
これからECサイトを構築しようと考えている方は、どのサービスを利用するべきか悩んでいる方が多いものです。というのも、利用するECサービスによって、初期費用や月額費用、カスタマイズ性の高さなどが大きく異なるからです。
今回は、「Shopifyは、他のECサービスと比べて料金や機能は良いのだろうか?」という方向けに、Shopifyの機能や特徴、利用するメリットを他のECサービスと比較した上で徹底的に解説します。Shopifyの特徴だけでなく、他の有名なECサービスと比較した内容も解説しているので、ECサービス選びに大変役立つはずです。
ShopifyでECサイトを構築する場合の料金相場も紹介するので、ECサイト制作に役立ててください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)とは?
Shopify(ショッピファイ)は、誰でも簡単にECサイトを構築&運営できるプラットフォームサービスです。世界175ヶ国以上100万のショップに活用されています。
かつては、ECサイトを構築するには自社でサーバーを用意して、ECパッケージを購入してカスタマイズする必要がありました。しかし、現在はShopifyを利用することで、少額からECサイト運用を始めることができます。
2017年11月に日本法人を設立し、日本語でのサポートや管理画面の日本語化が行われ、ますます利用しやすい環境が整ってきています。これからECサイトを構築しようと考えている場合は、間違いなく選択肢にShopifyを入れて検討することをおすすめします。その理由として、Shopifyの機能や特徴、利用するメリットを解説していきます。
Shopify(ショッピファイ)の機能・特徴
では、最初にShopify(ショッピファイ)の機能と特徴を紹介します。Shopifyは、他のECサービスと比べると、機能が豊富でさまざまな特徴があります。どのECサービスを利用すれば良いか悩んでいる方は、次の特徴を確認してみてください。
- アプリを活用することでサイトをカスタマイズできる
- 豊富なデザインテンプレートが利用できる
- 業務自動化ができる
- 他のアプリと連携しやすい
アプリを活用することでサイトをカスタマイズできる
Shopifyが世界中で利用されている理由は、専用のアプリを活用して、簡単にショップをカスタマイズできるからです。
Shopifyはデフォルトの機能でも基本的なショップ機能が搭載されていますが、2,000種類以上のアプリを活用することで、自由にサイト機能を拡張できます。アプリにはマーケティングやSEO対策、SNS連携、配送の手配などがあり、デフォルトの機能では実現できないことが可能になります。
他のECサービスでは、Shopifyのようにアプリを活用して機能を拡張できる仕組みがないので、自由にカスタマイズして、色々な販売戦略や施策を実行したい方にはあまりおすすめできません。そのため、ShopifyでECサイトを構築した場合は、アプリを積極的に活用して売り上げを最大化できるようにカスタマイズしてみてください。
豊富なデザインテンプレートが利用できる
Shopifyは豊富なデザインテンプレートが利用でき、魅力的なデザインのショップが数クリックで簡単に作ることができます。
利用できるデザインテンプレートは、無料から有料のものまで100種類以上の中から選択可能です。また、無料デザインでもHTML/CSSを編集してカスタマイズができるので、非常に自由度高く理想のデザインを実現できます。
他のECサービスでは、デザインテンプレートはあっても数が少なかったり、HTML/CSSの編集が行えないことがあるため、オリジナルデザインのショップを作りたい方はShopifyを利用すると良いでしょう。また、Shopifyでデザインを作る際は、画面サイズ別に表示を確認できるため、レスポンシブ対応も簡単に行えます。
業務自動化ができる
ShopifyのAPI連携機能を活用すれば、さまざまな業務の自動化を行うことができます。例えば、商品情報の連携や入庫や在庫情報の自動反映、発送業務の自動化などを簡単に行うことができ、手間なくECサイト運営を行うことが可能です。
ECサイト運営では、出品した商品の管理や仕入れ在庫管理、配送管理、顧客管理など行わなければならない業務が非常にたくさんあります。ECサイト運営経験がない方や少ない方にとって、こういった管理業務は難しく、多くの時間がかかってしまいます。
他のECサービスを利用するよりも、Shopifyは圧倒的に業務自動化が行えて便利なので、ECサイト運営経験が少ない方こそ、Shopifyを利用するのがおすすめです。
他のアプリと連携しやすい
Shopifyは、デフォルトの機能やアプリを活用することで、さまざまな外部アプリと連携することができ、集客や販売チャネルを拡大できます。Shopifyと連携できる主なサービスは次のとおりです。
- Amazon
- Google Shopping
- オンラインストア
- 実店舗
これらの外部アプリやサービスと連携することで、販売情報や在庫管理をまとめて行えるようになり、時間や手間をかけることなく売り上げを最大化させることができます。例えば、FacebookやInstagramとShopifyを連携させることで、アプリを利用しているユーザーがページを移動することなく、FacebookやInstagram上で商品を購入できるようになります。
他のECサービスはShopifyのように連携できないため、ユーザーがショップのリンクを経由して、ページを移動してから購入する必要があります。購入手順が多くなるほど購入率は低くなるため、アプリと連携できて簡単に購入できる仕組みを作れるShopifyの方が売り上げを作りやすいでしょう。また、実店舗がある場合でも連携でき、在庫管理もアプリで一括で行えるようになります。
このように、Shopifyはあらゆる販売者のニーズを満たす機能が充実しているため、痒いところに手が届くECサイト構築サービスといえます。
Shopify(ショッピファイ)を利用するメリット
次に、他のECサービスではなくShopify(ショッピファイ)を利用するメリットを解説します。総合的に見て、他のECサービスよりもShopifyがおすすめできます。
- 導入コストが安い
- カスタマイズ性が高い
- SNS連携やSEO対策が簡単
- 在庫管理や配送サービスが充実
- 海外に向けて販売可能
導入コストが安い
Shopifyは豊富な機能や高いカスタマイズ性があるにも関わらず、非常に導入コストが安いメリットがあります。最も安いプランでは、たったの月額29ドルで本格的なECサイトを開設することができます。また、すべてのプランに14日間の無料トライアルが付与されているので安心して使い始めることが可能です。
Shopifyのようにサブスクリプション型のECサービスを利用しない場合は、導入コストで数百万円〜数千万円ほど必要になる可能性もあるため、まずは低コストでECサイトを構築したい方にShopifyはおすすめです。
他のECサービスでShopifyよりも月額費用が安いところもありますが、商品が購入されて決済時に発生する決済手数料がShopifyの方が安いため、売り上げが増えた際の月額コストを考えると、やはりShopifyの方がお得に利用できるでしょう。
カスタマイズ性が高い
Shopifyは、他のECサービスと比べてあらゆる面でカスタマイズ性が高いメリットがあります。
アプリを導入することでショップにさまざまな機能を追加できたり、デザインテンプレートを活用してHTML/CSSを編集することで、オリジナルデザインを作ることができたり、自由度高くECサイトを作ることができます。
SNS連携やSEO対策が簡単
FacebookやInstagramなどのSNSと簡単に連携することができ、SEO対策も行えます。ECサイトを構築した後は、集客と販売を行わないと売り上げが発生しないため、各種連携や対応できるメリットは非常に大きいです。
他のECサービスでは、連携するのに外部サービスを別で契約しなければならなかったり、別途費用が発生したりすることがあるため、簡単に連携できるShopifyがおすすめです。
在庫管理や配送サービスが充実
Shopifyは在庫管理や配送サービスが充実しています。そのため、ECサイトの構築だけでなく、その後の運営まで安心して利用できるメリットがあります。
利用できる国内の配送サービスは、日本郵便やヤマト運輸、佐川急便を活用でき、海外ではFedEx、UPS、DHLなどの世界3大配送会社を活用できます。配送サービスの充実さは、他のECサービスと比べて圧倒的に優れています。そのため、越境ECサイトを構築したい方や、豊富な配送方法に対応したい方はShopifyの利用がおすすめです。
また、在庫管理や売り上げはスマホアプリから簡単に確認できます。管理画面のUIも直感的に操作でき、非常に見やすいので、初めてECサイトを運営する方でも安心です。
海外に向けて販売可能
Shopifyは多言語・多通貨・国際発送に対応しているため、誰でも簡単に海外に向けて販売を始めることができます。世界No.1のシェア数で175ヶ国以上で利用されている人気サービスだけあって、多言語や多通貨の対応も簡単に行えます。
また、世界中の利用者に合わせて、100種類以上の決済方法を導入できるため、顧客を取り逃してしまうことはありません。
他のECサービスでは、多言語対応はカスタマイズして実現できても、多通貨や100種類以上の決済方法には対応できません。海外向けに商品を販売していきたい方はShopifyがおすすめです。
Shopify(ショッピファイ)の料金プラン
ここまで、Shopify(ショッピファイ)機能や特徴、利用するメリットについて解説しました。続いて、料金プランを紹介します。
- Lite
- ベーシック
- スタンダード
- プレミアム
- Shopify Plus
プラン名 | Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus |
---|---|---|---|---|---|
月額費用 | 9ドル | 29ドル | 79ドル | 299ドル | 2,000ドル |
Shopifyは利用するプランによって月額費用や利用できる機能が異なります。この中で、「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つのプランが一般的に利用されているプランです。
ベーシックプランが最も月額費用が安いですが、決済手数料が高くなるので、想定される売り上げ見込みによって上位プランを選ぶようにしましょう。
- ベーシック:月商500万円以下
- スタンダード:月商5000万円以下
- プレミアム:月商5,000万円以上
この月商を一つの目安にしてプランを検討すると良いでしょう。他にも、越境ECサイトを運営したい方や、複数人でアカウントを管理したい方はスタンダード以上のプランを選ぶのがおすすめです。
そして、最も月額費用が安い「Liteプラン」は、ShopifyにECサイトを構築することなく、すでに運営しているサイトに埋め込みコードを追加して販売を行えるプランです。Liteプランは、まだ商品が売れるかわからず、いきなりECサイトを運営するのが不安な方におすすめです。
そして、「Shopify Plus」は反対に大規模ECサイトを構築したい方向けの最上位プランです。月額2,000ドルと高額である代わりに、決済手数料が安く、他のプランでは利用できない機能を活用することができます。月々の決済手数料が100万円を超える売り上げ規模の方におすすめです。
Shopify(ショッピファイ)と他のECサービスの比較
ここまで解説した内容を、Shopifyと他のECサービスを比較して解説します。比較するECサービスは国内で利用者が多い以下の4つです。
- BASE
- STORES
- EC-CUBE
- MakeShop
BASEとの比較
BASEは、Shopifyと比べて初期費用と月額費用が無料で利用できるメリットがあるECサービスです。必要なのは、商品が売れた場合に発生する決済手数料だけになります。月額費用や決済手数料を比較すると次の通りです。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 |
---|---|---|---|
BASE | 無料 | 無料 | 3.6%+40円(販売手数料+3%) |
Shopify | 無料 | 29ドル〜299ドル | 0.5%〜3.9% |
決済手数料は3.6%+40円で、さらに販売手数料3%が発生してしまうため、売り上げが大きくなる可能性がある場合は、決済手数料が安いShopifyを利用することをおすすめします。
他にもカスタマイズ性の高さや、決済・配送方法の充実度においてShopifyの方が優れています。
STORES.jpとの比較
STORES.jpは、無料の「フリープラン」と有料の「スタンダードプラン」の2種類があります。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 |
---|---|---|---|
STORES.jp | 無料 | 1980円 | フリープラン:5% スタンダードプラン:3.6% |
Shopify | 無料 | 29ドル〜299ドル | 0.5%〜3.9% |
月額費用無料のフリープランで利用すると決済手数料が5%と非常に高く、月額1,980円のスタンダードプランでも決済手数料が3.6%なので、機能面の充実度やカスタマイズ性の高さを考えると、Shopifyの利用がおすすめです。
STORES.jpはShopifyと同じように豊富なテンプレートを活用してデザインを作成できますが、有料プランからしか利用できません。
EC-CUBEとの比較
次にECパッケージとして国内No.1のシェア数のEC-CUBEと比較します。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 |
---|---|---|---|
EC-CUBE | 無料 | 無料 | 別途契約が必要 |
Shopify | 無料 | 29ドル〜299ドル | 0.5%〜3.9% |
ECパッケージのEC-CUBEは無料でインストールすることができます。ただし、カスタマイズを行って販売できるようにするには、制作会社に構築を依頼したり、決済方法を導入するために別途決済サービスを契約する必要があります。
そのため、販売を開始するためには、パッケージが無料でもその他の費用が多く必要になります。カスタマイズ性が非常に高いので、制作予算があり、ECサイト運営ノウハウがある方におすすめできます。
Shopifyは月額費用が必要ですが、運営にかかるコストが安いため、EC-CUBEでECサイトを構築・運用するよりも低コストで運営することが可能です。そのため、予算がありECパッケージでECサイトを構築できるノウハウのある方はEC-CUBEを利用して、カスタマイズを簡単にコスパ良く利用したい方はShopifyの利用がおすすめです。
MakeShopとの比較
最後にMakeShopはカスタマイズ性の高いECサービスで、GMO株式会社によって運営されています。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 |
---|---|---|---|
MakeShop | プレミアム:1万円 エンタープライズ:10万円 |
プレミアム:1万円 エンタープライズ:5万円〜 |
3.14%〜 |
Shopify | 無料 | 29ドル〜299ドル | 0.5%〜3.9% |
MakeShopの機能はShopifyに劣らず、高いカスタマイズ性と豊富なデザインテンプレートが使えるため、国内の多くの企業で利用されています。
Shopifyと比較すると初期費用や月額費用が高額なので、初期費用があったりECサイト運営経験が豊富にあったりする方を除いて、MakeShopを利用するのは難しいかもしれません。
Shopify(ショッピファイ)でECサイトを作る手順
では、実際にShopifyでECサイトを作る手順を紹介しましょう。初めてECサイトを構築する方でも、以下の手順で簡単に開設することができます。
- 14日間無料で登録する
- 商品を追加する
- ページを制作する
- ストアデザインを制作する
- 配送・決済方法を設定する
14日間無料で登録する
まずは、売り上げ見込みや行いたい販売戦略に合わせて、Shopifyの利用プランを決めて、登録を行います。どのプランを選んだ場合でも、14日間無料で利用できるので、まずは実際に使ってみてから検討したいという方でも安心です。
商品を追加する
Shopifyに登録できたら、次のような商品情報を登録します。
- 商品名
- 商品説明
- 商品画像
- 価格
商品ページはアイコンを使うことで、簡単に文字装飾やリンクの挿入などを行うことが可能です。まずは、いくつか商品を登録してみてください。
ページを制作する
次に、ECサイトを運営するために必要なページを制作します。必要なページはお問い合わせや特定商取引法などのページです。
Shopifyでは管理画面から簡単に必要なページを制作することができ、テンプレートを使用すればお問い合わせページも数クリックで作ることができます。
ストアデザインを制作する
必要なページが作成できたら、ストアデザインを作ります。デザインはテンプレートを利用すれば、HTML/CSSの知識がなくても簡単に作ることができます。
また、カスタマイズしたデザインを制作したい方は、有料のデザインテンプレートを購入したり、コーディングができる方にカスタマイズを依頼したりすると良いでしょう。
配送・決済方法を設定する
最後に商品が購入される際の決済方法や配送方法を設定します。管理画面の設定から配送の設定を行えて、配送にかかる送料も編集できます。
決済方法の設定も設定画面の「決済サービス」から行えます。どの決済サービスを利用すれば良いかわからないという方は、利用者が多い「Stripe」と「PayPal」を利用すると良いでしょう。
Shopify(ショッピファイ)でECサイトを制作する際の料金相場
最後に、Shopify(ショッピファイ)でECサイトを制作する際の料金相場を紹介します。
Shopifyは誰でも簡単にECサイトを構築できるサービスなので、月額費用のみで基本的な機能が搭載されたECサイトを開設することは十分可能です。本格的にカスタマイズした機能やデザインで構築したい場合は、金額の相場は次のような形です。
- 基本的な機能及びカスタマイズ:50万円〜100万円
- 独自デザインやアプリ開発:100万円〜300万円
- 完全オリジナルのECサイト:300万円〜1,000万円
このように、構築したいECサイトによって必要な費用が大きく異なります。Shopifyは拡張性が非常に高いため、月額費用のみでシンプルなECサイトを作ることもできますし、費用をかけて完全オリジナルで作ることも可能です。
本格的に運用を行いたい場合は、制作会社に依頼するのが、経験面や費用面からおすすめです。
まとめ
Shopify(ショッピファイ)の機能や特徴、メリットについて解説し、他のECサービスとの比較を紹介しました。Shopifyは売り上げ規模に応じて最適な料金プランを選ぶことができ、アプリを活用することで簡単にカスタマイズしたECサイトを作ることができます。これからShopifyで新しくECサイトの制作や既存のECサイトのリニューアルをお考えで、制作代行を探している方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
Shopify Guideは、メディアの運営によってShopifyに関する幅広く情報を得ているため、Shopifyでの運営ノウハウを共有することができます。ShopifyでECサイトの運営を始めるなら、知識を持ったパートナーと始めることをおすすめします。