Shopifyのサブドメインの設定方法

Shopify(ショッピファイ)でECサイトを運営しているとき、すでに運用しているホームページと関連付けたいので、サブドメインを使いたいと考えている方もいるでしょう。しかし、実現にはネットワークの知識や仕組みを知っていないとなかなか大変です。

それに、日本語サポートも充実してきたとは言え、まだShopifyの情報は不足しており、サーバーのマニュアルも複雑でわかりにくいという現状です。問い合わせても、返信が遅かったり、そもそも連絡すること自体面倒と考えて二の足を踏んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、Shopifyストアとサブドメインの設定方法について解説します。

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サブドメインとは?

設定方法の前に、サブドメインについて解説しておきましょう。サブドメインとは、メインのドメインをさらに分割して利用できるドメインのことです。一つのドメインを、目的や用途別に分けて利用するときに使用されます。そのため、メインとなるドメイン(メインドメイン)がなければ、使用できません。具体的には下記のようなものです。

  • メインドメイン:https://www.abcdefg.co.jp
  • サブドメイン:https://www.▲▲▲.abcdefg.co.jp

上記のように、メインドメインの前にドットで区切り好きな文字列を入力して使用します。メインのドメインがあれば、サブドメインは無料、または安価で利用可能です。

また、メインで運用しているホームページにShopifyのストアを関連付けたい場合、サブドメインを使用することで関係性のあるサイトと見てもらえます。そのため、複数のサイト運営時に用いられることが多いです。

Shopify(ショッピファイ)でサブドメインを設定するメリット

サブドメインを設定することにより、Shopifyストアはより専門的で一貫性のあるイメージを構築できます。この戦略には複数の利点があり、それによってオンライン上の企業のブランド強化が可能になります。

具体的には、ブランドのイメージを統一させることができ、別々のECサイトを追加のドメイン費用なしで簡単に立ち上げることができます。また、既存のSEO評価を活用しながら新しいサブドメインを展開できるため、検索エンジンにおける可視性を高めることができます。

ここでは、Shopifyでサブドメインを設定するメリットについて解説します。

Shopifyでサブドメインを設定するメリット
  • イメージに一貫性ができる
  • ドメイン費用をかけずにECサイトを分けて制作できる
  • Shopifyのドメインを使えばメインサイトのSEO評価を引き継げる

これらのメリットを活用することで、Shopifyストアオーナーは効果的にブランドの拡張を図り、顧客体験を向上させることが可能です。サブドメインを戦略的に設定することは、オンラインでの競争優位を保つ上で重要な手段となります。

イメージに一貫性ができる

サブドメインを使用することで、Shopifyストアは顧客に対してブランドの一貫性を保つことができます。

たとえば、メインサイトが製品情報を提供する場合、サブドメインを用いてブログや顧客サポートセンターを展開することが可能です。これにより、サイト全体のデザインとメッセージ性が一致し、ブランドの信頼性を向上させることができます。

ドメイン費用をかけずにECサイトを分けて制作できる

別のドメインを購入することなく、サブドメインを活用して異なるマーケットや製品カテゴリー専用のECサイトを開設できます。これは特に、複数のブランドや異なる地域向けにカスタマイズされたストアを運営する企業にとってコスト効率の良い解決策です。

Shopifyのドメインを使えばメインサイトのSEO評価を引き継げる

サブドメインはメインドメインの一部と見なされるため、既に確立されたSEO評価を利用して新しいサブドメインの可視性を高めることができます。

例として、メインサイトが高いトラフィックと認知度を有している場合、その信頼性をサブドメインにも適用することが可能です。これにより、新規サイトの検索エンジンランキングを速やかに向上させることができます。

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サブドメインの設定方法:Shopify(ショッピファイ)側

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それでは、具体的にShopifyのサブドメイン設定方法について解説しましょう。

すでに運営しているサイトがあれば、独自ドメインを取得しているでしょう。その際に、利用しているサーバー会社がサブドメインに対応しているかを確認してください。対応していなければ、サブドメインの利用をできないため注意してください。

利用しているサーバー会社が、サブドメインに対応しているならば問題ありません。まずは、サーバー会社でサブドメインを取得しましょう。

では、サブドメイン取得と、その後のShopify側の設定を確認しましょう。手順は次のとおりです。

Shopify側の設定手順
  1. 利用中のサーバー会社でサブドメインを取得する
  2. オンラインストアでドメインを選択する
  3. 「既存のドメインを接続する」をクリックする
  4. 既存のドメインとの接続を確認する

ステップ①:利用中のサーバー会社でサブドメインを取得する

サブドメインの取得は、利用中のサーバー会社で取得してください。ドメインを取得した会社にログインして何かする必要はなく、あくまでもサーバー会社の管理画面から行いましょう。

サブドメインの取得は、サーバー会社によりさまざまなので、それぞれのサーバー会社のやり方を参照してください。今回は、例として「エックスサーバーの場合」を紹介します。

まず、サーバーパネルにログインし、「サブドメインを設定」をクリックします。設定を追加したいサブドメインを入力し、「確認画面へ進む」をクリックしてください。

なお、サブドメインの名前は、自由に決められます。そのため、Webサイトの内容を表すような名前が良いでしょう。

次に、手続き内容の確認し「追加する」をクリックすると、サブドメイン設定と無料独自SSLの設定が追加されます。そして、「サブドメインの設定が完了しました」が表示されれば、ドメイン設定の追加は完了です。

なお、サブドメインの設定がサーバーに反映されるまでに、最大で72時間程度かかります。その間は、Web環境によってサブドメインで作成したWebサイトを閲覧できないこともあるため、注意してください。

ここまで終わったら、Shopifyの設定に進みましょう。

ステップ②:オンラインストアでドメインを選択する

最初に、Shopifyの管理画面から「オンラインストア」「ドメイン」「既存のドメインを接続する」をクリックしてください。

ステップ③:既存のドメインを接続するをクリックする

次に、「既存のドメインを接続する」が表示されるので、ここをクリックします。すると、「既存のドメインを接続する」が表示されるので、先ほど取得したサブドメイン名を入力し、「次へ」をクリックしてください。

なお、入力時に「www」などを入力しないように気を付けましょう。

ステップ④:既存のドメインとの接続を確認する

「既存のドメインとの接続」の画面が出てくるので、ここで「接続を確認する」をクリックしてください。すると、「接続を検証する」画面がすぐに出てきます。しばらくすると、「AとCNAMEが正しく入力されていません」というエラーメッセージが出てきます。

どこにも連結されていないサブドメインのため、エラーが出るのは当たり前です。そのため、正しい手順を踏んでいるので、エラーメッセージが出たからといって慌てないでください。

Shopify側の設定はこれで終了です。ただし、サーバー側の設定を何もしていないため、この画面を開いたまま、続いてサブドメインを取得したサーバー会社側の設定に進みましょう。

サブドメインの設定方法:ドメイン取得サイト側

Shopifyストアにサブドメインを接続する過程は、ビジネスのオンライン上の企業のブランドを拡大し、顧客体験を向上させる重要な手順です。このプロセスは、外部ドメインサービスプロバイダーでの適切な設定を行い、その後Shopify管理画面でサブドメインをストアに接続することを含みます。

この記事では、「お名前.com」と「ムームードメイン」という2つの一般的なドメインサービスプロバイダーを例に、具体的なDNS設定の手順を詳しく解説します。これらのステップを正しく行うことで、サブドメインはスムーズにShopifyストアに接続され、オンラインでのビジネス展開がより効果的になります。

お名前.comの例

お名前.comの例

お名前.comでサブドメインを設定する場合、まずは「ドメイン設定」メニューから「DNS設定」章にアクセスします。サブドメインを設定するには、CNAMEレコードを適切に設定する必要があります。

具体的には、サブドメイン名(例:store.yourdomain.com)を指定し、対象とするCNAMEレコードの値として「shops.myshopify.com」を入力します。この設定により、サブドメインはShopifyのサーバーに正しくリダイレクトされ、ドメインの機能が有効化されます。

ムームードメインの例

ムームードメインの例

ムームードメインでサブドメインを設定するプロセスも同様です。ドメイン管理画面にログイン後、DNS設定のページに進みます。ここで、新しいCNAMEレコードを追加し、サブドメイン名を入力し、「shops.myshopify.com」にリダイレクトするよう設定します。

この手順を完了することで、ムームードメインに登録されたサブドメインがShopifyストアに接続され、設定が完了します。

DNS設定変更の詳細

DNS設定は、サブドメインの効果的な運用を確実にするための鍵となります。CNAMEレコードの設定を適切に行うことが最も重要ですが、設定に際しては、DNSレコードの伝播に時間がかかる場合があることを理解しておく必要があります。

通常、DNSの変更が全世界に伝わるには最大で48時間かかることがあります。したがって、設定後は少なくとも1〜2日は監視を続け、サブドメインが正しく機能しているかを確認することが推奨されます。

これらの手順を適切に実行することで、外部サービスからShopifyへのサブドメインの接続がスムーズに行われます。

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Shopify(ショッピファイ)でのサブドメイン活用方法

サブドメインを活用することで、Shopifyストアはそのオンライン上の企業価値を拡大し、ターゲット市場に更に効果的にアプローチすることができます。サブドメインを用いることによって、ブランドの統一感を保ちつつ、異なる顧客セグメントやキャンペーンに特化したコンテンツを提供することが可能になります。

ここでは、サブドメインを使ってECサイトを運営する方法と、SEO及びブランディングの向上に寄与する戦略を掘り下げて解説します。

Shopifyでのサブドメイン活用方法
  • 運営するECサイトと関連付ける
  • ブランディングとSEO向上を図る

これらの戦略を通じて、Shopifyでのサブドメインの活用は、ビジネスの成長を促進し、より多くの顧客にリーチする手段として機能します。サブドメインを効果的に設計し運用することで、マーケティングの効果を最大限に高め、オンラインでの成功を実現することが可能になります。

運営するECサイトと関連付ける

サブドメインを活用する最も一般的な方法は、主要なウェブサイトから独立した特定のマーケティングキャンペーンや製品ラインに焦点を当てることです。

たとえば、主要なドメインが一般的な商品を扱う一方で、サブドメインを用いて特定の季節商品や限定商品を特集することが可能です。これにより、特定の顧客層に直接アプローチし、そのニーズに特化したコンテンツを提供することができます。

具体例としては、ホリデーシーズン専用のサブドメインを設定し、シーズナル商品のプロモーションを集中的に行うことが挙げられます。

ブランディングとSEO向上を図る

サブドメインは、ブランディングとSEOの両方に有効なツールです。サブドメインを使用することで、ブランドの視認性を高める一方で、異なるサブドメイン間でリンクを共有することによってドメイン権威を強化することができます。

SEOの観点からは、サブドメインを特定のキーワードや市場に特化させることで、検索エンジンにおけるランキングの向上を目指すことができます。たとえば、環境に優しい製品を扱うサブドメインは、環境に関心のある顧客を引きつけるための内容で最適化することが効果的です。

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Shopify(ショッピファイ)におけるサブドメイン設定時の注意点

サブドメインを設定する際には、セキュリティと適正な設定が重要です。特にSSL証明書の確認とDNS設定の正確性は、サイトの信頼性と機能性に直結するため、これらの要素を正しく管理することが不可欠です。ここでは、Shopifyにおいて、サブドメインを安全に、かつ効果的に設定するための重要なポイントを解説します。

Shopifyにおけるサブドメイン設定時の注意点
  • SSL証明書の確認が必要になる
  • 正しいDNS設定の重要性を理解する

これらの注意点を遵守することで、Shopifyでのサブドメイン設定が安全かつ効果的に行えます。サブドメインを通じて提供されるコンテンツやサービスが最大限に活用され、ユーザーにとって価値あるものになるよう努めましょう。

SSL証明書の確認が必要になる

サブドメインを設定する際には、SSL証明書の確認が必要です。これは、サイトのセキュリティを保証し、ユーザーに安全な接続を提供するために不可欠です。

たとえば、eコマースサイトでは、顧客の個人情報と取引情報を保護するために、SSL証明書が正しく設定されている必要があります。設定が不十分な場合、サイトは信頼されず、顧客離れを招く可能性があります。

したがって、サブドメインごとにSSL証明書が適切に導入されていることを確認し、必要に応じて更新を行うことが推奨されます。

正しいDNS設定の重要性を理解する

サブドメインの機能と可視性を確保するためには、正確なDNS設定が必要です。DNS設定が誤っていると、サブドメインが正しく機能しなかったり、インターネット上で見つけられなくなったりするリスクがあります。

たとえば、CNAMEレコードやAレコードの設定ミスは、サブドメインが正しく指向されない原因となります。これにより、ユーザーがアクセスできない、または他の場所に誤ってリダイレクトされるといった問題が生じる可能性があります。

サブドメインのDNS設定を行う際には、設定値の確認を繰り返し、変更が完全にプロパゲートされるまで監視を続けることが重要です。

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まとめ

サブドメインの設定、活用法、接続方法、および設定時の注意点について詳しく解説しました。

サブドメインの導入は、Shopifyストアオーナーにとって強力な戦略的ツールです。サブドメインを使用する主な利点は、ブランディングの一貫性を保ちながら異なる顧客セグメントやマーケットニーズに特化したウェブサイトを効果的に展開できることです。また、サブドメインはSEOの観点からも重要であり、適切に設定することで検索エンジンにおける可視性とドメイン権威の向上が期待できます。

サブドメインを設定する際には、SSL証明書の確認と正確なDNS設定が不可欠であることを忘れてはなりません。これらの技術的な側面が正しく管理されていることが、サブドメインの成功的な運用と安全性を保証します。具体的な例として、お名前.comやムームードメインでのCNAMEレコードの設定方法を紹介し、これらのドメインプロバイダーを通じてサブドメインをShopifyに効果的にリンクする手順を解説しました。

サブドメインは、ただのウェブアドレス以上のものです。それは、ブランドを拡大し、特定の目的に合わせたコンテンツを提供するための重要なアプローチです。適切に設定されたサブドメインは、顧客体験を向上させ、結果としてオンラインビジネスの成長を促進します。

したがって、Shopifyストアオーナーは、サブドメインの戦略的な利用を真剣に考慮し、それを適切に管理することによって、その多くの利益を享受すべきです。

当社NDPマーケティングは、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。Shopifyエキスパートによる構築をご希望であったり、ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションを行いたいとお考えだったりする方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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