
「ECサイトへの流入の伸び率があまり良くない」「効果的に集客できる方法が知りたい」せっかくECサイトを立ち上げたものの、流入数の伸び率があまり良くないと悩んでいるEC担当者は多いのではないでしょうか?ECサイトへ集客するには、主に7つの方法があります。
多くのユーザーに訪れてもらうためには、さまざまな集客方法を組み合わせるのが効果的です。また、集客を増やすにはターゲット設定も怠ってはいけません。
そこで今回は、売れるECサイトにするには必須な7つの集客方法を紹介していきます。ECサイトの集客で困っているEC担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ECサイトの売上を伸ばすには集客は必須
ECサイトの売り上げを伸ばすには、「購入率」や「客単価」も大事ですが、「集客」がとても重要です。ECサイトは立ち上げただけでは商品が売れることは決してなく、ユーザーが訪問してくれて初めて売上が上がるからです。
どんなに魅力的な商品でどんなに魅力的なデザインのサイトでも、知ってもらってアクセスしてもらわなければ何も始まりません。購入率や客単価を上げる施策を行う場合でも、集客数が良くなければABテストだったりキャンペーン実施だったりをすることができないので、集客力がない場合はサイトにユーザーを集めることに注力しましょう。
「楽天市場」や「Amazon(アマゾン)」などの「モール型」を活用してECサイトを制作すれば集客を行いやすいため、これからECサイトを制作する方は、モール型を検討してみても良いかもしれません。
ECサイトの集客はターゲット設定が大事
ECサイトに集客する場合、ターゲット設定が非常に重要です。ターゲット設定を行わないと、どのような手法を使って集客を行えば良いのか定めることができないためです。
たとえば、リピーターを獲得したい場合、「SEO対策」や「インターネット広告」を利用することは非効率です。効率的に集客を行いたいのなら、「どんなターゲットを設定して攻略していくべきか」という点を明確化してから、具体的な集客方法を検討していくことが大切です。
ECサイトへの7つの集客方法
ECサイトの集客数を増やしたい場合、手段は主に次の7種類があります。
- SEO対策
- SNS
- メルマガ
- アフィリエイト
- LINE
- インターネット広告
- 記事広告
これらは、ECサイトの集客方法の中で代表的なものです。それぞれについて解説していきます。
集客方法1:SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、検索された際の結果に自社サイトを上位表示させることによって集客数を上げる施策です。検索結果で上位に表示されるほどクリック率は高まるため、クリック率と連動して集客力はアップしていきます。
SEO対策には、「キーワード対策」や「ブログ記事の作成(コンテンツSEO)」などさまざまな方法がありますが、どれも短期的に効果が出るわけではありません。しかし、一度上位に表示できれば、長期的に集客を狙えることがSEO対策のメリットです。
集客方法2:SNS
SNSは若者を中心に利用する人が増加しており、情報を知りたいときは真っ先にSNSで調べるという人も増えてきています。そのため、今や定番のマーケティングツールの一つになりました。
SNSに良い口コミが投稿されたり、自社のアカウントが拡散されたりすると大きな集客効果が期待できるため、公式アカウントを作って積極的に情報を発信していきましょう。
注意点としては、SNSは媒体によって利用しているユーザー層や機能が異なるため、集客においてターゲットとできるユーザー層や商材、効果的なコンテンツは、それぞれのSNSで異なるということです。自社サイトで扱っている商材やサービスと親和性の高いSNSを選ぶことが大切です。
集客方法3:メルマガ
メルマガは、ECサイトにメールアドレスを登録してくれた方に向けてメールを配信することで、ECサイトへ集客する方法です。自社サイトで商品を購入してくれた方やアカウント登録を行ってくれたユーザーに対してのアプローチになるため、再訪問させたいときに効果的です。
メルマガは比較的購入につながる可能性が高く、費用も安く抑えられるため、費用対効果が高いというメリットがあります。また、機能を追加すればメールの開封率やクリック率などを計測できるため、改善を行いやすいです。
ただし、都度メールを作成する作業が必要となるため、手間がかかったりクリック率や開封率を高めたりといった効果的なメールを送るには、専門的な知識がないと難しいといえます。
集客方法4:アフィリエイト
アフィリエイトは、広告配信システムを提供しているASP(Affiliate Service Provider:アフィリエイトサービスプロバイダ)というサービスを利用して、商品を紹介してくれるアフィリエイターと提携し、自社を宣伝してもらう方法です。成果報酬型なので無駄なコストをかけずに売上を伸ばすことができ、有力なアフィリエイターが見つかれば費用対効果はより高くなります。
アフィリエイトは、アフィリエイターが自社の商材をどのように紹介するのかによって、自社サイトの魅力が下がる場合があります。また、報酬単価が高くないと、アフィリエイターにとってはメリットが大きくないため、魅力的に思わずあまり宣伝してくれません。不正を行うアフィリエイターもいるため、注意が必要です。
そして、売上が発生してもアフィリエイターのメディアに依存するため、紹介してくれているメディアがなくなったら急に売上が発生しなくなるというリスクがあります。
ですので、アフィリエイトだけに頼ることはおすすめしません。アフィリエイトもやりつつ、他の方法も使って同時に集客を行いましょう。
集客方法5:LINE(ライン)
ECサイトの集客方法には、「LINE公式アカウント」を利用した方法もあります。LINEでメルマガのような配信を行える機能です。
最初に「友だち登録で300円OFFクーポン進呈」といった文言をECサイトに追加して、LINEの友だち登録を促します。次に、メルマガのようにメッセージを定期的に配信し、購買につなげるというフローです。
LINEはメルマガと比べると難易度は少々高いですが、友だち登録するということはECサイトとのエンゲージメントが比較的高い状態ですので、積極的にアプローチしていけば良い顧客になってくれます。
集客方法6:インターネット広告
インターネット広告は、主に次の4種類に分けられます。
- リスティング広告
- インフィード広告
- 動画広告
- SNS広告
これら4種類以外にも、たとえば「リターゲティング広告」などがありますが、当然広告を出稿する際は費用がかかります。初めて広告を出稿する際、効果測定は困難ですし、商品単価が低い場合、想定よりも費用対効果が低い場合がありますので、自社に適切な広告方法を判断する必要があります。
集客方法7:記事広告
記事広告とは「タイアップ広告」とも呼ばれ、第三者が商品の魅力をまとめた記事を、他社のメディアに掲載し魅力を伝える広告手法のことです。
記事なので、リスティング広告などの一般的な広告よりも自然に受け取ってもらえやすく、情報をたくさん記載できるため、より深く正確に魅力を伝えられることがメリットです。
中長期的に取り組む無料・低予算でできるECサイト集客方法
これから紹介する施策は、短期的には効果が出にくいかもしれませんが、地道にコツコツと行うことによって結果が表れ、長期的な売上を獲得することにつながる施策です。なお、無料もしくは低予算で行える施策ではありますが、作業を行う人の人件費がかかります。指標は、CPAではなくROASやROIで測ることが適当でしょう。
- SEO対策
- 動画マーケティング
- SNSの運用
SEO対策
先ほども触れたように、SEO対策とはGoogleやYahoo!などの検索エンジンから集客を行う方法です。SEO対策を行い、検索回数の多いキーワードで検索結果の上位に表示できるようになれば、大きなコストをかけずにユーザーを集客することができます。
上位表示できれば、広告費などをかけずに無料で集客を行うことができ、上位表示されている限り長期的に集客ができます。完全放置とまではいきませんが、少ない手間で集客が行うことができるため、上位に表示できれば費用対効果は抜群です。
しかし、上位表示するまでに時間がかかり、半年から1年またはそれ以上の時間かかると思っておいた方が良いでしょう。
また、上位表示させるのには「内部対策」や「外部対策」、ライティングなどの専門知識が必要になります。それらすべてを行い、継続的にコンテンツを発信していかなければならないためハードルは高いですが、SEO対策は中長期的に集客していきたいときにおすすめの施策です。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、YouTubeなどの動画配信サービスなどを利用して、商品などの発信を行い集客する方法です。5Gの到来により、動画の需要はどんどん高まっている傾向にあります。その理由には、次の3点が挙げられます。
- 昔よりも快適に見ることができる環境が整った
- 接触せずと商品やサービスの魅力を的確に引き出せる
- 集客効果が高い
従来は、動画のような重いデータは見やすいとはあまりいえないような環境でした。しかし、5Gが到来したことにより、動画のダウンロードもサクサク行うことができるようになり、動画を見やすい環境も整いました。
テキストや画像で商品情報を伝えるよりも、動画の方が短い時間で効率良く、的確に情報・魅力を伝えられます。商品のデザインや使い方、購入方法など、事前にまとめて動画にアップしておけば、購入前に不安を感じるユーザーを減らすことができ、購入を促せるでしょう。的確に情報を伝えられるため、クレームも未然に防ぎやすくなるといえます。
また、YouTubeからの集客効果は高く、ブログ記事(コンテンツSEO)に動画を合わせて掲載すれば、時間はかかりますがSEO効果も期待できます。
ただし、動画制作は簡単なものであれば素人でも制作できますが、凝ったものを制作しようとすると、撮影から編集まで専門知識が必要です。社内に動画を作れる人がいないのであれば、動画制作会社などのプロに依頼した方が良いでしょう。
SNSの運用
SNSの運用とは、TwitterやInstagram、Facebook、TikTokなどのSNSで情報を発信し続け、フォロワー数を増やし集客していく方法です。フォロワー数を増やすことができれば、広告費をかけることなくフォロワーにアプローチを行うことができます。
また、継続的に情報を発信し続けていくことにより、ファンが定着し口コミを投稿してくれたり、投稿を拡散してくれたりといったことも期待できます。
SNSの運用はもちろん無料で行うことが可能で、良質なコンテンツを投稿し続けていけばフォロワーが増えてファンができ、購入率アップにつながります。
しかし、SNS運用もSEO対策と同様に、フォロワーを増やしたりファンを獲得したりするには時間がかかります。SNS運用をしていく場合は、良質な発信を長期的に継続して行うことが重要です。そうすれば、フォロワーやファンも増やせることでしょう。
ECサイトの集客成功事例
では、ECサイトの集客に成功した事例を紹介しましょう。紹介する方法はあくまで参考にし、実際集客を行う場合には商品やサービス、業界に最適な方法で行うようにしてください。
- ファーストリテイリング
- ヨドバシカメラ
- トイザらス
- final
ファーストリテイリング
ファーストリテイリングは、「ユニクロ」や「GU」などの衣料品会社を傘下に持つ会社です。その中でも、ユニクロの2020年の売り上げはコロナウィルスの影響でも前年比147%という数字を叩き出しています。
前年比147%を達成できた理由の一つとして、「UNIQLO LIVE STATION」というライブ配信をしながら、視聴者と配信者がコミュニケーションできる方法を採用したことが挙げられます。自社のサイトとアプリのライブ配信を活用し、ファッションモデルやスタイリストなどが登場し、コーディネートのポイントを解説したりユーザーからの質問に答えたりしました。
このような密接なコミュニケーションを実現したことにより、ユーザーの購買意欲を高めて購入につなげることに成功したのです。
ヨドバシカメラ
ヨドバシカメラは、家電やパソコン、カメラなどを販売している量販店です。ヨドバシカメラの出店エリアは駅前が多いですが、大型の家電は倉庫から直接配送する仕組みで、この物流の仕組みに成功の要因があります。
新型コロナウィルスの影響により、実店舗への来店数が減っても、ECサイト購入をスムーズに行うことができ、また注文後最短2時間半で商品を発送する「ヨドバシエクストリーム便」によりユーザーの満足度を大きく高めました。
トイザらス
トイザらスは、世界中のおもちゃやベビー用品などを取り扱っている会社です。Googleの「ショッピング広告」を活用することにより、ECサイトに集客することに成功しました。
Googleのショッピング広告を利用することにより、ECサイトからの売上だけでなく、実際に実店舗で商品を購入したいという欲を刺激し関心を持たせることにより、ECサイトと実店舗で売上を伸ばし成長しています。
また、Googleのショッピング広告に『商品タイトル+「女の子」や「クリスマスプレゼント」』などのキーワードを追加することにより、多くのトラフィックを獲得できています。
final
finalは、日本のイヤホン・ヘッドホンブランドで、海外でも人気があります。
ECサイトを制作し、販売し始めた頃からTwitter運用し、キャンペーンの実施や商品情報の投稿などを積極的に行いました。それらの投稿により口コミが自然に広がっていき、国内だけでなく海外でもファンを獲得することに成功しています。
Twitterの運用では、ただ商品情報を投稿するだけではなく、商品を使った感想のツイートをリツイートし拡散したり、「思い出募集」や「イヤフォン川柳」などのキャンペーンを行い、ブランドを構築したりしています。Twitter運用はとても参考になると思いますので、ぜひ確認してみてください。
ECサイト集客後は購入率(CVR)も大事
ECサイトでは、売上の伸ばすためにはまず集客を行うことが重要ですが、集客後のユーザーの「購入率(CVR:Conversion Rate:コンバージョン率)」も当然重要です。売上は、次のように計算できるからです。
- 売上=集客×CVR(購入率)×客単価
これまでお伝えしてきた方法で集客は行うことができますが、集客はできてもユーザーの「購入率」が低ければ、最終的に売上は立たないのです。
購入率(CVR)は、次のように計算することができます。
- 購入率(CVR)= 購入数÷集客数×100(%)
たとえば、10,000人集客して、商材が5個売れた場合の購入率は、次のように計算できます。
- 購入率(CVR)= 5÷10,000×100(%)= 0.05%
10,000人集客して、商材が500個売れた場合の購入率は、次のように計算できます。
- 購入率(CVR)= 500÷10,000×100(%)= 5.0%
この計算からもわかるように、集客数が同じでもユーザーが購入してくれた数が少なければ購入率は下がります。ですので、集客して終わりではなく、集客後の購入率も重要なのです。
なお、購入率はECサイトや商材、業界によっても異なりますが、一般的にはBtoCの場合は1~3%、BtoBの場合は1~5%ほどを目安に考えると良いでしょう。
まとめ
ECサイト集客方法について解説しました。短期間で集客する方法もありますが、短期的にせよ長期的にせよ継続的に施策を実施していくことが重要です。
特に、SEO対策は半年から1年、またはそれ以上かかる場合もありますが、継続してコンテンツを投稿していくことによって、自社サイトを上位表示できるようになる可能性は高くなります。
また、どんな集客方法を選ぶかよりも先に、ターゲットを明確化することが大事です。そして、ターゲットを明確化できてから集客方法を決めて、集客を実施していきましょう。
Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、ECサイトの運営ノウハウを共有することができます。特に、SEO対策(コンテンツSEO)やインターネット広告においては非常に強みを持っています。ECサイトの立ち上げや、運営に関してお困りの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
ECサイトの運営を始めるなら、知識を持ったパートナーと始めることが大事なポイントの一つです。