Candeeロゴ

Shopify Guide編集部では、Shopifyの導入事例を取材形式で紹介していきます。

今回は、株式会社Candee(以下、Candee)に取材を実施させていただきました。

Candeeは、2020年8月上旬よりShopifyを利用しアパレルのECサイト「sabuzyo(サブジョ)」の運用をしています。Shopifyを使用した経緯や実際に使用してみた感想など詳しく伺いました。

なお、取材にご対応いただいたのは株式会社Candee 橋本さまです。

Candee社はどのような会社?

Candeeのロゴ

Candeeは2015年に設立以来、マーケティングやメディア運営に力を入れサービスを提供してきました。一言でマーケティングやメディア運営といっても、業務内容は多岐に渡ります。

そこで、Candeeが行っている具体的な事業内容についてお伺いしました。

事業内容について教えてください

事業は大きく2つに分けられます。

1つ目は、ライブ配信・デジタル動画の制作など、企業様のデジタルマーケティングの支援です。会社設立以来、3万本以上のライブ配信や3千本以上の動画作成など、さまざまな企業様のマーケティングに携わらせていただいています。

2つ目は、D2C(Direct to Consumer)形式の事業です。すでにサービスは終了してしまったのですが、「ライブショップ」という自社メディアの運営を行っていました。これはいわゆるライブコマースと呼ばれるもので、この中でアパレルブランドの起ち上げやインフルエンサーの方のブランドの起ち上げなどの支援を行っていました。

このように、D2Cの形でインフルエンサーの方たちが事業を起ち上げたいと考えている際の支援を行っています。例えば、YouTuberのヒカルさんが2019年11月に起ち上げたアパレルブランド「ReZARD」は、Candeeが商品の生産・企画から販売やCSなどワンストップで行っています。

また、今後は第3の柱となりうる新しい事業を始めようとしており、その流れでShopifyを使用したサイト制作を開始しました。ただし、単なる「受託」という形ではなく、D2Cでインフルエンサーさんの支援をやっていく中で、ECサイトの制作を行っていく形を考えています。

Shopifyを利用する機会は増えていますか?

そうですね、D2Cの支援は数年前から行っていますが他のECプラットフォームを利用していました。その中で、Shopifyが便利だということを耳にしていたため、当社でも初めて「sabuzyo」で利用してみたところです。

「sabuzyo」の概要

SABUZYOのロゴ

sabuzyoは、もともとサブカルストリート女子のコーディネートを紹介するInstagramアカウントから始まりました。若い女性から人気を博し、2020年8月からはオンラインストアをオープンしています。オンラインストアでは、古着で揃えたおすすめのコーディネート販売を行っています。

このオンラインストアを制作するにあたり、CandeeはShopifyを利用しました。

一体なぜShopifyを利用したのでしょうか?sabuzyoのコンセプトとともに、Shopifyを利用した理由についてお伺いしました。

sabuzyoのコンセプトを教えていただけますか?

sabuzyoは、パートナー企業様が運営するサブカル系のファッションを紹介するInstagramのアカウントですが、D2C支援の一環でその企業様と一緒にEC事業を展開していこうということになり、「サブカル系ファッションに興味を持つ若い女の子たちに、良いサブカル系ファッションを届けていきたい」という想いで運営しているECサイトです。

2020年8月現在は古着を中心に取り扱っていますが、今後は買い付けなどを行いたいと考えています。

サイト制作にあたってこだわったポイントはありますか?

アパレルを取り扱っているブランドなので、写真の見やすさにこだわりました。例えば、カートに入れてもらった際、ユーザーにきちんと写真が反映されるように意識して制作しましたね。

Shopifyを利用したのは新しい取り組みだったのですか?

そうですね、「使いやすい」「便利」という声を多く聞いていたため、せっかくの機会なので試してみようと思いShopifyを活用してみることにしました。

実際にShopifyを導入してみていかがですか?

制作に関しては、他のECプラットフォームと比べて非常に手軽に進められると感じました。私は、WordPressを使ったWebメディアの制作経験が豊富です。ShopifyはWordPressに近いCMSであるため、非常に使いやすいと感じました。タグやソースのカスタマイズが自由にできることがとても便利と感じましたね。

WordPressの場合、ECサイトを制作するためにはプラグインの導入などやらなければならないことが数多くありますが、Shopifyではそういった部分がカットされているため、「ECサイトに特化したWordPressがShopify」という感覚が最もわかりやすい表現かもしれません。

また、デザイン面に関しては、ソースを修正すればテーマを自由にカスタマイズできることがとても便利です。他のECプラットフォームの場合、HTMLやCSSの修正が難しい場合も少なくありません。その点、Shopifyは直感的にポチポチとクリックしていくだけでサイトを制作できるため使いやすいです。

また、他のプラットフォームで意外とネックになりやすい「表記の変更」を自由に行える点には使い勝手の良さを感じました。例えば、ECサイトの制作や運営にあたって、デフォルトで「Sold Out」と表示されるものをカスタマイズして「売り切れ」に変えたいという場合が出てくることがあります。この際、他のプラットフォームの場合変更することがすごく手間だったり、変更できないという場合もあります。

しかし、Shopifyでは思い通りにカスタマイズすることができるんです。このように、Shopifyは一言で表すならば「痒いところに手が届く」と感じがします。

Shopifyを導入して良かったというポイントはありますか?

決済手段を追加しやすい点は非常にメリットが大きいと感じました。ECサイトの運営を行ったことがある方はご存知だと思いますが、決済手段はECサイトを制作・運営する上で非常に重要な部分です。というのも、決済手段を追加する際には審査があったり、制作者が決済代行会社に連絡したりする必要があるからです。

その点、申請の手続きこそあれ、Shopifyは決済手段があらかじめデフォルトで登録されているため、自ら選択して追加をしていくだけで設定できるので、大幅に工数を下げることができました。

具体的に言うと、決済手段は「KOMOJU」というものを使用しています。こちらを使用することで、コンビニ決済や銀行振込が可能になりました。sabuzyoは若い女性をターゲットにしているため、一般的な決済手段であるクレジットカードではターゲット層が利用する決済手段と合わないと考えて、KOMOJUを使用しています。いつもなら決済手段の設定でとても時間がかかってしまいますが、時間をかけずに設定できました。

Shopifyのアプリは活用していますか?

現在、sabuzyoではShopifyのアプリは利用していません。ただ、「会員限定のセール」や「有料コンテンツの販売」などはアプリを導入することで簡単に設定できるようなので、今後は随時導入していきたいと考えています。

今後sabuzyoをどのように展開していく予定ですか?

D2Cの事業は、インフルエンサーさんがおり、その方がブランドを起ち上げるという流れが一般的でした。しかし、sabuzyoでは特定の有名なインフルエンサーさんが前面に立っているいうわけではなく、あくまでサブカル系のファッションが好きな人が集まるコミュニティという形をとっています。

そのため、「メディアがECサイトを起ち上げた」といった見せ方になっています。このように、今までのD2Cの流れとは異なり、インフルエンサーさんがいなくても事業が成り立たせられるようにしていきたいと考えています。

Shopifyを利用してみて感じることとは?

Shopify

Shopifyは2020年9月現在、世界175か国で利用されているグローバルシェアNo.1のECプラットフォームです。日本国内でも飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しています。

このように急成長を遂げている理由が必ずあるはず。そこで実際にShopifyを利用しているCandeeに、Shopifyを利用するメリットや使いやすい点など詳しくお伺いしました。

他のECプラットフォームと比べて良い点・メリットはありますか?

商品の登録や販売、配送といった運営面に関しては、他のECプラットフォームと大きくは変わらないと今のところ感じています。ただし、ECサイトを制作にあたって、直感的にクリックして進めやすいようにUI(User Interface)が設計されており、Webサイトの制作経験がある人にとってはとても魅力的なECプラットフォームだと感じました。

使う人の経験値によっても便利・不便の感じ方は異なると思いますが、ECサイトの制作経験を持っている方、HTMLやCSSを日頃から触っているようなWebデザイナーにとっては魅力的であることは間違いないでしょう。

また、Shopifyでは登録できる商品画像のサイズは、他のECプラットフォームのものと比べて大きいです。もちろんサイズ制限はありますが、20MBまでの画像をアップロードすることができます。容量制限があって、商品画像を一つひとつリサイズしなければならないという手間が省けることは大きなメリットだと言えるでしょう。

Shopifyの悪い点・デメリットはありますか?

私がWordPressのカスタマイズに精通していることもあり、使いづらさは感じませんでした。逆に、HTMLやCSSを触ったことがないような方、Webデザインの経験をお持ちでないような初心者の方は使いづらいと感じ、もっと初心者向けのECプラットフォームの方が便利だと感じるかもしれません。

というのも、他のECプラットフォームはWebデザインに関する知識がない人をターゲットとしており、直感的に簡単なECサイトを作ることができるといったものが多いです。

一方で、Shopifyは本格的なECサイトを作りたいという方をターゲットしているため、制作できるECサイトのクオリティが高い反面、Webデザインに関する知識がない方は苦労するかもしれません。

それに加えて、Shopifyは日本で使われ始めたばかりなので、英語でしか情報が配信されていなかったり、Googleなどの検索エンジンで検索してもそもそも情報が出てこなかったりする状態です。そのため、Webデザインに関する知識がない方にとっては、Shopifyは逆に不便だと感じる可能性があると思います。

ECサイトを初めて起ち上げる初心者よりも、ShopifyはWebの知識をある程度持った方におすすめそうですね。

そうだと思います。他のECプラットフォームを利用してECサイトの制作・運営を経験していて、もう少し本格的なECサイトを作ってみたいと考えている方や、サイト規模を拡大したいと思っているような方おすすめです。特に、WordPressを使ってサイトの制作経験がある方には、本当におすすめできるプラットフォームです。

逆に、初めてECサイトを作ろうと思っている方、Webサイトにまったく触れたことがなかったというような方にはあまりおすすめではないと感じています。

Shopifyは今後使用する人が増えていくと思いますか?

Shopifyだけでなく、マーケット全体として、ECサイトが盛り上がっていくと思います。2020年8月現在、新型コロナウイルスの影響によってECサイト(ネットショップ)が大きく盛り上がりつつありますが、今後新型コロナウイルスが終息するかどうかに関わらず、生活様式は変わっていくと考えています。

その中で、今までECサイトを利用して来なかった業種の方や企業、そして個人でも活用する人は増えていくのではないかと思います。Shopifyは他のECプラットフォームに比べてWebデザインの知識が必要となるため、ECサイトの流行の中において、「本格的なサイト運営を行いたい」「運営規模を拡大したい」といったニーズから、他のECプラットフォームから徐々に利用される数が増えていくのではないかと思います。

まとめ

今回は、株式会社Candeeに取材を実施させていただきました。CandeeはD2C事業を行う一環で、Shopifyを利用し始めています。Web制作の経験が豊富ということもあり、「直感的にサイトを作れる」「痒い所に手が届く」など、Shopifyをとても魅力的に感じられていました。

このようにweb制作に関する経験や知識がある方ならば、Shopifyはとても魅力的なECプラットフォームだと感じるでしょう。ぜひ一度Shopifyを試してみてください。その良さがわかりますよ。

Shopify Guide編集部は、メディア「Shopify Guide」の運営によってShopifyの最新情報やノウハウを常に蓄積してきています。ShopifyでECサイトの新規制作・リニューアル、Web広告などによるプロモーションをお考えの方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。