Shopifyで税込価格を表示する方法

「Shopifyで税込価格を表示するにはどうすれば良い?」「軽減税率対象商品を販売している場合の設定は?」そういった疑問をお持ちのショップオーナーの方は少なくないでしょう。

というのも、日本の顧客向けに販売するショップでは、2021年(令和3)年3月31日までに消費税込みの価格を表示することが義務化されました。Shopify(ショッピファイ)では税込価格と税抜価格を簡単に切り替える機能が搭載されていますが、過去に登録した商品価格の表示を切り替えることはできません。

そこで今回は、Shopifyの表示を税込価格に切り替えて、過去に登録した商品の表示をアップデートする方法を解説します。軽減税率対象商品を扱っている場合や、海外向けに販売を行っている場合の設定手順も解説しているので、該当するショップ運営者は参考にしてください。

税込価格の義務化について

Shopify(ショッピファイ)でショップ運営を行っている方は、税込価格の義務化について知っていますか?日本の顧客向けに販売する場合は、令和3年3月31日までに消費税込みの価格を表示する必要があります。

消費者に対して商品やサービスを販売する課税事業者が行う価格表示が対象です。販売する媒体による区別などはなく、広告や商品カタログ、パッケージなど消費者向けに記載された表記であれば全て税込価格に変更しなければなりません。

例えば、10,000円の商品の税込表示では、次のパターンがあります。

価格の表記パターン
  • 10,800円
  • 10,800円(税込)
  • 10,800円(税込価格10,000円)
  • 10,800円(うち消費税額等800円)
  • 10,800円(税抜価格10,000円、消費税額等800円)

    最もシンプルで消費者にとってわかりやすい表示は、10,800円もしくは10,800円(税込)でしょう。

    税込価格が義務化される背景は、税抜価格表示は消費者にとって支払う金額がわかりにくく、商品によって税込価格と税抜価格が入り混じっていると、比較がしづらい問題があるからです。消費者が支払金額である「消費税額を含む価格」を一目で分かるようにし、価格の比較も容易に行えるように変更する必要があります。

    二度の消費税改正によって事業者の負担が大きくなっていたことから、令和3年3月31日まで「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示しなくても良いとされていました。しかし、令和3年3月31日以降は税込価格表示が義務化に完全に切り替わるため、現在税抜き価格で表示している方は、今回お伝えすることを参考に税込表示への切り替えを行ってください。

    なお、税込価格が義務化に関する詳細は、財務省の案内PDFを参考にしてください。

    Shopify(ショッピファイ)で税込表示に変更する方法・手順

    Shopify(ショッピファイ)で税込表示に変更する方法は以下の手順で行います。

    Shopifyで税込表示に変更する手順
    • CustomEditをインストールする
    • 管理画面からパスワードを設定する
    • 商品を税込価格で表示する
    • 商品の価格をアップデートする
    • 管理画面からパスワードを解除する

    Shopifyでは、「商品を税込価格で表示する」にチェックを入れるだけで簡単に税込表示に切り替えることができます。

    これからショップを開設する方は上記の方法で問題ありませんが、すでにショップ運営を行っており、商品を登録している場合は、以下の方法で税込価格にアップデートする必要があります。登録している商品の表示までは変えられないので、「CustomEdit」というアプリを活用してアップデートしましょう。

    CustomEditをインストールする

    まずはShopify管理画面にアクセスして、画面左側の項目から「アプリ管理」→「アプリを探す」をクリックして、Shopifyアプリストアを開きます。アプリストアの検索バーにCustomEditと入力して検索します。

    CustomEditをインストールする

    CustomEditは商品価格変更をカスタマイズして簡素化できるアプリです。無料で利用でき、簡単に価格変更が必要な商品を見つけて編集を行えます。

    価格変更パラメーターを使用すると、選択した商品を一括で編集でき、個々の商品を手動で編集することも可能です。「アプリを追加」をクリックして、インストールを行いましょう。

    CustomEdit

    管理画面からパスワードを設定する

    次に、Shopify管理画面に戻り、画面左側の項目から「オンラインストア」→「各種設定」をクリックします。パスワードを設定する画面が表示されるので、任意のパスワードを設定し、アクセスできなかったストア訪問者に表示されるメッセージを入力します。

    パスワードを設定する理由としては、価格の表示を切り替えるので、顧客に価格を誤認してもらわないためです。トラブルを発生させないためにも、切り替えはアクセスがなるべく少ない曜日と時間帯に行いましょう。

    管理画面からパスワードを設定する

    商品を税込価格で表示する

    次に、管理画面の左下の「設定」から「税金」を選択して「税の計算」項目の「すべての価格を税込価格で表示する」にチェックを入れます。先ほど解説したように、ここにチェックを入れるだけで、今後登録した商品は自動的に税込価格で表示されます。

    商品を税込価格で表示する

    商品の価格をアップデートする

    次に、管理画面から「アプリ管理」を選択し「CustomEdit」を開きます。切り替え前に登録した商品がある場合は、商品の価格をアップデートします。

    商品の価格をアップデートする

    管理画面からパスワードを解除する

    最後に、管理画面から設定したパスワードを解除して税込表示への切り替えが完了です。パスワードを解除しないと誰もショップにアクセスできなくなってしまうので注意してください。

    Shopify(ショッピファイ)で軽減税率を適用する方法

    Shopifyで軽減税率を適用する方法は次のとおりです。

    Shopifyで軽減税率を適用する手順
    • 管理画面の税金ページを編集する
    • 国の税率を8%に変更する

    5%→8%→10%と、2度の消費税増税による国民への負担を抑えるために、特定の商品に限り10%ではなく、8%で購入できることを軽減税率といいます。軽減税率の対象品目は以下の通りです。

    1. 酒類及び外食を除く飲食料品
    2. 新聞の定期購読料

    上記に該当する商品を扱っているEC事業者は、商品に応じた軽減税率を適用させ、正確な価格を表示しなければなりません。詳しい対象品目や線引きなどは、軽減税率制度の概要を解説している国税庁のページを確認してください。

    管理画面の税金ページを編集する

    扱っている全ての商品に軽減税率を適用したい場合は、次の方法で行います。

    まず、Shopify管理画面左下の「設定」から「税金」を選択し「税の地域」の「日本」横にある「編集」をクリックします。

    国の税率を8%に変更する

    国の税率を「8%」に設定して「保存」します。軽減税率を特定の商品にだけ適用したい場合は、事前にコレクションを作成して、コレクションのみの軽減税率を適用します。

    国の税率を8%に変更する

    同じ日本の税金設定ページの1番下にある「税の優先適用」から「税の優先適用を追加する」をクリックします。

    税の優先適用を追加する

    そして優先適用の追加画面で、軽減税率を適用させたいコレクションを選択し、税率を「8%」に入力します。新たに軽減税率対象の商品を登録した場合でも、該当のコレクションに追加するだけで8%の税率が適用されます。

    軽減税率を適用させたいコレクション

    海外ユーザー向けに税抜き価格を設定する方法

    海外ユーザー向けに販売する場合は、税抜価格を表示する必要があるので、国内ユーザーと海外ユーザーに分けて表示を切り替える方法を解説します。

    海外ユーザー向けに税抜き価格を設定する手順
    • 配送と配達ページで「送料を管理する」をクリックする
    • 日本以外の国を配送先から外す

    Shopify管理画面から「設定」→「税金」を選択し「税の計算」項目の「顧客の国に税金を含める、または除外する」をクリックすると、日本国外の住所から購入があった場合は、自動的にショッピングカードの内容が更新され、税抜価格が表示されます。

    海外ユーザー向けに税抜き価格を設定する方法

    配送と配達ページで「送料を管理する」をクリックする

    まずはShopify管理画面にアクセスして、画面左下の「設定」から「配送と配達」をクリックします。そして、「配送」項目の「送料を管理する」を選択します。

    配送と配達ページで「送料を管理する」をクリックする

    日本以外の国を発送先から外す

    次に、送料管理ページの発送先項目から「海外発送」の右側をクリックし「削除」を選択します。日本以外の国を発送先から外すことで、日本からの注文のみ受け付けるように変更されます。反対に、海外顧客向けの設定では、日本を発送先から削除することで適用されます。

    日本以外の国を発送先から外す

    まとめ

    今回は、2021年(令和3年)3月31日以降に義務化される税込表示において、Shopify(ショッピファイ)の表示を税込価格に切り替える方法や、軽減税率を適用させる方法、海外ユーザー向けに税抜価格を表示する方法を解説しました。

    2021年(令和3年)3月31日以前は、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示しなくても問題ありませんでした。しかし、現在は義務化されているため、消費者向けの表記では必ず税込価格を表示しなければなりません。

    今回お伝えしたとおり、「CustomEdit」というアプリをインストールして表示を切り替えれば、過去に登録した商品の表示方法もアップデートすることができます。

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