
今やオンラインショップでの決済方法もクレジットカードや振込だけでなく、電話会社のキャリア決済や電子マネーなど、その決済方法は多種多様になってきました。
Shopify(ショッピファイ)にも多くの決済方法があるので、迷ってしまう方も少なくありません。また、初めてShopifyでショップを構築していく方や、これから新たに決済方法の導入する方は、決済手数料に着目することが多いと思います。
そこで今回お伝えしたいのは、特に注目すべきポイント「Shopifyの入金サイクル」です。入金サイクルを把握して最適化することで、ご自身のビジネスや、クライアントやビジネスのキャッシュフローを改善することができます。
今回は、Shopifyの入金サイクルを詳しく解説します。おすすめの決済システムも要点や活用方法についてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
Shopifyで利用できる主要な決済システム
Shopifyで利用できる主要な決済システムは次のとおりです。
- Shopifyペイメント
- PayPal
- Amazon Pay
- SBペイメントサービス(SBPS)
- KOMOJU
- GMOペイメントゲートウェイ
Shopifyペイメント
Shopifyを利用する方が必ず押さえてほしいのは「Shopifyペイメント」です。Shopifyが提供する決済システムです。
各種クレジットカードとデビットカード、Apple Pay、Google Pay、Shopify独自のShop Payなどがあるので利用者も多いです。
PayPal
PayPalは200以上の国と地域で利用可能で、異なる通貨での取引もサポートしているため、為替や物価変動にも影響を良くも悪くも受けやすいです。ベネフィットとリスク回避を見込んで対応・実装すると良いでしょう。
PayPalは、越境ECなど海外進出を視野に入れている場合は、押さえておいて損はないシステムだといえます。
Amazon Pay
Amazon Payは、Amazon seller Centralからアカウントを作成するとShopifyとの連携も簡単にできるオンライン決済の一つです。ブランドごとに配送先や支払先を入れることに不安を感じたり、面倒に感じたりする顧客にとっては、とても使いやすいシステムだといえます。
以前はその筆頭がPayPalだったのですが、現在日本ではAmazon Payのシェアが急拡大しています。ECサイト運営者にとっては、信頼性が高く、多くの顧客に利用されているため、導入することでECサイトでの購入率の向上が期待できます。
ただし、Shopifyの手数料の他にもAmazon payへの手数料支払いで「3.9% + 30円/1回の取引」がかかってしまうため、そうしたコスト面では注意が必要です。
SBペイメントサービス(SBPS)
SBPSは現在、Shopifyを運用担当する人達の間でも、ユーザーの利用がとても増えていると感じる、決済手段の一つです。
ソフトバンクまとめて支払い、d払い(NTTドコモ)、auかんたん決済(KDDI)の入金サイクルは、基本的には週単位となっています。ただし、具体的なスケジュールはキャリアや契約条件によっても変わったり、月単位の入金サイクルにも変更できたりする場合があるので、実際に確認が必要です。
KOMOJU
KOMOJUはコンビニ決済や、PayPayなどのスマホ決済、あと払い決済、クレジットカードなど、幅広い決済方法を選べるのでユーザーの利便性も上がる、決済代行サービスの一つです。SBPSと提携している決済手段が類似しているところが多いため、迷われる企業も多いようです。
Shopifyへの導入の相性はどちらも良いですが、実際に自社が提供するサービスと合うものを確認するために、各社に問い合わせて打合せで疑問を解消するのがおすすめです。また、KOMOJUの場合はShopifyへの導入に初期費用はかかりません。SBPSには初期費用と月額固定費がかかることが多いため、初期費用がかからないことはメリットでしょう。
ただし、オプションや追加サービスを利用する場合に費用が発生することがありますので、注意が必要です。入金サイクルは週単位で行われるのが基本となりますが、契約時に調整ができるため、こちらも自社の経理状況や希望をお伝えしていくのが良いでしょう。
GMOペイメントゲートウェイ
GMOペイメントゲートウェイは、ユーザーが使える決済手段がSBPSやKOMOJUと類似しています。しかし、GMOペイメントゲートウェイはSuica、PASMO、WAONなどのいわゆる電子マネー決済が可能です。
スマホで電子マネーとクレジットカードとの連携により、街中で電子マネーの決済手段を利用する人が増えています。ECサイトのリニューアルを考えている場合は、既存顧客にアンケート調査などを実施して、決済手段の実態を分析してから、GMOペイメントゲートウェイの導入を検討すると良いでしょう。
入金サイクルは週単位または月単位から選択できます。自社の希望に合いやすいサイクルを確認して、導入を検討してみてください。
入金システムを選ぶときのポイント
入金システムを選ぶときのポイントとしては、次の3つのポイントを押さえた上で、自社のサイクルに合う決済手段や代行サービスを選んでいくことをおすすめします。
- 入金手数料やコスト管理
- フローや工数管理
- サポート体制や柔軟性
入金手数料やコスト管理
入金システムを選ぶときのポイントで、最初に考えておきたいのは、入金手数料やコスト管理です。Shopifyの場合、注文毎に取引手数料が発生します。個の取引手数料はShopifyに対して支払う手数料となり、これとは別に決済システム(Amazon payやSBPS等)に支払う利用料が発生するため注意が必要です。
Shopifyに対しての支払い手数料は、「Shopifyの歯車マークの設定ボタン>決済」で確認できます。この手数料の割合は、Shopifyで利用しているプランや各種決済システムのプランによって異なるため注意が必要です。
※画像のように、この手数料がすべてのShopifyユーザーに適用されるわけではありませんので、ご注意下さい。
ただし、ShopifyペイメントやPayPalに関しては、取引手数料が0%となり、クレジットカード会社への支払い手数料のみであるためとてもお得です。
自社のターゲット層によっては、コンビニ払いや後払いを希望される傾向などさまざまですので、利用状況をリサーチしながら、ECサイトを運用していくと良いでしょう。
フローや工数管理
入金システムを選ぶときのポイントの2つ目は、フローや工数管理です。決済システムには導入までの工数や費用がかかる場合があります。
たとえば、Amazon payの場合は、Amazon Sellar Centralのアカウントが必要となります。そのアカウントを作成後に、ShopifyでもAmazon Cellar Centralアカウントの有効化を行う手順が必要となります。
そこまで難しい作業ではなく、アカウントの作成も自社で行う必要があるため、自社の作業でまかなえてしまう場合がほとんどです。しかし、不安な場合の保険料といった価値を取りたい場合は、制作会社などにサポートをお願いすることもあると思いますので、その場合は別途費用が発生するでしょう。
サポート体制や柔軟性
入金システムを選ぶときのポイントの3つ目は、サポート体制や柔軟性です。ここ数年Shopifyにおいて不正リスクの精度が上がりアラートがつきやすくなったり、また実際にクレジットカードの不正利用の件数が多くなったりしています。
EC運用を行う中で実際の体感としてもその件数はかなり多くなっており、被害者の方からブランドに実際に問い合わせがくるケースもあります。そうした場合に、チャージバックの対象となり、ブランド側が返金をせざるをえず、商品も戻ってこないという状況になってしまいます。
ただし、SBPSなどはそうした事態の保険として、審査を通過した注文がチャージバックされた場合の補償なども、交渉次第で行ってくれます。サポート体制など、クレジットカードの不正利用が発生した場合の対応方法を、各種決済代行サービスの会社に確認するのもおすすめです。
世界情勢からみるおすすめの決済システム3選
世界中でシェアのあるShopify(ショッピファイ)はアメリカのシステムとなるため、為替の影響などを受ける場合があります。ここでは、日本でECサイトを運用する上でおすすめの決済システムを、実際の運用目線で紹介していきます。
- Shopifyペイメント
- SBペイメントサービス(SBPS)
- PayPal
Shopifyペイメント
ShopifyでECサイトを運用する上で、Shopifyペイメントは、最もコスパの良い決済手段だといえます。Shopifyペイメントでは取引手数料が0%で、クレジットカード会社への約3~4%手数料だけで済むというのも、コスト削減には最善の手段といえるでしょう。
入金サイクルの注意点
入金サイクルは「毎週」あるいは「毎月」の2種類から選べます。
【毎週の場合】
入金サイクルを「毎週」で設定した場合、日本では注文日から5営業日目以降の金曜日に売上金の入金となります。「日本では」としたのは、Shopifyペイメント上で支払いスケジュールを月曜日〜金曜日で選択可能となっているためで、Shopify Japanでは金曜日のみ支払となるため注意が必要です。
土日は含まれないため、日曜日に注文された場合は最短5日後の入金に含まれます。そして、月曜日注文された場合が最長となり翌週の金曜日で11営業日での入金に含まれます。
【毎月の場合】
入金サイクルを「毎月」で設定した場合、毎月の入金日を指定します。ですので、その指定した日には注文日から5営業日前までの売上が入金されます。毎週の入金と同様に、曜日での振り込みとなるため、月末でも日付を跨いでの入金となることはあります。
ただし、毎月入金を希望の場合は、1日〜31日までの間で指定日を決められるので、入金日の基準を曜日に合わせるのか、指定日に合わせるかで決めていきましょう。
そして、Shopifyペイメントは、ECサイトを運営する会社にとっては、コスト面でも外部ツールより安いため、必ず取り入れておきたい決済システムだと思います。月額で利用するプランによって手数料は変動します。
SBペイメントサービス(SBPS)
前述したサポート体制の説明と重なる部分も多いですが、SBPSはサポート体制が非常に柔軟な決済代行サービスです。近年、クレジットカードの不正利用が多発しています。また、外国人による組織的犯行などもあり、海外に輸出されてしまうなど、被害にあった場合、容易には後を追えない事態にまで発生しています。
そうした犯行が横行した場合、配送業者がここの集合住宅は以前に同じ事例があったと教えてくれることもあるくらいに、クレジットカードの不正利用が多発しています。ツールの穴を狙って、そうした被害に合ってしまう企業も少なくありません。
そのため、SBPSの決済で審査OKとなってもチャージバックの対象となった場合など、その他被害を受けた場合の補償も柔軟にサポートしてくれるので、安心して導入をおすすめできるサービスです。
入金サイクルの注意点
SBPSの入金サイクルは、基本的に日本においての外部決済サービス(KOMOJUやGMOペイメントゲートウェイ)と大きく異なる部分はありません。基本的に、週単位または月単位で売上の入金が行われます。契約内容に応じて対応してくれる、または制限がある場合があるため、導入の前にSBPSや、制作会社への相談をすると疑問が解消されるのでおすすめです。
そして、入金サイクルの注意点の他に押さえて欲しいポイントは次のとおりです。
【手数料とコスト】
Shopifyに支払いをする取引手数料の他に、SBPSへ支払い手数料が発生します。またその手数料金額は利用しているプランや契約内容によってパーセンテージが異なるので、ECサイトの成長具合に合わせて都度確認していく必要がでてきます。また、導入に際しての初期費用等もかかってきますので、コスト削減できる部分においては自社で対応するなど、制作会社と相談の上、導入の検討をおすすめしています。
【利用限度額】
キャリア決済というのは、お支払いの際にクレジットカード情報の入力を必要としません。そのため、クレジットカードをお持ちでない顧客や、インターネット上でのクレジットカード決済に不安な顧客にとっても利用しやすい決済手段として人気です。
そして、キャリア決済では月間の利用上限額はクレジットカードなどに比べて、比較的低く設定されているため、顧客の月間利用金額が多いと決済されずに、ブランド側に問い合わせ等がくる場合があります。使いすぎを防ぐという視点がユーザーとしては機能するものの、ブランド側にとっては工数がかかってしまう場合があるので、そうしたお支払いの関するQ&Aなども、ECサイト上に記載するなど、注意が必要になります。
【キャリア別のキャンセル時の注意】
EC運用の観点から、売上金の入金額については顧客がキャンセルを希望した場合の条件も、キャリアごとに確認しておくのがベストです。
たとえば、顧客が複数商品を購入し、そのうちの1商品が手違いなどでキャンセルとなり、その後注文自体のキャンセルを希望された時などです。d払いでは二度に分けたキャンセル処理ができないため、ブランド側から顧客の口座へ返金する必要があります。
ただし、基本的にSBPSからの返金は、全額返金となりません。なぜかというと、返金分が売上金と一緒にされ、そこにSBPSの利用手数料6%程が加算されてしまうためです。
手数料は契約条件により変わってきてしまうので、こうした売上の入金に関して不明な場合は、キャリア毎の状況を調べておくこともおすすめします。
PayPal
PayPalは、Shopifyペイメントと同様に取引手数料が0%であるため決済手段に最適だといえます。
PayPalユーザーにとっては、ブランド側に個人情報を残さなくて良いため、ゲスト購入の形で利用される場合が多いでしょう。近年、ECサイトの利用が増えたからこそ、そういったユーザー心理を理解した上での導入や、高度なセキュリティ体制で安心をアピールする手段にもなるといえます。
今後、世界情勢から、越境ECサイト・海外販売なども視野に入れる必要になってくることでしょう。そのためには、200以上の国と地域で利用可能なPayPalの利用を検討する必要が出てくるといえます。
入金サイクルの注意点
このPayPalの入金サイクルには特徴があり、必ず売上金額がPayPalアカウントに入金されるという点です。そして、その後に手動でPayPalアカウントから銀行口座に送金する必要があるという点です。送金にかかる時間はPayPal側の処理次第となり、通常1〜3営業日かかります。
手動での送金や手数料の発生、入金のタイムラグなどは、運用コストや人為的なミスを防ぐため注意することも必要になるかもしれません。
まとめ
『Shopifyの入金サイクル』や『おすすめの決済システム』について解説しました。
これからShopifyを使ってECサイトを作っていく、そしてリニューアルするといった時、ブランドの成長ステージによっては、顧客の利便性を求められるケースも少なくないでしょう。そうしたお客様の声を大事にしたサービスを提供する上でも、こうした決済システムの比較検討をしながら、導入をスムーズ行ってもらえれば嬉しく思います。
Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。