Shopifyの関連商品(レコメンド)アプリ

「Shopifyで関連商品を表示したいけど、どうすれば良いかわからない」と悩んでいませんか?関連商品機能には購入単価の向上といったメリットがあり、効果的な施策です。

今回は、Shopifyでの関連商品アプリの導入方法やおすすめアプリ、注意点をわかりやすく解説します。これを読めば、売り上げ向上につながる「関連商品表示」の仕組みが理解できます。

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Shopifyの関連商品 (レコメンド)とは

まずは、Shopifyの関連商品表示の定義と、どのように表示されるのかわかりやすく解説します。

関連商品の定義

関連商品とは、購入を検討している商品に関連するアイテムを提案する機能のことです。

代表的な例として、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトに表示される「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったセクションが挙げられます。商品ページだけでなく、カートページや購入完了ページにも表示されることがあり、さまざまな購買ステージで顧客の意思決定をサポートする手法として広く活用されています。

関連商品の表示方法

関連商品の主な表示方法には、商品ページでの表示やカートページでの表示、購入完了ページ(サンクスページ)での表示、トップページでの表示、検索結果ページでの表示などがあります。商品ページでは「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった表示が行われ、カートページでは「一緒に買うことがおすすめ」として、追加購入を促します。

さらに、購入完了後のページでも「次回のご購入におすすめ」として関連商品を提案可能です。表示形式は、スライダー型のカルーセル表示や、画像と価格を明示するリスト型表示が一般的です。

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Shopifyで関連商品を表示するメリット

Shopifyで関連商品を表示するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?主なメリットは次のとおりです。

メリット
  • 購入単価が向上する
  • 顧客満足度が向上する
  • 顧客の購買行動が可視化できる

購入単価が向上する

関連商品表示を導入する最大の目的は、購入単価の向上です。

たとえば、スマートフォンをカートに入れた顧客に「保護フィルム」や「充電ケーブル」を一緒に提案するケースです。これにより、顧客は「ついで買い」をしやすくなり、1回の購入あたりの売り上げが増加します。

また、購入を検討している商品の上位モデルや高価格商品を提案する手法もあります。

顧客満足度が向上する

関連商品表示は、顧客が欲しい商品や必要な商品を見つけやすくする仕組みを提供し、ショッピング体験の向上に貢献します。

たとえば、商品を購入した際に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった提案が表示されると、顧客は「他にも必要なものがあるかもしれない」と考えますし、スムーズに必要な商品を発見できるため、ストレスの少ない買い物体験が実現します。

顧客の満足度向上はLTV(ライフタイムバリュー)の向上にも効果的です。LTVは、顧客が1人あたり生涯でどれだけの利益をもたらすかを示す指標であり、長期的なECビジネスの成功には欠かせないポイントといえます。

顧客の購買行動が可視化できる

関連商品表示の導入により、顧客の購買行動を可視化できます。

たとえば、アパレルの場合は「AのスカートとBのトップスが一緒に購入されやすい」というデータが明らかになれば、これらをバンドル商品としてセット販売したり、特集キャンペーンを行えたりします。これにより、広告費用の無駄を削減しつつ、高いROI(投資利益率)を達成可能です。

Shopify運営者にとって、顧客の購買行動の可視化は、競争力の向上と売り上げの最大化を実現するために欠かせない仕組みといえるでしょう。

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Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する方法

Shopifyの標準機能で関連商品(レコメンド)機能はありませんが、次の方法で導入できます。

Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する方法
  • テーマを利用する
  • カスタマイズする
  • アプリを活用する

テーマを利用する

Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する方法の一つに、テーマを活用する方法があります。これを活用すれば、コードの編集をせずに簡単に関連商品を表示可能です。

ただし、基本的にはAIが自動で関連商品を選定する機能はなく、あらかじめ手動で表示する商品を選ぶか、同じコレクション内の商品が自動的に表示されます。テーマの利用方法の手順は次のとおりです。

  1. Shopifyの管理画面から「テーマ」→「カスタマイズ」を選択し、商品ページのカスタマイズ画面に進む。
  2. 「おすすめ商品」セクションを追加し、表示する商品を指定するか、同一コレクション内の商品を表示する設定を行う。
  3. 表示位置をページの下部やサイドバーに調整する。

カスタマイズする

コードをカスタマイズする方法もあります。この方法では、ShopifyのLiquidテンプレートファイルを編集し、商品ページに関連商品を表示できるようにします。

メリットは、柔軟なカスタマイズが可能な点です。表示場所やデザインを自由に変更でき、すべてのテーマに対応します。一方で、LiquidやHTML、CSSの知識が必要なため、初心者には難易度が高い方法です。また、テーマのアップデート時にコードの修正が必要な場合があり、メンテナンスの手間がかかります。

アプリを活用する

Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する最もおすすめの方法は、アプリを活用することです。

アプリを活用すると、AIが自動的に関連性の高い商品を提案し、商品ページやカートページ、購入後のサンクスページにも表示できるため、購入率の向上が期待できます。一方で、月額費用がかかる(無料トライアルあり)ことや、アプリの読み込みがサイトの表示速度に影響する場合があるといったデメリットもあります。

ただし、運用の省力化と売り上げの最大化が同時に実現できるため、運営者にとっては最もおすすめの方法です。

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Shopifyのおすすめ関連商品アプリ3選

Shopifyのおすすめの関連商品アプリは次のとおりです。それぞれの機能を詳しく紹介します。

おすすめのShopify関連商品アプリ
  • レコメンド .amp
  • ReConvert
  • PeecAI

レコメンド .amp

レコメンド .amp

レコメンド .ampは、販売機会の拡大を目的としたレコメンド機能を提供するShopifyアプリです。

全ユーザーの閲覧データに基づくレコメンド機能と、個別のユーザーの行動に基づくパーソナライズレコメンドの2種類のレコメンド機能が利用可能です。これにより、顧客一人ひとりに最適な商品提案が可能となり、回遊率や購入率の向上が期待できます。

さらに、レコメンドウィジェットの配置はコーディング不要で、商品ページやカートページ、購入完了ページ(サンクスページ)など、任意のページに簡単に設置できます。レコメンドタイトルの編集も自由に行えるため、ショップのデザインやトーン&マナーに合わせたカスタマイズも可能です。

ミニマルプラン(月額11ドル)やスモールプラン(月額29ドル)、ミディアムプラン(月額59ドル)、ラージプラン(月額119ドル)の有料プランが4つ用意されており、すべてに7日間の無料体験が付帯しています。

ReConvert

ReConvert

ReConvertは、Shopifyストアにおける購入完了ページ(サンクスページ)を活用したアップセル・クロスセル専用のアプリです。

通常、購入完了後のページは「購入ありがとうございました」と表示されるだけですが、ReConvertを導入することで、関連商品の提案、次回購入のクーポン表示、アンケートの設置などが可能になり、リピート購入の促進や購入単価の向上が期待できます。

ドラッグ&ドロップの操作で、レコメンドウィジェットの追加やクーポンの発行、アンケートの設置、カウントダウンタイマーの表示が簡単に行えます。顧客の行動データをもとに、AIが最適な関連商品を提案するため、購入直後の「購買意欲が高い状態」を活用した追加購入の促進ができるのもメリットです。

アップセルベーシックプランは無料で利用できます。有料プランにはアップセルプレミアム(月額4.99ドル)やアップセルプレミアムプロ(月額7.99ドル)、アップセルエンタープライズ(月額14.99ドル)があり、全ての有料プランに30日間の無料体験が付帯しています。

なお、このアプリは日本語に翻訳されていません。

PeecAI

PeecAI

PeecAIは、ShopifyストアにおいてAIを活用したパーソナライズされた関連商品(レコメンド)を提供するアプリです。顧客の行動データをもとに、一人ひとりに最適な関連商品を自動で提案することで、購入単価の向上や回遊率の改善をサポートします。

このアプリは、商品ページやカートページ、サンクスページなど、複数のページに関連商品を表示可能です。さらに、AIがリアルタイムで購入履歴や閲覧履歴を分析し、顧客ごとに異なる商品を自動提案するため、個別のニーズに対応したパーソナライズレコメンドが実現します。

PeecAIはコードの編集が不要なため、初心者でも簡単に導入でき、デザインのカスタマイズも可能です。ECストアのデザインやブランドイメージに合わせて、ウィジェットのスタイルを調整しましょう。

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Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する手順

Shopifyで関連商品アプリは次の手順で導入できます。

Shopifyで関連商品(レコメンド)を導入する手順
  1. Shopify App Storeにアクセスする
  2. アプリをインストールする
  3. 作成・カスタマイズする

Shopify App Storeにアクセスする

Shopifyでポップアップアプリを導入するには、まずShopify App Storeにアクセスすることが必要です。Shopify App Storeは、ポップアップをはじめとしたさまざまな機能を追加できるアプリがそろった、Shopify公式のアプリマーケットプレイスです。

Shopify App Storeにアクセスするには、最初にShopifyの管理画面にログインし、左側のメニューから「アプリ」を選びます。その後、「Shopify App Storeにアクセス」というボタンをクリックすれば、App Storeのページが開きます。このページでは、目的のアプリを検索可能です。

検索バーに「関連商品アプリ」と入力して検索を実行すると、関連するアプリの一覧が表示されます。その中から、ニーズに合ったアプリを選びましょう。

アプリをインストールする

Shopifyのアプリ一覧から、ダウンロードした関連商品アプリを選んでインストールします。

アプリの詳細ページにある「アプリを追加する(Add app)」ボタンをクリックしましょう。クリックすると、Shopifyの管理画面にリダイレクトされ、「インストールの確認」画面が表示されます。この画面では、アプリが要求するアクセス権限(顧客情報、注文情報、ストアデータなど)が確認可能です。

「アプリをインストール」を選択すれば、ストアにアプリが追加されます。インストールが完了すると、アプリの管理画面が開きます。

アプリによっては無料トライアルが用意されている場合もありますが、有料プランへのアップグレードが必要なケースも多いです。料金体系(無料プラン、月額料金、機能制限など)を事前に確認し、予算に合ったものを選択しましょう。

作成・カスタマイズする

アプリをダウンロードしたら、アプリの初期設定を行い、関連商品の表示ルールやページの指定をカスタマイズします。

さらに、ウィジェットの配置も簡単に行え、商品ページやカートページ、サンクスページのいずれにも関連商品を表示できます。変更を保存し、最終的に動作確認を行えば導入完了です。

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Shopify関連商品アプリを導入する際の注意点

Shopify関連商品アプリを導入する際は次の点に留意する必要があります。

Shopify関連商品アプリを導入する際の注意点
  • コストがかかる
  • 過剰なレコメンドで離脱する場合がある
  • 導入後のメンテナンスである

コストがかかる

Shopifyの関連商品アプリは、無料トライアルが提供されるケースが多いものの、月額課金制が採用されているものが多いです。料金はストアの規模やトラフィック量、表示する商品数によって異なり、一律料金ではないので注意しましょう。

事前の確認を怠ると、予想以上の費用が発生する可能性があるため、料金体系を十分に理解してからアプリを導入することが賢明です。

過剰なレコメンドで離脱する場合がある

関連商品を過剰に表示しすぎると、ユーザーが選択肢に迷い、購入を諦めてしまうリスクもあります。これは「決定回避の法則」と呼ばれる現象で、選択肢が多すぎると判断が難しくなり、最終的に購入自体をやめてしまう可能性が高まるからです。

効果的な方法は、関連商品の表示数を3〜5点に絞ることです。これにより、顧客が選択しやすくなり、購入率の向上が期待できます。また、「他にもおすすめ」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった見出しの工夫をすることで、提案の意図を明確にし、ユーザーの行動を促しやすくなります。

導入後のメンテナンスが必要である

Shopifyの関連商品アプリは、導入後も定期的なメンテナンスが必要です。特に、Shopifyテーマの更新が行われた場合、関連商品の表示が崩れたり、正常に動作しなくなったりするリスクがあります。そのため、テーマの更新後は表示が正しく行われているか確認することが重要です。

また、アプリ自体のバージョンアップも定期的に行われるため、アップデートの内容を確認し、テーマや他のアプリとの互換性をチェックしましょう。アプリが正常に機能しないと、ユーザーの購買行動に悪影響を与える可能性があります。

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まとめ

Shopifyの関連商品アプリは、顧客に適切な商品を提案することで、売り上げアップや顧客満足度向上に大きく貢献する重要なツールです。

本記事で紹介したアプリは、Shopifyとスムーズに連携し、使いやすさや機能性で高評価を得ています。自店舗のニーズに合ったアプリを選び、より効率的なEC運営を目指しましょう。

しかし、さらに高度な関連商品表示機能を実装するには、プログラミングの専門知識が求められます。

Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ていますので、Shopifyでの運営ノウハウを共有したり、コンサルティングを行ったりできます。Shopifyのレコメンドの開発に限らず、Shopify運営でお悩みやご不安な点がある方は、下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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