
コロナウイルスの影響もあり、近頃ShopifyでECサイトを立ち上げる企業が増えてきています。Shopifyが選ばれる理由の一つとして、ECサイトよりも長い目で見ると「コスパが良い」ことがあげられます。この記事ではShopify の料金体系について解説していきます。
Contents
Shopifyの料金
Shopifyの料金プランは「ベーシックプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」の3つがあります。下の表に詳しくまとめました。
項目 | ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
---|---|---|---|
月額料金 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
スタッフアカウント数 | 2 | 5 | 15 |
商品登録可能数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
24時間メールサポート | ◯ | ◯ | ◯ |
無料SSL証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
カゴ落ち対策 | ◯ | ◯ | ◯ |
クーポンコード | ◯ | ◯ | ◯ |
ギフトカード | × | ◯ | ◯ |
プロフェッショナルレポート | × | ◯ | ◯ |
カスタムレポートビルダー | × | × | ◯ |
外部サービスの計算済み配送料 | × | × | ◯ |
いずれのプランも、1年契約で10%、2年契約で20%のディスカウントがあります。このほか、「ライトプラン」というプランもあります。ライトプランは、ご自身のウェブサイトやブログにショッピング機能を追加するだけの簡易的な使い方ができるものであり、月額9ドルで利用可能です。
ベーシックプラン:月額29ドル
3つのプランの中で最もコスパが良くおすすめしたいのがベーシックプランです。上の表からわかるように、最安のプランですがほとんどの機能を備えているからです。
SEO対策に関してはどのプランも優劣はありませんし、最初から基本的な機能がそろっています。「まずECサイトをはじめてみたい」という方にぴったりのプランですよ。
スタンダードプラン:月額70ドル
スタンダードプランがベーシックと大きく異なるのは、ログインできるスタッフのアカウント数です。ベーシックは「2人」に対し、スタンダードは「5人」となっています。新型コロナウィルスの影響で在宅勤務の方も多くなったためか、2020年春から「プランを変更した」という企業も多くあります。
また「プロフェッショナルレポート」もぜひ活用して欲しいツールの一つです。これらの詳細が見られるようになるのも、スタンダードプランからです。
- 時間の経過によるお客様数の変化
- 初めてのお客様とリピーターの販売の比較
- 国別のお客様
- リピーター
- 一度限り訪問されたお客様
プレミアムプラン:月額299ドル
プレミアムプランは、売上が大きくスタッフ6名以上で分析・運営していく場合のプランです。広告・マーケティング資金を潤沢に使える企業向けだと言えるでしょう。とはいえ、次のようにメリットは多大にあります。取り入れてモチベーションを上げてみるのもアリでしょう。
- 複雑な色・サイズ・重量など商品種類をたくさんお持ちの企業の場合:「外部サービスの計算済み配送料」は重宝
- カスタムレポートビルダー:プロフェッショナルレポートに加えてカスタマイズして作成できるレポート(最大15名まで)
Shopifyの決済手数料
続いては、Shopifyの決済手数料について解説していきましょう。Shopifyでは、支払方法とプランに応じて手数料が異なります。支払い方法とプラン、手数料をまとめた表が下のものです。
支払方法 | ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
---|---|---|---|
国内オンラインクレジットカード手数料 | 3.40% | 3.30% | 3.25% |
海外オンラインクレジットカード手数料 | 3.90% | 3.85% | 3.80% |
Shopifyペイメント以外の決済サービスの場合の追加料金 | 2.00% | 1.00% | 0.50% |
決済手数料
2018年から利用開始となった「Shopifyペイメント」。「Shopifyペイメント」とは、Shopifyだけで使える電子マネーのようなものです。こちらのサービスを使うと、0.5%〜2.0%の決済手数料を節約することができ、返品→返金対応がリアルタイムにできるメリットがあります。
Shopifyペイメント以外の決済方法だと、クレジットカード手数料+決済手数料が二重にかかる上、クレジットカード会社(または電子マネー会社)の都合のタイミングまで返金対応はされません。そのため、Shopifyペイメントを導入するメリットが大きいことがおわかりいただけるでしょう。一方、ほかの決済手段は決済手数料がかかります。
振込手数料
振込手数料は、加盟店契約会社(クレジットカード会社)や支払システム(電子マネー会社)に支払う手数料が差し引きされた額が振り込まれます。例えば、お客さまがあなたのショップで10,000円の商品を買い、あなたの手元に残るお金をみてみましょう。まずは、クレジットカード払いの場合です。
- 売上:10,000円
- 決済手数料:340円(3.4%)
- 振込手数料:200円(2.0%)
- 入金金額:9,460円
続いて、電子マネーの「PayPal」の場合は下のようになります。
- 売上:10,000円
- 決済手数料:380円(3.4%+40円)
- 振込手数料:250円(出金額5万円未満のため。5万円以上の場合は無料)
- 入金金額:9,420円
このように、会社によって(場合によっては金額によっても)手数料率が異なります。さまざまな種類のマネーを取り扱うことはメリットになりますが、手数料が高いものの比重が多いとデメリットになることもあります。さらに、振込サイクルはやや複雑であり「金曜日にのみ」支払われるため注意が必要です。
入金サイクルビジネスの拠点が日本の場合、金曜日にのみ支払いが行われます。
支払い期間は、5日間と金曜日までの残り日数を加えた日数です。
たとえば、顧客が水曜日にストアで注文した場合、その注文の代金は8営業日後の翌週の金曜日に銀行口座に送金されます。
なお、顧客が日曜日にストアで注文した場合、その注文代金は同じ週の金曜日、つまり5営業日後に銀行口座に送金されます。
「Shopify」公式より引用
最適なプランの選び方
結局のところ、予算がなければ「スタンダードプラン」や「プレミアムプラン」に移行することはできません。もし初めてECショップを開設すると言うのなら、小さく始める=「ベーシックプラン」からが原則です。それで資金が潤沢に確保できるようになり、機能が物足りなくなったら移行していくと言うのが自然な流れだからです。
「ベーシック」と「スタンダード」大きな違いは、先ほど紹介した「プロフェッショナルレポート(マーケティングレポート)」です。データを細分化し、認知→集客→購買にしっかりと結びついているのかについて細かく分析できることが強みです。
プロフェッショナルレポートは、何が買い物客をオンラインストアに導くのか、また何が購入者へと変換させるのかを理解するのに役立ちます。このレポートでは、オンラインストアとお客様とのインタラクションに基づいて、どのマーケティングチャネルが最も多いお客様、また最も高い金額を支払ったお客様に結びつくのかを表示できます。
「Shopify」ヘルプセンターより引用
結局のところ、どこまで機能が必要なのかというのは使ってみないとわからないものです。14日間のトライアル期間ですべての機能を試することができるため、「ベーシック」の機能で足りるのか足りないのかは実際に使って判断すると良いでしょう。なお、各プランごとに利用できる機能を比較した表がこちらです。
ストア分析とレポート | Shopify Lite | Basic Shopify | スタンダード | Advanced Shopify | Shopify Plus |
---|---|---|---|---|---|
ダッシュボード | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
財務レポート(税金と支払いに関する情報を含む) | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
ライブビュー | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
集客レポート | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
在庫レポート | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
行動レポート | 不可 | 可能
(5/6ページ) |
可能 | 可能 | 可能 |
マーケティングレポート | 不可 | 可能
(1/5ページ) |
可能 | 可能 | 可能 |
販売レポート | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
POS販売レポート | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
利益レポート | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
顧客レポート | 不可 | 不可 | 可能
(5/7ページ) |
可能 | 可能 |
カスタムレポート | 不可 | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 |
他のECプラットフォームとの料金比較
これからECサイトを立ち上げたり制作しようとしている方は、他のECプラットフォームと比較してShopifyを導入するかどうか検討したいと考えるでしょう。そこで、Shopifyを海外大手ECプラットフォーム1つ・国内大手のそれ2つと比較してみましょう。
サービス名 | Shopify | Wix | STORES.jp | BASE |
---|---|---|---|---|
料金体系 | 月額29ドル
クレカ手数料国内3.4% |
店舗向けは1,300円
クレカ・PayPal決済のみ1.75%手数料 |
フリープラン0円
決済手数料5% |
月額費用・初期費用0円
売れた場合に6.6%手数料+振込手数料250円+2万円以下の場合500円 |
無料お試し期間 | 14日間 | 14日間 | 無料 | 無料 |
独自ドメイン | 自分で契約 | 自分で契約・初年度無料 | 自分で契約 | 自分で契約・ムームードメインと提携 |
Google Analyticsの活用 | ○ | ○ | 月額プランのみ | ○ |
Google サーチコンソールの活用 | ○ | ○ | ○ | × |
決済方法 | クレジットカード
Shopify ペイメント Apple Pay Google Pay Shop Pay PayPal Amazon Pay KOMOJU 携帯キャリア決済 GMOイプシロン 2Checkout CyberSource BitPay |
クレジットカード
PayPal PayU Apple Pay Ingenico (Ogone) Payline Klarna HiPay CyberSource Digital River AmazonPayments GooglePayments |
クレジットカード
銀行振込 コンビニ決済 翌月後払い キャリア決済(ドコモ払い・au簡単決済・ソフトバンクまとめて支払い) 楽天ペイ 代金引換 Amazon Pay |
クレジットカード
銀行振込(ゆうちょ以外) コンビニ決済 翌月後払い キャリア決済(ドコモ払い・au簡単決済・ソフトバンクまとめて支払い) PayPal ※ただしショップで指定されていない決済方法はできない |
コメント | 決済手数料が最も低く、長くしっかりと運営したい人におすすめ。ほかより分析レポートに長けている。テーマも充実しておりデザイン自由度も高い。 | HTMLの知識のある人なら最も決済手数料が安い。ECサイトというよりは「1からホームページを作る」人にオススメ。バックアップなども自分で行う必要。すべてが自己責任 | フリープランは5品しか出品できないので、月額1,058円の無制限(スタンダードプラン)にする人がほとんど | 決済方法が店によって違うのはネック。クレカのみのところも多い。 |
Shopifyは、他のECプラットフォームに比べて圧倒的に決済方法が多いことがおわかりでしょう。つまり、ECサイトを訪れるユーザーが料金の支払いをする際に選択肢が多く、「自分の支払い可能な方法がないから商品が買えない」というように離脱してしまう可能性を抑えやすいのです。次のようにお考えの場合、他のプラットフォームは避けておいたほうが無難でしょう。
- ショッピングサイトがメイン
- テーマに自由度を持たせたい
- さまざまな決済方法に対応したい
- じっくりとお客様の動きを分析していきたい
- 将来越境ECに取り組んでいく予定が少しでもある
初めての方は無料トライアルの利用がおすすめ
Shopifyの料金プランや各種手数料についてお伝えしてきましたが、百聞は一見に如かず。一度ご自身でShopifyを使ってみることがいちばん良い方法です。Shopifyでは、どのプランでもクレジットカード登録なしで14日間無料で試すことができます。ご自身のECサイトを制作してみて、Shopifyを導入するかどうか検討すると良いでしょう。
まとめ
Shopifyの料金について、プラン別、他のプラットフォームと比較して紹介してきました。最後にまとめておきましょう。
- Shopifyの料金は3種類
- ベーシックプラン:月額29ドル
- スタンダードプラン:月額70ドル
- プレミアムプラン:月額299ドル
- Shopifyの決済手数料
- 決済手数料:0.5%〜2.0%。「Shopifyペイメント」なら無料
- 振込手数料:(クレジットカード会社or電子マネー)会社・金額によって異なる。毎週金曜振込。
- 最適なプランの選び方
- 初めてECショップを開設するなら小さく始める=「ベーシックプラン」からが原則
- 他のECプラットフォームとの料金比較:レポートをもとに集客プランを練る・越境ECに乗り出す予定があるなら「Shopify」一択
- 初めての方は14日間無料トライアルの利用がおすすめ
初心者の方は14日間の無料トライアルで使い勝手を確認しつつ、ECサイト運営とはどういうものなのかについて理解する方法がもっとも近道です。急がせるわけではありませんが、早く出店しなければデータ蓄積もしていきません。迷っている時間があるならば、まず立ち上げてみても良いでしょう。「販路を拡大すること=会社にとってマイナス」にはなりませんよ。この記事が、ご自身のECショップ開店の後押しになれば幸いです。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。