ「シューズ」でも英語では「shoes」、フランス語では「chaussures」と異なるため、適切な翻訳が重要です。
多言語化することで現地の検索エンジンでの可視性が向上し、ターゲット市場のユーザーを効果的に集客できます。多言語SEOを活用すれば、各国の検索から流入を増やし、広告費を抑えながら効率的な集客が可能です。
Shopifyを多言語化する方法
Shopifyを多言語化する方法はどのようなものがあるのでしょうか?主な方法は次のとおりです。
- テーマを利用する
- カスタマイズする
- 外部アプリを利用する
テーマを利用する
Shopifyの一部の公式テーマには多言語対応機能が組み込まれており、テーマを利用すれば、追加のアプリをインストールせずに管理画面から直接多言語対応を設定できます。ただし、多言語対応の機能はすべてのテーマに搭載されているわけではないため、事前に対応しているかを確認しましょう。
また、手動で翻訳を追加するため、コンテンツが多いストアでは翻訳作業に時間がかかる場合があります。
カスタマイズする
Shopifyにコードを入れて、翻訳機能を追加する方法もあります。Liquidコード(Shopifyのテンプレート言語)やJavaScriptを活用し、翻訳機能を追加可能です。
ただし、カスタマイズにはある程度のプログラミング知識が必要となるため、コードの編集に慣れている方や、Shopifyの開発者に依頼することをおすすめします。
外部アプリを利用する
より効率的に多言語化を進めたい場合は、Shopify App Storeで提供されている外部アプリを利用する方法が最適です。多くの翻訳アプリは、AI翻訳を活用して自動的に複数の言語に対応し、時間と手間を大幅に削減できます。
また、商品ページやカートページだけでなく、チェックアウトページやメール通知の翻訳にも対応しているアプリも多いため、ストア全体を包括的にローカライズできます。ただし、アプリの多くは有料プランがあり、無料プランでは翻訳できる文字数に制限があることが一般的です。
Shopifyのおすすめ翻訳アプリ
おすすめのShopify翻訳アプリは次のとおりです。
- Translate & Adapt
- Weglot
- T Lab – AI 言語翻訳
- LangShop
- Transcy
Translate & Adapt
Translate & Adaptは、Shopify公式の無料翻訳アプリで、ストアの多言語対応を手軽に行えます。2言語までの自動翻訳が可能で、手動翻訳にも対応しているため、ブランドのトーンを維持しながらカスタマイズできます。
商品ページやカート、通知メールなどの翻訳ができ、小規模ストアや初めて越境ECに挑戦する事業者に最適です。ただし、多言語SEO(hreflangタグの設定や言語別URL生成)には対応していないため、SEOを強化したい場合は別の有料アプリとの併用がおすすめです。
Weglot
Weglotは、AIによる自動翻訳と手動修正の両方に対応した高機能なShopify翻訳アプリです。100以上の言語に対応し、言語ごとのURL作成やhreflangタグの自動設定により、多言語SEOを最適化できます。
サイト全体を翻訳でき、商品ページやカート、チェックアウト、通知メールまで対応しており、訪問者の言語を自動検出し、リアルタイムで翻訳する機能も備えています。無料プランは2,000ワードまでで、超過すると有料プランが必要になりますが、高精度な翻訳とSEO効果を考慮すれば費用対効果は高いといえるでしょう。
SEO対策を強化しながらスムーズに多言語化したいストアに最適なアプリです。
T Lab – AI 言語翻訳
T Lab – AI 言語翻訳は、170以上の言語に対応したShopify翻訳アプリで、AI自動翻訳と手動翻訳の両方が可能です。
商品ページやカート、チェックアウト、通知メールなどを翻訳でき、hreflangタグの設定や言語ごとのURL作成にも対応しているため、多言語SEOの強化にも役立ちます。
無料プランがあり、低コストで利用できることが特徴で、初めて多言語化を試すEC事業者や小規模ストアにおすすめです。ただし、AI翻訳の精度は完全ではないため、一部手動修正が必要になることもあります。
LangShop
LangShopは、200以上の言語と多通貨に対応したShopify翻訳アプリです。
通貨変換機能を搭載しており、多言語対応と同時に、現地通貨でのスムーズな購入体験を提供できることが大きな強みといえます。訪問者の地域に応じた価格表示が可能なため、越境ECのコンバージョン率向上に貢献します。
ただし、無料プランがなく月額課金制のため、導入コストを考慮しましょう。
Transcy
Transcyは、Shopifyストアを多言語・多通貨対応にできる翻訳アプリです。
AIによる自動翻訳と手動での修正が可能で、商品ページやカート、チェックアウト、通知メールなど、ストア全体の翻訳をスムーズに行えるほか、通貨変換機能を搭載しているため、訪問者の国に合わせて価格を自動表示し、スムーズな購買体験を提供できます。
無料プランもあるため小規模ストアでも手軽に導入できますが、より高度な翻訳やSEO機能を活用するには有料プランの利用が必要です。
Shopifyの翻訳アプリを選ぶときのポイント
翻訳アプリを選ぶときのポイントは、次のとおりです。
- 自動翻訳と手動翻訳のバランス
- SEO対策(多言語SEO対応)
- 翻訳対象範囲
自動翻訳と手動翻訳のバランス
Shopifyの翻訳アプリには、AIによる自動翻訳と手動編集の両方を備えたものがあります。
自動翻訳は短時間で多言語化を進められるため、作業負担を減らしながら効率的に翻訳を導入できます。しかし、機械翻訳は文脈を正確に捉えられないことがあり、ブランドのトーンや商品説明のニュアンスが正しく伝わらない場合があります。
一方、手動翻訳が可能なアプリを利用すれば、重要なページやブランドメッセージを細かく調整し、より自然で一貫性のある翻訳が可能です。特に、マーケティング要素が強いコンテンツや、ローカライズが求められる表現では手動修正が欠かせません。
例えば、WeglotやLangifyは、AI翻訳を活用しつつ手動修正もできるため、スピードと精度の両方を重視するストアに適しています。
SEO対策(多言語SEO対応)
海外市場での検索流入を増やすには、多言語SEO機能を備えた翻訳アプリを選ぶことが重要です。適切なSEO対策が施されていないと、各言語のページがGoogleに正しく認識されず、検索結果での表示機会を逃してしまう可能性があります。
例えば、WeglotやLangShopは、多言語SEOを考慮した翻訳アプリで、言語別URLの設定やhreflangタグの自動設定をサポートしています。
翻訳対象範囲
翻訳アプリを選ぶ際は、どの範囲まで翻訳できるかを確認しましょう。アプリによって対応範囲が異なり、一部のコンテンツは翻訳できない場合もあります。
一般的に翻訳可能な範囲として、商品ページやナビゲーション、カートページはほぼすべての翻訳アプリで対応しています。これらのページは、訪問者が商品を閲覧し、購入に至るまでの重要な部分であり、正確な翻訳が求められます。
一方、チェックアウト画面や通知メールの翻訳は、一部のアプリのみ対応しており、課金が必要になるケースも珍しくありません。たとえば、LangifyやTranscyは、メール通知の翻訳にも対応しており、購入後のフォローアップまで多言語対応を行えるのでおすすめです。
Shopifyに翻訳アプリを導入する方法
Shopifyに翻訳アプリを導入するには、次の手順で行えます。
- Shopify App Storeで翻訳アプリを検索する
- アプリをインストールする
- ストアの言語を追加する
Shopify App Storeで翻訳アプリを検索する
Shopifyでストアを多言語対応させるには、Shopify App Storeで翻訳アプリを検索し、最適なものを選びましょう。
「翻訳アプリ」や「多言語対応」などのキーワードで検索すると、Weglot、Langify、T Lab、LangShop、Transcyなどのアプリが見つかります。
アプリをインストールする
Shopifyで翻訳アプリを導入するには、まず管理画面にログインし、Shopify App Storeにアクセスします。
「アプリ(Apps)」メニューを開き、検索結果から選んだ翻訳アプリのページへ移動し、「アプリを追加(Add app)」をクリックしましょう。
その後、Shopifyストアとアプリを連携し、インストールを完了させます。
ストアの言語を追加する
インストールが完了したら、Shopifyの管理画面にログインして「設定」→「言語(Languages)」を開きます。
次に、「言語を追加(Add language)」をクリックし、翻訳したい言語を選択して保存します。
この設定を行うことで、翻訳アプリが適用できる状態になり、選択した言語ごとにコンテンツを翻訳できるようになります。
まとめ
翻訳アプリは、海外展開したり、SEOを強化する上で欠かせないツールです。導入にあたっては、使いやすさや価格に注目して選択しましょう。
Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ていますので、Shopifyでの運営ノウハウを共有したり、コンサルティングを行ったりできます。Shopify運営でお悩みやご不安な点がある方は、下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。