
Shopifyを利用したECサイトは日本でも増え始めており、これからさらに増加するでしょう。そのため、Shopify導入時の料金やプランについて知りたい方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は「ShopifyでこれからECサイトの立ち上げを考えている」「Shopifyの利用料金について知りたい」といった方のために、Shopifyのベーシックプランと利用料金について解説します。ぜひ参考にして、ShopifyでECサイトを開設しましょう。
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Shopify(ショッピファイ)には3つのプランがある
Shopify(ショッピファイ)には、次の3つのプランがあります。
- ベーシックプラン
- スタンダードプラン
- プレミアムプラン
それぞれ搭載されている機能や利用料金は異なりますが、すべてのプランで共通した点もあります。共通点は次のとおりです。
- 初期費用はかからない
- 月払いでなく先払いすると、1年契約は10%、2年契約は20%のディスカウントがある
- アップグレード、ダウングレードのプラン変更はいつでもできる
- Shopifyペイメントを利用すればすべての決済方法に対する取引手数料は無料になる
上記は共通ですが、プランごとの違いについて解説しましょう。
ベーシックプラン(月額料金:29ドル)
ベーシックプランは、「ECサイトをこれから始めてみよう」という初心者向けのプランと言えます。ECサイトに必要な機能はほとんど兼ね備えているため、少なくとも最初の段階で困ることはありません。
Shopifyペイメント以外の支払い方法を選択した場合は、2%の取引手数料が必要で、日本のオンラインクレジットカード手数料は3.4%、AMEX・海外のオンラインクレジットカード手数料は3.9%です。
スタッフアカウント数は2つと少ないため、少人数でストアを管理する必要があります。オーナーを含めても、最大3人での運営を想定しましょう。また、財政レポートや集客レポート、マーケティングレポートなども利用できるためストアの状況分析が可能であり、今後の戦略を練ることができるでしょう。
スタンダードプラン(月額料金:79ドル)
スタンダードプランはスタッフアカウント数が5つと増えるため、役割を分けられます。例えば、商品管理や注文処理などアカウントごとに権限を分けられるので、ベーシックプランと比較するとよりスムーズなストア運営ができるでしょう。
Shopifyペイメント以外の支払い方法を選択した場合は1%の取引手数料が必要で、日本のオンラインクレジットカード手数料は3.3%、AMEX・海外のオンラインクレジットカード手数料は3.85%です。
また、プロフェッショナルレポートが利用可能となり、リピーターや国別の顧客情報など、ベーシックプランに比べてさらに細かいデータを分析できます。まずはベーシックプランで運用し、慣れたりスタッフ数が増えたらスタンダードプランに移行する形が良いでしょう。
プレミアムプラン(月額料金:299ドル)
プレミアムプランは、売上が大きく大勢のスタッフで運営しているストア向けのプランです。すでにECサイトを持っており、さらにマーケティングに力を入れていきたい方が検討すると良いでしょう。
Shopifyペイメント以外の支払い方法を選択した場合は0.5%の取引手数料が必要で、日本のオンラインクレジットカード手数料は3.25%、AMEX/海外のオンラインクレジットカード手数料は3.8%です。
また、「カスタムレポートビルダー」と「外部サービスの計算済み配送料」を利用できます。カスタムレポートビルダーでは、Google広告やその他の流入経路の分析や、リスクのある顧客などのレポーティングも可能です。そして、外部の配送サービスと統合して配送料を自動計算できる配送料の計算機能もあるため、サイズや色、重量などさまざまな商品を扱っているストアにはとても便利です。
Shopify(ショッピファイ)の「ベーシックプラン」の位置づけ
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランは、費用を抑えてECサイトに初めて挑戦する方におすすめのプランです。月額費用は29ドル掛かりますが、サイト制作や販売機能だけでなくレポート機能、SEO対策も可能で、マーケティングに必要な情報も入手できます。
Shopify以外に無料でECサイトを構築できるサービスもありますが、機能が限定されており使っていくうちに物足りなさが出てくるでしょう。その点、Shopifyのベーシックプランは必要な機能が標準搭載されており、最初から本格的なECサイトを構築できます。
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランで利用できる機能
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランで利用できる機能には次のものがあります。各機能の概要について解説していきましょう。
- ストアのカスタマイズ
- SSL証明書の有効化
- 無制限の商品登録
- オンラインストレージの利用
- Shopify POSの利用
- ギフトカードの利用
- オンライン販売チャネルの追加
- 不正解析
- クーポンコードの作成
- スタッフアカウントの発行
- 財務レポートの作成
- カスタマーサポート
ストアのカスタマイズ
ベーシックプランでも、ストアをカスタマイズしてサイト上で商品紹介が可能です。Shopifyに組み込まれているテーマエディタを利用すれば、HTMLやCSSといったコードを書くことなく、オンラインストアのフォントや色、ページレイアウトの基本的な変更ができます。編集のチュートリアルも用意されているため、さらに高度なカスタマイズが必要であれば利用することが可能です。
SSL証明書の有効化
SSL証明書を有効にしてオンラインストアのコンテンツを暗号化し、HTTPSを使って安全に公開します(平たく言えば、「http」を「https」にすることです)。こちらもベーシックプランから利用可能です。
SSL証明書を有効にすると、アドレスバー上でURLの横に南京錠のアイコンが表示されます。これにより、ストアとユーザーとのやり取りを暗号化できるため、安心なECサイトと判断されるでしょう。
無制限の商品登録
販売できる商品数に制限はありません。そのため、新しいストアを設ける必要なく、1つのECサイトで商品をすべて販売できます。
商品数が多くても、ECサイトのカスタマイズができるため、検索性を上げたりインターフェースを整えたりすることで、すべての商品をユーザーに届けられるでしょう。
オンラインストレージの利用
訪問者数やアップロードするファイルや写真点数の制限がなく、追加費用もかかりません。これはオンラインストレージを利用しているため、無制限で利用可能だからです。商品紹介の写真を多数掲載できるため、多くの訪問者があっても安心ですね。
Shopify POSの利用
Shopifyでは、Shopify POSというアプリがiOSとAndroidで使えます。そして、Shopify POSの場合、実店舗とネットショップをPOSアプリを使って連携できます。
将来的に実店舗を持つ計画があったりポップアップストアで期間限定で商品を販売したりする場合、ネットショップと分けて在庫や売上管理を行うのは面倒ですよね。Shopify POSがあれば、オンラインもオフラインも双方管理可能です。Shopifyのベーシックプランでも利用できるため、将来性もあると言えるでしょう。
ギフトカードの利用
ギフトカードは、オンラインストアで注文した際の決済で代金の代わりに使用できるカードコードのことです。既存ユーザーのロイヤリティを高め、一人あたりの購買単価を上げる施策として利用できるでしょう。特典などとして渡せるため、ユーザーとの接触率を高めストア認知を高める効果があります。
なお、2020年8月現在はベーシックプランを含むすべてのプランでギフトカードを利用できますが、これまではスタンダードプランから利用できる機能でした。Shopifyのヘルプページでも一時的と書かれているので、今後ベーシックプランでは使えなくなる可能性もあるため注意しましょう。
オンライン販売チャネルの追加
Shopifyでは、さまざまな販売チャネルを使用してオンラインで販売できます。例えば、FacebookやInstagramといったSNSや、自身で運営しているサイトやブログ、そしてAmazonやその他オンラインストアからの販売が可能です。これらの販売チャネルはShopifyと連携しているため、商品、注文、ユーザーを簡単に追跡できます。
不正解析
不正解析は、不正取引の可能性がある注文にフラグを立て注意を喚起する機能です。ただし、利用には、Shopifyペイメントを使用しなければなりません。不正取引は、ユーザーが承認していない取引のことです。ストア運営者にとって不正取引は、チャージバックを発生させ、金額的な損失を生み出す可能性があります。
そこで、事前に疑わしい注文に対して注意を払えるように機械学習アルゴリズムが組み込まれました。これで怪しい取引に手を出すリスクを軽減できます。
クーポンコードの作成
ベーシックプランには、クーポンを発行する機能もあります。割り引いて商品を販売できるので、新たな顧客層の開拓や、既存顧客のロイヤリティ向上、そして顧客単価アップの効果を期待できます。
ただし、発行しすぎるとクーポンがないと購入しないユーザーが出てくるかもしれません。そのため、効果の検証を行いクーポンを上手に使うと良いでしょう。
スタッフアカウントの発行
ベーシックプランでは、スタッフアカウントを2人まで追加できます。権限があれば管理画面へのログインが可能です。ただし、アカウントごとに権限は制限できるので、機密情報へのアクセスを禁止することもできます。
2人までしか追加できないため、大勢で運営することには不向きです。ただ、遠隔でも一緒にストアを運営できるスタッフを追加できることはメリットだと言えるでしょう。
財務レポートの作成
財務レポートでは、販売、決済、負債などの売上情報の概要を確認できます。財務情報は、ビジネスにおいて重要なものです。それを自動で販売情報として管理できるため、業務を減らせます。そして、現在の売上状況を確認し、今後のプロモーションや力を入れていく商品など、販売プランの作成にも活用ができます。
カスタマーサポート
ストアに関する質問や設定でサポートが必要な場合、電話やメール、チャットでShopifyのサポートチームに問い合わせが可能です。チャットと電話は24時間対応可能ですが、英語のみとなります。メールは日本語対応可能です。
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランの料金
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランは、月額29ドルです。これで、先ほど解説した機能すべてが含まれています。ECサイトを始めたばかりの方には、十分な機能が備わっていると言えるでしょう。
また、月額契約ではなく、先払いで1年契約や2年契約も可能です。1年契約の場合は10%、2年契約の場合は20%のディスカウントがあります。長期間の運営を考えているのであれば、先払いの契約を検討すると良いでしょう。
なお、スタンダードプランの場合は月額79ドル、そしてプレミアムプランの場合は月額299ドルです。ベーシックに比べると、大きく金額が上がりますが、基本的な機能はベーシックプランでも十分あります。そのため、ベーシックプランで始めても何も不足はありません。ECサイトの運営を続けていき、管理者が増えたり、さらなるプロモーションを検討したいときに、プランのアップグレードを検討する形で良いでしょう。
ベーシックプランが向いている人
Shopifyのベーシックプランに向いている人は次のとおりです。その理由について解説しましょう。
- ECサイトの運営が初めての人
- 少人数でストアを運営する人
ECサイトの運営が初めての人
Shopifyのベーシックプランには、デザインをはじめとするサイト構築、そして各種レポートやカスタマーサポートまで含まれています。ゼロからサイト構築をする必要はありませんし、レポートがあれば分析することでマーケティングに活かせます。そして、サイトでわからないことがあればサポートを受けられるため、安心してECサイトの運営を続けられます。
しかし、月額29ドルは決して安い金額ではないかもしれません。例えば、ワードプレス (WordPress)でもECサイトを運営できますし、この場合はレンタルサーバー費用だけで済みます。
ただ、そのためには十分な知識が必要となります。ベーシックプランには、ECサイトを運営していくために必要な機能はすべて揃っています。そのため、知識がなくてもすぐにECサイトを始めたい方におすすめできるプランなのです。
少人数でECサイトを運営する人
ベーシックプランは、ECサイトを1人から3人程度の少数精鋭で運営する人にもおすすめです。例えば、全体を見るオーナーと、ストアの更新やデザインに1人、そして注文や在庫管理、顧客対応にもう1人といったチームであれば、スタッフアカウントを2人追加できるベーシックプランで十分対応可能です。
もちろん、1人で運営している人も少なくありません。取り扱う商品点数は無制限で、売上規模によって追加費用がかかるわけでもないため、ベーシックプランでも月商数百万円というストアも珍しくありません。「スタンダードプラン」や「プレミアムプラン」と比べて月額料金は安いため、少人数で大きな利益を目指す人はまずベーシックプランを検討すると良いでしょう。
ベーシックプランをおすすめできない人
逆に、Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランがおすすめできない人は次のとおりです。それぞれ、理由について説明しましょう。
- 大規模なECサイトを運営したい人
- クレジットカードの利用を想定している人
大規模なECサイトを運営したい人
スタッフの数が多く、役割分担を細かくして多くの商材を扱うストアの場合、ベーシックプランは向いていません。特に、億単位の年商を考えている場合は「プレミアムプラン」が良いでしょう。スタッフアカウントは15名まで追加でき、レポートのカスタマイズや、越境EC向けに配送料設定などができるため、国内だけでなく海外も視野に入れた大きなECサイトを構築できるからです。
プレミアムプランは月額は299ドルと決して安くありませんが、オンラインストアの運営に10名以上を配属できるのなら費用対効果は悪くないはずです。スタッフの役割分担も細かく設定できるため、深い部分まで目を通してきめ細かな顧客対応が可能となるでしょう。
クレジットカードの利用を想定している人
Shopifyの決済時、クレジットカードの決済手数料が発生することに注意しましょう。ベーシックプランは、この決済手数料が他のプランに比べて高いです。
日本のクレジットカードであれば3.4%、海外のクレジットカードは3.9%の手数料が掛かります。そのため、クレジットーカードの利用を想定している場合、商品単価が高かったり別の販路で実績がある商品を扱ったりする場合、「スタンダードプラン」を検討しても良いでしょう。スタンダードプランの決済手数料は、日本のクレジットカードは3.3%、海外のクレジットカードは3.85%です。
なお、「プレミアムプラン」はさらにクレジットカードの手数料が安いですが、スタンダードプランと比べて日本および海外のクレジットカード決済手数料は0.05%しか変わりません。もちろんストア規模にもよりますが、月額費用が大きく上がることから、スタンダードプランの方が良いでしょう。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)のベーシックプランについて詳しく解説しました。ECサイトに必要な基本機能は、すべて揃っているため、知識がなくてもすぐにECサイトを開設したい人にはおすすめなプランです。
それに、Shopifyのプラン変更はいつでもできます。最初は1人だけでストアを運営し、少しずつ育ててスタッフを増やしていく。そして、3人だけではストアを回せなくなったり、海外での販売を視野に入れたりしたときにプラン変更を考えるというやり方で問題ありません。
一方で、少数精鋭でも売上を立てられるのがECサイトビジネスの魅力でもあります。ベーシックプランでも、不自由なく運営できるでしょう。ShopifyでECサイトを構築するとき、参考にしてください。
なお、Shopifyのプランごとの機能についてもっと詳しく知りたい方は、こちらで詳しく解説されているので参考にすると良いでしょう。
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